令和6年度 地質調査技士 現場調査部門 No.29を解説、ケーシングの設置
令和6年度 地質調査技士資格検定試験 現場調査部門 No.29は、ケーシングの設置に関する問題です。この問題では、4つの記述のうち最も不適当なものを1つ選びます。
この問題のポイント
ケーシングは、孔壁が崩れないように挿入する保護管です。継ぎ足しながら挿入し、崩れやすい層を抜けたら泥水などと合わせて孔を守ります。
あとでケーシングを抜くこと(抜管)も考えて設置します。抜きやすくするには、孔壁との摩擦を減らすことが大切です。
引っかけの核心は1点、挿入時の循環水は泥水が一般的という点です。孔壁を守り摩擦を減らすため泥水を使うので、清水にするとした記述は誤りです。
※ 問題文そのものは、一般社団法人 全国地質調査業協会連合会(全地連)が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢1(最も不適当な記述)
各選択肢の正誤
| 選択肢 | 記述の要旨 | 正誤 |
|---|---|---|
| 1 | 挿入前の循環水は、抜管を考慮して清水にする | ×(誤り) 孔壁保護・摩擦低減のため泥水が一般的 |
| 2 | 挿入ごとに孔径が小さくなり、掘削器具を細いものに替える | ○(正しい) |
| 3 | 抜けなくなったケーシングは、孔内に残す(放棄する)ことがある | ○(正しい) |
| 4 | 金属ケーシングの中では、電気検層などが測定できない | ○(正しい) |
選択肢2・3・4は、ケーシング設置の特徴として正しい記述です。選択肢1が、循環水の扱いを取り違えた誤りの記述です。
選択肢1のポイント(ここが誤り)
ケーシングの役割は、孔壁を保護し、ロッドや孔壁との摩擦抵抗を減らすことです。あとで抜くこと(抜管)を考えると、摩擦を減らしておくほど抜きやすくなります。
そのため、挿入時の循環水には、孔壁を守り摩擦を減らす泥水を使うのが一般的です。清水では孔壁が崩れやすく摩擦も残るので、清水にするとした選択肢1は誤りです。
ほかの選択肢が正しい理由も押さえます。
ケーシングを継ぎ足すたびに孔径が段階的に小さくなるので、掘削器具も細いものに替えます(選択肢2)。
抜けなくなったケーシングは、無理に抜かず孔内に残す(放棄する)ことがあります(選択肢3)。
金属のケーシングの中では、電気検層などは正しく測定できません(選択肢4)。
選択肢1が、ケーシング設置の記述として最も不適当です。挿入時の循環水は、孔壁保護・摩擦低減のため泥水が一般的(清水ではない)と押さえます。
覚え方
- ケーシング挿入時の循環水は泥水が一般的(孔壁保護・摩擦低減で抜管しやすい)
- 「抜管を考慮して清水にする」は逆(清水は孔壁が崩れやすく摩擦も残る)
- 継ぎ足すたびに孔径が小さくなる→掘削器具を細く替える
- 金属ケーシング内では電気検層は測定できない
理解度チェック
問題:ケーシング挿入時の循環水は、抜管を考慮して清水にするのが一般的である。
〇か×か。
答えを見る
答え:×
孔壁を保護し摩擦を減らすため、泥水を使うのが一般的です。清水では孔壁が崩れやすく摩擦も残ります。
問題:金属のケーシングの中では、電気検層は正しく測定できない。
〇か×か。
答えを見る
答え:〇
金属のケーシングが電気を通すため、その中では電気検層などは正しく測定できません。
出典・参考資料
- 一般社団法人 全国地質調査業協会連合会(全地連)「令和6年度 地質調査技士資格検定試験 現場調査部門 試験問題」
- ケーシング(保孔管)の役割・設置と孔壁保護・泥水に関する技術資料
※ ケーシングの設置方法は、地盤工学会の基準やボーリング調査の要領で確認してください。
※ この記事の確認日:2026年7月