令和6年度 地質調査技士 現場技術・管理部門 No.19を解説、測量の基本事項
令和6年度 地質調査技士資格検定試験 現場技術・管理部門 No.19は、測量の基本事項(測地系・原点・座標系)に関する問題です。この問題では、4つの記述のうち最も不適当なものを1つ選びます。
この問題のポイント
測量の位置の基準として、測地系(ITRF座標系・GRS80楕円体)、日本経緯度原点、日本水準原点、平面直角座標系などがあります。
日本経緯度原点は、水平位置(経度・緯度)の基準です。長く変わらないと思われがちですが、大きな地殻変動があると改定されます。
引っかけの核心は1点、日本経緯度原点の数値は設置以来不変ではないという点です。2011年の東日本大震災で原点が動き、改定されました。
※ 問題文そのものは、一般社団法人 全国地質調査業協会連合会(全地連)が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢2(最も不適当な記述)
各選択肢の正誤
| 選択肢 | 記述の要旨 | 正誤 |
|---|---|---|
| 1 | 世界測地系は、ITRF座標系とGRS80楕円体による | ○(正しい) |
| 2 | 日本経緯度原点の経度・緯度・原点方位角は、明治25年の設置以来不変である | ×(誤り) 2011年の東日本大震災で改定された |
| 3 | 日本水準原点は、測量法施行令で数値が定められている | ○(正しい) |
| 4 | 平面直角座標系は、X軸を南北、Y軸を東西にとる | ○(正しい) |
選択肢1・3・4は、測量の基準として正しい記述です。選択肢2が、日本経緯度原点の数値を「不変」とした誤りの記述です。
選択肢2のポイント(ここが誤り)
日本経緯度原点は、水平位置の基準となる点です。明治25年の設置から長く数値が変わりませんでした。
しかし2011年の東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)で原点そのものが動き、同じ年に測量法施行令が改正されて数値(経度・原点方位角)が改定されました。だから「設置以来不変」とした選択肢2は誤りです。
ほかの選択肢が正しい理由も押さえます。
世界測地系は、ITRF座標系とGRS80楕円体にもとづきます(選択肢1)。
日本水準原点は、標高の基準で、測量法施行令で数値が定められています(選択肢3。この標高も震災で改定されました)。
平面直角座標系は、X軸を南北、Y軸を東西にとります。数学のグラフとは軸の向きが逆です(選択肢4)。
選択肢2が、測量の基本事項として最も不適当です。日本経緯度原点の数値は、2011年の東日本大震災で改定された(不変ではない)と押さえます。
覚え方
- 日本経緯度原点の数値は2011年の東日本大震災で改定された(設置以来不変ではない)
- 世界測地系=ITRF座標系・GRS80楕円体
- 日本水準原点(標高の基準)=測量法施行令で規定・標高も震災で改定
- 平面直角座標系はX軸が南北・Y軸が東西(数学と逆)
理解度チェック
問題:日本経緯度原点の数値は、明治25年の設置以来、一度も改定されていない。
〇か×か。
答えを見る
答え:×
2011年の東北地方太平洋沖地震で原点が動き、同年に測量法施行令が改正されて数値が改定されました。
問題:平面直角座標系では、X軸を南北、Y軸を東西にとる。
〇か×か。
答えを見る
答え:〇
数学のグラフと逆で、X軸が南北(北が正)、Y軸が東西(東が正)です。
出典・参考資料
- 一般社団法人 全国地質調査業協会連合会(全地連)「令和6年度 地質調査技士資格検定試験 現場技術・管理部門 試験問題」
- 国土地理院/日本経緯度原点・日本水準原点(2011年東北地方太平洋沖地震後の改定)に関する資料
※ 測地基準の数値は、国土地理院の最新資料で確認してください。
※ この記事の確認日:2026年7月