令和7年度(後期)2級電気工事施工管理技士 第一次検定 No.13は、送電線路の過電流継電器(OCR)について、最も不適当なものを選ぶ問題です。事故検出・短絡と過負荷の保護・時限整定・動作する条件の4点が並びます。
この問題は、保護継電器の時限整定がどういう作業かを問うものです。整定は、どの継電器を先に動かすかという順番を決める作業です。
引っかけの核心は、選択肢3が「複雑になると容易になる」としている点です。決めるべき順番が増えれば、作業は難しくなります。
※ 問題文そのものは、建設業振興基金が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢3(最も不適当なもの)
> この論点をやさしく解説:配電線路の保護とは?短絡・地絡それぞれに置く継電器の違いを整理
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| 1 | 正しい | 事故検出に用いられる |
| 2 | 正しい | 短絡保護や過負荷保護に用いられる |
| 3 | 誤り | 複雑になると時限整定は困難になる |
| 4 | 正しい | 入力電流が整定値以上で動作する |
最も不適当なのは選択肢3です。
時限整定は、事故が起きたときに、どの継電器を先に動かすかを時間差で決める作業です。
保護の基本は、事故点にいちばん近い遮断器だけを切って、それ以外は切らないことです。停電の範囲を最小にするためです。これを実現するには、事故点から遠い継電器ほど動作を遅らせておきます。近い継電器が先に切れば、遠い継電器は動作する前に事故が消えます。
系統が単純なら、順番は一本道です。ところが系統が複雑になると、次のことが起こります。
だから複雑になるほど時限整定は困難になります。選択肢3はこれを逆に書いています。
残る3つは、過電流継電器そのものの説明です。
| 選択肢 | 中身 |
|---|---|
| 1(事故検出) | 電流の大きさから事故を見つける |
| 2(保護の対象) | 短絡(大きな電流が急に流れる)と過負荷(定格を超えて流れ続ける)の両方 |
| 4(動作の条件) | 入力電流があらかじめ決めた整定値以上になると動作する |
選択肢4にある整定値は、動作する電流の大きさのことです。時限整定は動作する時間の話で、こちらは電流の話です。過電流継電器では、大きさと時間の2つを決めると押さえておきます。
時限整定は何を決める作業か。
どの継電器を先に動かすかを、動作時間の差で決める作業です。事故点に近い遮断器だけを切って停電範囲を最小にするために行います。
系統が複雑になると時限整定がどうなるか。
困難になります。電流の経路が複数になって前後関係が変わり、守るべき順番の組合せが増えるためです。
参考資料
※ この記事の確認日:2026年9月