ボーリングの孔内事故とは?孔壁崩壊・抑留・逸水・ロッド落下と対策
ちしつモグラ
ボーリングの孔内事故って、孔の中で何が起こるの?崩壊とか抑留とか…どう防ぐの?
この記事の要点
- 孔内事故は、ボーリング掘進中に孔の中で起こるトラブル。孔壁の崩壊・押出し、逸水・湧水、抑留、ロッドや工具の孔内落下などがある。
- 対策=膨張性地層はケーシングで孔壁を保護、泥水の管理で崩壊・逸水を防ぐ、落とした工具は回収、抑留は原因・箇所を把握して対処。
- 引っかけ=膨張性粘土(押出し)でケーシングを挿入しないとすること。押出しがあるからこそケーシングで保護する。
孔内事故とは、ボーリングの掘進中に、孔の中で起こるトラブルのことです。孔壁の崩壊や押出し、逸水・湧水、抑留(ビットやロッドが孔内で動かなくなること)、ロッドや工具の孔内落下・切断などがあります。
主な孔内事故
| 事故 | 内容 |
|---|---|
| 孔壁の崩壊・押出し | 孔の壁が崩れる/膨張性の地層が孔内へ押し出す |
| 逸水・湧水 | 掘削水が地層へ逃げる/地下水が孔に湧き出す |
| 抑留 | ビットやロッドが孔内で動かなくなる |
| ロッド・工具の落下/切断 | ロッドが切れる、工具を孔内へ落とす |
どう防ぐか(対策)
- 膨張性粘土鉱物を含む地層など孔壁が崩れやすいところは、ケーシングで孔壁を保護する
- 泥水の性質を管理し、崩壊や逸水を防ぐ(泥水の性質が悪化して起こる事故は脱水量が関係する)
- 孔口から工具類を落とした場合は、小さな器具でも掘進の支障になるため回収する
- 抑留などが起きたら、発生した箇所や原因を詳しく把握して、最適な対処方法を選ぶ
孔内事故の基本は、ケーシングと泥水で孔壁を守り、異常が出たら原因と箇所を早く把握して対処することです。
過去問での問われ方
孔内事故は、現場調査・現場技術管理の両部門でほぼ毎年問われます。
引っかけの中心は膨張性粘土(押出し)でケーシングを挿入しないとすることです。押出しがあるからこそ、ケーシングで孔壁を保護します(平成28年度 現場調査 No.31)。
また、孔内事故は原因別に「確認・点検の不良」「作業・保孔の失敗」「地質的原因」などに分類され、ケーシング事故・崩壊・抑留・押出しの大半は作業・保孔の失敗によるものとされます(令和3年度 現場調査 No.87)。
まちがえやすい:押出しがあるからケーシングで保護する
膨張性の地層で孔壁が押し出すときは、ケーシングを「挿入しない」のではなく、むしろ挿入して孔壁を保護します。
「押出しがあるからケーシングは入れない」は典型的な引っかけです。
理解度チェック
問題:膨張性粘土鉱物を含む岩石の掘削では、孔壁の押出しがあるため、一般にケーシングは挿入しない。
〇か×か。
答えを見る
答え:×
押出しがあるからこそ、ケーシングを挿入して孔壁を保護します(平成28年度 現場調査 No.31)。
問題:孔口から小さな工具を落とした場合でも、掘進の支障になるので回収する必要がある。
〇か×か。
答えを見る
答え:〇
小さな器具でも掘進の支障になるため回収します(平成28年度 現場調査 No.31)。
孔内事故は掘進中のトラブル(崩壊・押出し・逸水・抑留・落下)。ケーシングと泥水で孔壁を守り、異常は原因・箇所を把握して対処する。
出典・参考資料
- 一般社団法人 全国地質調査業協会連合会「技術者向け現場管理ハンドブック」「技術フォーラム(砂地盤における孔内事故とその対応)」/ボーリングポケットブック等(孔内事故=孔壁崩壊・押出し・逸水・抑留・ロッド落下など、対策=ケーシングによる孔壁保護・泥水管理・工具の回収)。孔内事故の分類・対策は一次資料で確認。
- 一般社団法人 全国地質調査業協会連合会(全地連)地質調査技士検定試験(平成28年度 現場調査 No.31・令和3年度 現場調査 No.87 ほか 孔内事故関連問題)。出題番号・正答は全地連公開の過去問・正答番号で照合。
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※ この記事の確認日:2026年7月