地質調査技士 独学ノート

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試料採取は過去問でどう問われる?単位区画・土壌ガス・表層土壌・地下水の引っかけ

ちしつモグラ

ちしつモグラ

土壌の試料って、どの深さから採るの?物質ごとに採り方が違うの?

この記事の要点

  • 土地は10m格子(100㎡)の単位区画に区切る。隣り合う区画は合計130㎡以下かつ長軸20m以下のときだけ統合できる。
  • 第一種(VOC)は土壌ガスを地表から0.8〜1.0mで採り、常温の暗所で保管する。第二種・第三種は表層土壌を採る。
  • 表層土壌は汚染が深くても、地表〜5cmと5〜50cmを等量混合して採るのが原則。深い部分だけを採るのは誤り。

土壌汚染調査では、土地を単位区画に区切り、区画ごとに試料を採って基準と照合します。この採り方の細かい決まりが物質の種類ごとに問われるので、過去問での出方を見ていきます。

過去問でどう問われるか?

試料採取は、令和元年度・令和3年度の土壌・地下水汚染部門でくり返し問われています。まず、物質の種類ごとの採り方を押さえます。

物質の種類ごとの試料採取方法を並べた図
試料の採り方は物質の種類で分かれる。第一種(VOC)は揮発するので土壌ガスを採る。第二種(重金属など)・第三種(農薬など)は表層土壌を採る。どちらも単位区画ごとに採取・分析し、必要に応じて地下水も帯水層を代表する位置で採水する。
対象採るもの採り方の要点
第一種(VOC・揮発性)土壌ガス地表から0.8〜1.0mで採取し、常温の暗所で保管する
第二種(重金属など)・第三種(農薬など)表層土壌地表〜5cm5〜50cmを採り、等量混合する
地下水(必要な場合)地下水井戸内滞水量の3〜5倍をパージし、帯水層を代表する位置で採る

もう1つよく問われるのが単位区画です。おそれが多いと10m格子(1区画100㎡)に区切り、隣り合う区画は合計面積130㎡以下かつ長軸20m以下のときだけ統合できます。ここまでをふまえると、引っかけは大きく次のパターンです。

  • 物質と採るものを入れ替える……第二種の重金属を土壌ガスで採る、など(第一種=土壌ガス、第二種・第三種=表層土壌)
  • 表層より深いところだけ採る……汚染が深くても、表層土壌は地表〜5cmと5〜50cmを等量混合(深い部分だけ採るのは誤り)
  • 土壌ガスの採取時間・保管……削孔後すぐに採る/24時間以内に分析、とする(所定の時間をおいて採り、常温の暗所で保管)
  • 統合の数値をずらす……合計面積140㎡などで統合できるとする(合計130㎡以下・長軸20m以下)
  • 地下水の採取位置……スクリーンの下端部で採るとする(帯水層を代表する位置。採水前に滞水量の3〜5倍をパージ)
年度・No.問われ方/引っかけ
R01 土壌 No.57合計面積140㎡・長軸20mで統合できるとした → 合計130㎡以下・長軸20m以下 ←④統合の数値
R01 土壌 No.58深い部分だけを採るとした → 表層土壌が原則 ←②表層
R01 土壌 No.64削孔後10分以内に採取とした → 所定の時間をおいて採取 ←③採取時間
R01 土壌 No.65汚染深さ50cmで50〜100cmを採取とした → 地表〜5cmと5〜50cmを等量混合 ←②表層
R01 土壌 No.67スクリーン下端部で採るとした → 帯水層を代表する位置 ←⑤地下水位置
R03 土壌 No.58採取後24時間以内に分析とした → 常温暗所で保管(深さ0.8〜1.0m) ←③保管

※ 問題番号と正解は、全地連が公開している過去問・正答で確認しています。上の行は該当する過去問解説にリンクしています。

つまり第一種は土壌ガス・第二種第三種は表層土壌(0〜5cmと5〜50cmを等量混合)、統合は合計130㎡以下・長軸20m以下が核心です。

理解度チェック

問題:第二種特定有害物質(重金属など)の試料は、土壌ガスを採取して調べる。

〇か×か。

答えを見る

答え:×

土壌ガスで調べるのは揮発する第一種です。第二種・第三種は揮発しないので表層土壌を採ります。

問題:表層土壌の試料は、地表から5cmまでと5〜50cmまでを採り、等量を混合する。

〇か×か。

答えを見る

答え:

汚染のおそれが深い場合でも、この表層採取が原則です。深い部分だけを採るのは誤りです。

問題:隣り合う単位区画は、合計面積が130㎡以下であれば、長軸の長さに関わらず統合できる。

〇か×か。

答えを見る

答え:×

合計面積130㎡以下に加えて、長軸20m以下も条件です。130㎡以下でも長軸が20mを超えると統合できません。

問われるのは、物質ごとの採り方・表層採取の原則・土壌ガスの扱い・区画の統合・地下水の位置。ここを外さなければ、試料採取の問題は取りこぼしません。

出典・参考資料

  • 地質調査技士検定 過去問題(全国地質調査業協会連合会=全地連/土壌・地下水汚染部門 R01 No.57・No.58・No.64・No.65・No.67、R03 No.57・No.58・No.64)。正答は全地連公開の正答番号で照合。
  • 環境省「土壌汚染対策法に基づく調査及び措置に関するガイドライン」(単位区画10m/30m格子・統合条件・表層土壌の採取深さ・地下水採取)。
  • 環境省「土壌ガス調査に係る採取及び測定の方法を定める件」(第一種特定有害物質の土壌ガス採取方法・深さ)。

※ 論点と用語の意味を自分の言葉で書いています。最新の法令・ガイドラインで確認してください。

地質調査技士 独学ノート 編集部

この記事を書いた人

地質調査技士 独学ノート 編集部

地質調査技士検定で過去に問われた用語・数値・調査手順を、地盤工学会の基準やJIS・国土交通省・環境省などの一次資料と、全地連の公式過去問に照らして整理しています。

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