令和6年度 地質調査技士 現場調査部門 No.82を解説、水平・傾斜ボーリングの特徴
令和6年度 地質調査技士資格検定試験 現場調査部門 No.82は、水平・傾斜ボーリング(傾斜45°以下)の特徴に関する問題です。この問題では、4つの記述のうち最も不適当なものを1つ選びます。
この問題のポイント
水平・傾斜ボーリングは、横向きや斜め下向きに掘る方法です。重力で孔壁が崩れやすく、掘進長が長くなると孔曲がりも起こりやすくなります。
そのため、垂直ボーリングよりケーシングの挿入段数が多くなるなど、手間がかかります。
引っかけの核心は1点、ワイヤライン工法は掘削能率を上げるという点です。長尺掘削でワイヤライン工法を使っても能率が上がらない、とする記述は誤りです。
※ 問題文そのものは、一般社団法人 全国地質調査業協会連合会(全地連)が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢3(最も不適当な記述)
各選択肢の正誤
| 選択肢 | 記述の要旨 | 正誤 |
|---|---|---|
| 1 | 垂直ボーリングよりケーシングの挿入段数が多くなる | ○(正しい) |
| 2 | 掘進長が増えると孔曲がりが起こりやすい | ○(正しい) |
| 3 | 長尺掘削でワイヤライン工法を用いても掘削能率は向上しない | ×(誤り) ワイヤライン工法は掘削能率が向上する |
| 4 | 垂直ボーリングに比べ孔壁が崩壊しやすい | ○(正しい) |
選択肢1・2・4は、水平・傾斜ボーリングの特徴として正しい記述です。選択肢3が、ワイヤライン工法の効果を取り違えた誤りの記述です。
選択肢3のポイント(ここが誤り)
ワイヤライン工法は、ロッドを全部引き上げず、掘削済みの内管(サンプラー)だけをワイヤで回収する方法です。
ロッドの引き上げ・押し込みの手間が大きく減るので、長尺・深孔ほど掘削能率が向上します。だから「用いても向上しない」とした選択肢3は誤りです。
ほかの選択肢が正しい理由も押さえます。
水平・傾斜ボーリングは孔壁が重力で崩れやすいので、垂直ボーリングよりケーシングの挿入段数が多くなります(選択肢1)。
掘進長が長くなるほど、狙った方向からずれる孔曲がりが起こりやすくなります(選択肢2)。
横向き・斜めなので、垂直ボーリングに比べて孔壁が崩壊しやすいです(選択肢4)。
選択肢3が、水平・傾斜ボーリングの記述として最も不適当です。ワイヤライン工法=内管だけワイヤ回収でロッド昇降を減らし、掘削能率が向上すると押さえます。
覚え方
- ワイヤライン工法=内管(サンプラー)だけをワイヤで回収→ロッド昇降が減り掘削能率が向上
- 「ワイヤラインでも能率は向上しない」は逆(引っかけ)
- 水平・傾斜ボーリング=孔壁が崩れやすい・孔曲がりしやすい→ケーシング段数が多くなる
- 長尺・深孔ほどワイヤライン工法の効果が大きい
理解度チェック
問題:長尺掘削では、ワイヤライン工法を用いても掘削能率は向上しない。
〇か×か。
答えを見る
答え:×
ワイヤライン工法は内管だけをワイヤで回収し、ロッド昇降を減らすので、長尺・深孔ほど掘削能率が向上します。
問題:水平・傾斜ボーリングは、垂直ボーリングより孔壁が崩壊しやすい。
〇か×か。
答えを見る
答え:〇
横向き・斜めに掘るため重力で孔壁が崩れやすく、ケーシングの挿入段数も多くなります。
出典・参考資料
- 一般社団法人 全国地質調査業協会連合会(全地連)「令和6年度 地質調査技士資格検定試験 現場調査部門 試験問題」
- 水平・傾斜ボーリングの特徴/ワイヤライン工法(内管回収による掘削能率向上)に関する技術資料
※ 掘削工法の特徴は、地盤工学会の基準やボーリング調査の要領で確認してください。
※ この記事の確認日:2026年7月