令和6年度(前期)2級電気工事施工管理技士 第一次検定 No.5は、ダム水路式発電所の水圧管における水撃作用に関する記述として、最も不適当なものを選ぶ問題です。
この問題は、水撃作用が何で大きくなるかを分かっているかを問うものです。管の中で止められる水の量が多いほど強くなるので、水圧管は長いほど大きくなります。
選択肢2は、これを逆に書いています。
正解:選択肢2(水圧管の長さが短いほど大きくなる)
| 選択肢 | 内容 | 解説 |
|---|---|---|
| 1 | 水圧管を破裂させることがある | 大きな圧力上昇が起きる。適当 |
| 2 | 長さが短いほど大きくなる | 長いほど大きくなる。不適当 |
| 3 | 使用水量を急激に変化させると発生 | 発生の原因そのもの。適当 |
| 4 | 入口弁の閉鎖時間が短いほど大きい | 急に閉じるほど強い。適当 |
不適当なのは選択肢2です。
引っかけの核心は、選択肢2と選択肢4がどちらも「短いほど大きくなる」と書いていて、片方だけが正しいところです。短いのが何なのかを読み分けます。
| 短くするもの | 水撃作用 |
|---|---|
| 水圧管の長さ | 小さくなる(長いほど大きい) |
| 弁を閉じる時間 | 大きくなる(急に閉じるほど強い) |
水撃作用は、流れていた水が急に止められ、その運動エネルギーが圧力に変わる現象です。水圧管が長いほど、管の中を流れている水の量が多くなります。止められる水が多いほど、生じる圧力も大きくなります。
弁を閉じる時間のほうは逆です。ゆっくり閉じれば水は徐々に減速できますが、一気に閉じると行き場を失って圧力が跳ね上がります。
この2つは、圧力上昇の式でも向きが確かめられます。
圧力上昇の目安 ∝ 管の長さ L ÷ 弁の閉鎖時間 T
Lが分子、Tが分母です。長さは長いほど、閉鎖時間は短いほど大きくなります。
対策として使われるのがサージタンクです。水圧管の途中に立てた水槽で、圧力の逃げ場をつくります。急に弁を閉じても、水がサージタンクへ上がることで圧力の上昇を抑えられます。
| 対策 | はたらき |
|---|---|
| サージタンク | 圧力の逃げ場をつくり、水圧管へ伝わる圧力上昇を抑える |
| デフレクタ | ペルトン水車で、水の向きをそらして急な弁閉鎖を避ける |
| 制圧機 | 弁を閉じるときに水を逃がして圧力を下げる |
選択肢1のとおり、水撃作用は水圧管を破裂させることがあります。だから対策の設備が置かれます。
水撃作用は水圧管の長さとどう関係するか。
長いほど大きくなります。管の中を流れる水の量が多くなり、止められるときの圧力が大きくなるためです。
サージタンクの役割は。
圧力の逃げ場をつくり、水撃作用による圧力上昇が水圧管へ伝わるのを抑えることです。
参考資料
※ この記事の確認日:2026年9月