油・ダイオキシン類は過去問でどう問われる?土壌汚染対策法の対象外と別の法律
ちしつモグラ
油やダイオキシン類も土対法の特定有害物質なの?別の法律で扱うってどういうこと?
この記事の要点
- 油もダイオキシン類も土壌汚染対策法の特定有害物質ではない。それぞれ別の枠組みで扱う。
- 油は「油汚染対策ガイドライン」で扱う。健康被害ではなく、生活環境保全上の支障(油臭・油膜)が問題。
- ダイオキシン類は「ダイオキシン類対策特別措置法」で扱う。毒性等価係数で毒性等量(TEQ)に換算する。
土壌を汚す物質でも、油とダイオキシン類は土壌汚染対策法の特定有害物質ではなく、別の枠組みで扱います。この「どの枠組みで扱うか」の取り違えが問われるので、過去問での出方を見ていきます。
過去問でどう問われるか?
油・ダイオキシン類は、令和元年度・令和3年度の土壌・地下水汚染部門で問われています。まず、3つの枠組みを分けて押さえます。
| 物質 | 扱う枠組み | 何が問題か |
|---|---|---|
| 特定有害物質(26物質) | 土壌汚染対策法 | 人の健康被害 |
| 油 | 油汚染対策ガイドライン | 生活環境保全上の支障(油臭・油膜) |
| ダイオキシン類 | ダイオキシン類対策特別措置法 | 毒性(毒性等量で評価) |
油もダイオキシン類も特定有害物質ではない、というのが土台です。この枠組みをふまえると、引っかけは大きく3パターンです。
- ① 油の枠組みを取り違える……油を特定有害物質とする(実際は油汚染対策ガイドラインで、健康被害でなく油臭・油膜などの生活環境保全上の支障が問題)
- ② ダイオキシン類の枠組みを取り違える……ダイオキシン類を土壌汚染対策法で扱うとする(ダイオキシン類対策特別措置法。異性体ごとに毒性が違うので毒性等価係数で毒性等量(TEQ)に換算。土壌環境基準1000pg-TEQ/g・調査指標値250pg-TEQ/g)
- ③ 環境基準の媒体を取り違える……ダイオキシン類の環境基準は大気・水質・底質・土壌に設定。媒体ごとの数値を取り違える
| 年度・No. | 問われ方/引っかけ |
|---|---|
| R01 土壌 No.27 | 油を特定有害物質とした → 油汚染対策ガイドラインで扱う(生活環境保全上の支障) ←①油 |
| R03 土壌 No.30 | ダイオキシン類の毒性換算 → 毒性等価係数で毒性等量に換算(土壌環境基準1000pg-TEQ/g) ←②ダイオキシン類 |
| R03 土壌 No.11 | ダイオキシン類の環境基準の媒体 → 大気・水質・底質・土壌に設定 ←③媒体 |
※ 問題番号と正解は、全地連が公開している過去問・正答で確認しています。
つまり油もダイオキシン類も特定有害物質ではなく、それぞれ油汚染対策ガイドライン・ダイオキシン類対策特別措置法で扱うが核心です。
理解度チェック
問題:油は、土壌汚染対策法の特定有害物質に含まれる。
〇か×か。
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答え:×
油は特定有害物質ではありません。油汚染対策ガイドラインで、油臭・油膜など生活環境保全上の支障として扱います。
問題:ダイオキシン類は、毒性等価係数を用いて毒性等量(TEQ)に換算して評価する。
〇か×か。
答えを見る
答え:〇
異性体ごとに毒性が違うため、毒性等価係数で毒性等量に換算します。土壌環境基準は1000pg-TEQ/gです。
問題:ダイオキシン類は、ダイオキシン類対策特別措置法ではなく土壌汚染対策法で規制される。
〇か×か。
答えを見る
答え:×
ダイオキシン類はダイオキシン類対策特別措置法で扱います。土壌汚染対策法の特定有害物質ではありません。
問われるのは、油とダイオキシン類がどの枠組みか、ダイオキシン類のTEQ換算・環境基準の媒体。ここを外さなければ、油・ダイオキシン類の問題は取りこぼしません。
出典・参考資料
- 地質調査技士検定 過去問題(全国地質調査業協会連合会=全地連/土壌・地下水汚染部門 R01 No.27、R03 No.11・No.30)。正答は全地連公開の正答番号で照合。
- ダイオキシン類対策特別措置法・ダイオキシン類に係る環境基準(土壌1000pg-TEQ/g・調査指標250pg-TEQ/g、毒性等価係数)/油汚染対策ガイドライン。環境省の資料で照合。
※ 論点と用語の意味を自分の言葉で書いています。数値は最新の法令・基準で確認してください。
※ この記事の確認日:2026年6月