令和8年度(前期)2級電気工事施工管理技士 第一次検定 No.18は、配電線路に施設する過電流遮断器について、「電気設備の技術基準とその解釈」上で誤っているものを選ぶ問題です。
この問題は、過電流遮断器をどんな性能のものにするかと、どこには付けてはいけないかを分けて問うものです。選択肢1・2・4が性能と設置義務の話、選択肢3だけが設置してはいけない箇所の話です。
引っかけの核心は、選択肢3が「施設しなければならない」と書いていることです。解釈が定めているのは正反対で、接地側電線には施設しないことです。
※ 問題文そのものは、建設業振興基金が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢3(誤っているもの)
> この論点をやさしく解説:過電流遮断器を施設しない箇所とは?接地側電線と高圧の性能を整理
| 選択肢 | 正誤 | 根拠 | 解説 |
|---|---|---|---|
| 1 | 正しい | 解釈第34条第一号 | 「通過する短絡電流を遮断する能力を有すること」 |
| 2 | 正しい | 解釈第34条第二号 | 「開閉状態を表示する装置を有すること。ただし容易に確認できるものは、この限りでない」 |
| 3 | 誤り | 解釈第35条第1項第三号 | 接地側電線は「過電流遮断器を施設しないこと」と定められている |
| 4 | 正しい | 省令第14条 | 「電路の必要な箇所には、過電流による過熱焼損から電線及び電気機械器具を保護し…過電流遮断器を施設しなければならない」 |
誤っているのは選択肢3です。
解釈第35条【過電流遮断器の施設の例外】は、次のように定めています。
電気設備の技術基準の解釈 第35条第1項
次の各号に掲げる箇所には、過電流遮断器を施設しないこと。
一 接地線
二 多線式電路の中性線
三 第24条第1項第一号ロの規定により、電路の一部に接地工事を施した低圧電線路の接地側電線
選択肢3の「電路の一部に接地工事を施した低圧電線路の接地側電線」は、第三号の文言そのままです。語尾だけを「施設しなければならない」にひっくり返したのがこの選択肢です。
付けてはいけない理由は、切れたときに接地が失われるからです。接地線や接地側電線に遮断器が入ると、過電流でそれが動作した瞬間に接地のない状態ができます。そこへ地絡が起きれば、機器の外箱が電圧を持ったまま残ります。保護のために入れた遮断器が、かえって感電の原因を作ることになります。
同じ理由で、接地線と多線式電路の中性線にも施設できません。電気を切る道具は、切ってはいけない線には入れないと覚えます。
過電流遮断器を施設してはならない箇所を3つ挙げよ。
接地線、多線式電路の中性線、電路の一部に接地工事を施した低圧電線路の接地側電線です(解釈第35条第1項)。
高圧の電路に施設する過電流遮断器に求められる性能は何か。
短絡で作動するものは通過する短絡電流を遮断できること、そして作動に伴い開閉状態を表示する装置を持つことです。開閉状態を容易に確認できるものは表示装置が不要です(解釈第34条)。
参考資料
※ この記事の確認日:2026年9月