ゼロから学ぶ土木施工管理|資格のT

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河川法とは?河川区域は上空・地下も許可、河川保全区域は河川区域の境界から50mまで

けんせつる

けんせつる

仮設の材料置場でも、河川は許可がいるの?

河川区域って、何に許可が必要なの?

この記事の要点

河川区域内で土地の占用・工作物の新築・土地の掘削などを行うには、河川管理者の許可が必要です。

上空や地下も対象で、仮設の材料置場も許可が要ります。過去問での問われ方も押さえます。

河川法は、洪水を防ぎ河川を適正に使うための法律です。河川区域で工事をするときに必要な許可を押さえます。

河川区域内で土地の占用・工作物の新築・土地の掘削などを行うには、河川管理者の許可が必要で、上空や地下も対象になります。

許可が必要な行為

河川区域内では、次のような行為に河川管理者の許可が必要です。

  • 土地の占用(仮設の材料置場を設けることも含む)
  • 工作物の新築・改築・除却(上空を通す吊り橋・電線、地下に埋めるサイホンも含む)
  • 土地の掘削・盛土・切土などの形状の変更(民有地でも必要)
  • 土石(転石・浮石を含む)などの採取

河川区域は地表だけでなく、上空や地下も対象になる点に注意します。

許可が不要な行為

一方、河川法施行令で定める次のような行為は、河川管理者の許可を受ける必要がありません。

  • 許可を受けて設置された取水施設・排水施設の機能を維持するための土砂の排除(取水口・排水口付近にたまった土砂の排除など)
  • 河川管理者が指定した区域以外での竹木の伐採
  • 河川管理施設の土地から10m以上離れた土地での耕うん

「機能を維持するための土砂排除」を許可が必要、と書くのは誤りです。すでに許可を受けた施設を保つための行為だからです。

河川区域と河川保全区域

河川法の許可は、河川区域とその外側の河川保全区域で必要になります。河川区域は、川の流れる部分や堤防などを含む区域です。河川保全区域は、河川区域に隣接して、堤防などを守るために指定される区域で、土地の掘削や工作物の新築などに許可が必要です。

河川区域と河川保全区域の位置関係(断面) 流水 堤防 堤防 河川区域 河川保全区域 50mを超えない
河川区域と河川保全区域の位置関係(幅は実物どおりではありません)。堤防までが河川区域、その外側に隣接して指定されるのが河川保全区域です。

河川保全区域の広さには上限があります。河川管理者が指定できるのは、河岸や河川管理施設を保全するために必要な最小限度の区域で、河川区域の境界から50mを超えて指定してはならないとされています(第54条第3項)。ただし地形・地質などの状況によりやむを得ないときは、50mを超えて指定できます。

2つの区域で「許可が要る行為」が違う

河川区域と河川保全区域は、どちらも許可が要る点は同じですが、対象になる行為の範囲が違います。条文を並べると差がはっきりします。

行為河川区域河川保全区域
土地の占用許可(第24条)
流水の占用許可(第23条)
土石等の採取許可(第25条)
工作物の新築・改築許可(第26条)許可(第55条)
工作物の除却許可(第26条)許可は不要
掘削・盛土・切土などの形状変更許可(第27条)許可(第55条)
竹木の栽植・伐採許可(第27条)

とくに除却に注目してください。河川区域では工作物を「新築し、改築し、又は除却しようとする者」が許可を要しますが、河川保全区域は「工作物の新築又は改築」だけで、除却は入っていません

理由は、それぞれの区域が守っているものが違うからです。河川区域は川そのものなので、物を取り除く工事でも流れを乱せば洪水の原因になります。河川保全区域が守っているのは隣の堤防で、物を取り除くこと自体は堤防を危なくしません。何を守るための区域かから考えると、覚え直さずに済みます。

もう1つ、流水の占用(第23条)と土地の占用(第24条)が別の条文になっていることも押さえてください。水を取ることと、土地を使うことは別の許可です。工事のために河川区域内へ材料置場を設けるのは土地の占用にあたります。

河川保全区域と似たものに河川予定地があります(第57条)。これから河川区域にする予定の土地で、許可が要る行為は河川保全区域と同じ形状変更と工作物の新築・改築の2つです。こちらは制限で損失を受けた人に補償がある点が違います。

混同しやすい用語

河川区域 と 河川保全区域

どちらも河川法の許可がかかる区域ですが、範囲が違います。河川区域は、川が流れる部分や堤防などを含む、河川そのものの区域です。河川保全区域は、河川区域に隣接して、堤防や河岸を守るために指定される区域です。川そのものが河川区域、それを守るために外側に設けるのが河川保全区域、と整理できます。

過去問でどう問われたか

河川法は、河川区域内の行為に河川管理者の許可が要るか要らないかが、1級・2級とも繰り返し問われます。引っかけは大きく3型です。

  • ①必要なものを「不要」とする(仮設の材料置場・上空の電線・地下のサイホン)
  • ②機能維持の土砂排除を「必要」とする(許可を受けた施設の維持は不要)
  • ③許可不要の見分け(河川管理者が指定した区域以外の竹木の伐採など)
年度・級・No.問われ方/引っかけ
令和8年度(前期) 2級 No.42許可不要なものを選ぶ=農業施設の機能維持のための取水口付近の堆積土砂の排除(許可不要)←②土砂排除・正答:1
令和7年度 1級 No.62取水施設の機能維持のための取水口付近の堆積土砂の撤去に「河川管理者の許可が必要」=誤り(機能維持は許可不要)←②土砂排除・正答:2
令和6年度(後期) 2級 No.42許可不要なものを選ぶ=河川区域内(指定区域以外)の竹木の伐採(許可不要)←③竹木の伐採
平成22年度 1級 No.56河川区域内で仮設の材料置場の設置を「許可不要」=誤り(土地の占用で許可必要)←①占用

核心は2つです。占用・工作物・掘削・土石採取は許可が必要(仮設の材料置場や上空・地下も含む)、いっぽう許可を受けた施設の機能維持のための土砂排除は許可が不要。さらに河川管理者が指定した区域以外の竹木の伐採も許可不要です。必要と不要を入れ替えた記述が、誤り肢になります。

理解度チェック

問題:河川区域内で仮設の材料置場を設置する場合は、河川管理者の許可が必要である。

〇か×か。

答え:

仮設の材料置場も土地の占用にあたるため、河川管理者の許可が必要です(平成22年度 1級 No.56)。

問題:吊り橋や電線を河川区域内の上空を通過して設置する場合は、河川管理者の許可は不要である。

〇か×か。

答え:×

河川区域は上空も対象です。上空を通過する吊り橋や電線の設置にも許可が必要です。

問題:許可を受けて設置された取水施設の機能維持のための堆積土砂の排除は、改めて許可を受ける必要がない。

〇か×か。

答え:

すでに許可を受けた施設の機能を維持するための土砂排除は、改めて許可を受ける必要がありません(令和7年度 1級 No.62・令和8年度 2級 No.42)。

問題:河川区域内であれば、河川管理者が指定した区域かどうかにかかわらず、竹木の伐採には必ず許可が必要である。

〇か×か。

答え:×

河川管理者が指定した区域以外での竹木の伐採は、許可が不要です(令和6年度 2級 No.42)。

まとめ

河川法では、河川区域・河川保全区域での行為に河川管理者の許可が必要です。

占用(仮設の材料置場を含む)・工作物の新築(上空・地下も)・掘削・土石採取が対象で、許可を受けた施設の機能維持や指定区域以外の竹木の伐採は許可不要なのが要点です。

必要なものを「不要」、不要なものを「必要」と入れ替える引っかけが、過去問で繰り返されます。

参考資料

  • 河川法 第6条・第23条〜第27条・第54条・第55条・第57条 e-Gov法令検索
  • 国土交通省「河川法の許可」関連資料

※ 制度は標準的な内容です。法令の改正があり得るため、最新の条文・資料で確認してください。

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