電気工事施工管理技士 独学ガイド|資格のT

  1. HOME
  2. 過去問
  3. > 令和6年度(前期)2級 No.6 高圧電路の機器

令和6年度(前期)2級電気工事施工管理技士 No.6を解説、切れる電流

令和6年度(前期)2級電気工事施工管理技士 第一次検定 No.6は、高圧電路に使用する機器に関する記述として、最も不適当なものを選ぶ問題です。

この問題のポイント

この問題は、機器ごとに切れる電流が違うことを分かっているかを問うものです。分かれ目は負荷電流までか、短絡電流まで切れるかです。

PASは負荷開閉器なので、短絡電流は切れません。

正解:選択肢1(PASは短絡電流を遮断できる)

> この論点をやさしく解説:主遮断装置のCB形とPF・S形は何が違うのか?受電設備容量の限度で分かれる

> この論点をやさしく解説:配電線路の保護とは?短絡・地絡それぞれに置く継電器の違いを整理

各選択肢の正誤

選択肢 機器 解説
1 PASが短絡電流を遮断 負荷電流までしか切れない。不適当
2 VCBが負荷電流を開閉 遮断器なので短絡も切れる。適当
3 VMCは多頻度開閉に使う 電磁接触器の用途。適当
4 PFは短絡電流の遮断に使う 限流ヒューズの役目。適当

不適当なのは選択肢1です。

選択肢1のポイント(ここが答え)

引っかけの核心は、PASの正式名称に「負荷開閉器」と書いてあるところです。名前が切れる範囲を示しています。

PASは高圧気中負荷開閉器(Pole Air Switch)です。負荷開閉器は、正常に流れている負荷電流を開閉するための機器で、事故時の大きな短絡電流を切る性能はありません。

機器ごとに切れる電流を並べると、こうなります。

機器 負荷電流 短絡電流 主な役割
PAS(負荷開閉器) 開閉できる 切れない 責任分界点で線路を切り離す
VCB(遮断器) 開閉できる 切れる 事故電流を遮断する
VMC(電磁接触器) 開閉できる 切れない 頻繁な入り切りに使う
PF(限流ヒューズ) 切れる 溶断して短絡電流を抑える
DS(断路器) 切れない 切れない 無電流のときに開閉する

PASは短絡は切れませんが、地絡は検出して切り離せます。地絡継電器(GR)を組み合わせたGR付PASが一般的で、構内で地絡が起きたときに自分の設備だけを切り離し、他の需要家への波及事故を防ぎます。

短絡への備えとしては、PASと限流ヒューズを組み合わせたPF付LBSという形が使われます。ヒューズが溶断して短絡電流を切り、開閉器が回路を開きます。

選択肢3のVMCは、真空バルブを使った電磁接触器です。コンデンサは1日に何度も入り切りするので、開閉回数に強い機器が要ります。遮断器は事故時に働くものなので、多頻度の開閉には向きません。

覚え方

  • 「開閉器」は負荷電流まで、「遮断器」は短絡電流まで。名前が範囲を示す
  • PASは短絡は切れないが地絡は切り離せる。GR付PAS
  • 断路器(DS)は無電流でしか開閉できない。負荷電流も切れない

理解度チェック

Q.

PASは短絡電流を遮断できるか。

できません。負荷開閉器なので開閉できるのは負荷電流までです。短絡には限流ヒューズや遮断器を組み合わせます。

Q.

コンデンサの多頻度開閉に使う機器は。

高圧真空電磁接触器(VMC)です。開閉回数に強く、頻繁な入り切りに向いています。

電気工事施工管理技士 過去問解説 一覧へ

参考資料

  • 一般財団法人 建設業振興基金「令和6年度 2級電気工事施工管理技術検定 第一次検定(前期)問題」「同 正答肢」
T

無料・独学でまなぶ資格のT

T|運営・編集

電気工事施工管理技士の受検にむけて、過去問と用語を一次資料で確かめながら整理しています。

Topへ >>