けんせつる
初転圧・二次転圧・仕上げ転圧、どれがどれ?
ローラの使い分けが分からない…
この記事の要点
転圧とは、敷き均したアスファルト混合物をローラで締め固めて、所定の密度と形に仕上げる作業のことです。
順序は継目転圧 → 初転圧 → 二次転圧 → 仕上げ転圧。工程ごとに目的・使うローラ・温度が変わります。
初転圧と二次転圧でローラを入れ替えるのが、いちばん多い引っかけです。
まず、転圧が何をしている作業なのかを押さえます。ローラの使い分けは、そこから導けます。
フィニッシャで敷き均したばかりの混合物は、粒と粒のあいだにすき間が残っています。ローラで上から押さえると、粒が動いて詰まり、すき間が減って密度が上がります。これが締固めです。
密度が出ないまま固まると、そのすき間に水が入り、はく離やひび割れの起点になります。だから転圧は「形を整える作業」ではなく「密度をつくる作業」です。
締固めは1回で終わらせず、目的の違う工程に分けます。
順序は「継目転圧 → 初転圧 → 二次転圧 → 仕上げ転圧」です。継目を先に締めるのは、あとから面を転圧すると継目部が動いて段差が残るためです。継目の扱いは別にまとめています。
| 工程 | 目的 | おもなローラ | 温度の目安 |
|---|---|---|---|
| 初転圧 | 形を整える | ロードローラ(鉄輪) | 110〜140℃ |
| 二次転圧 | 密度を出す(本締め) | タイヤローラ(振動ローラも可) | 終了70〜90℃ |
| 仕上げ転圧 | 不陸修正・ローラマーク消去 | タイヤローラ・ロードローラ | 表面が整うまで |
タイヤローラの「空気圧=接地圧」「バラスト=輪荷重」は、令和5年度1級問題BNo.4でこの2つを入れ替えた肢が誤りでした。建設機械全体の選び方は建設機械の選定にまとめています。
ローラの割り当ては、機械の当たり方の違いから決まります。
ロードローラの鉄輪は変形しません。だから接している面をまっすぐにならすのが得意です。敷き均した直後の、まだ形が定まっていない混合物を平らにするのに向きます。これが初転圧です。
一方で、鉄輪は表面を押さえるだけなので、内部の粒を動かして詰める力は強くありません。
タイヤローラのゴムタイヤは、荷重がかかると変形して接地面が広がります。転がるときに混合物をこね返すように動かすので、粒どうしがかみ合ってすき間が減ります。これが密度を出す二次転圧に向く理由です。
ならすのが鉄輪、詰めるのがゴムタイヤ。だから初転圧と二次転圧を入れ替えると、形は出ても密度が出ない施工になります。
混合物は温度が下がると締め固まらなくなりますが、高すぎても問題が起きます。柔らかすぎる状態で押さえると、粒が詰まる前に横へ逃げて、表面にヘアクラック(細かいひび割れ)や変形が生じます。これが過転圧です。
だから初転圧は「できるだけ高い温度で」ではなく、ヘアクラックが出ない範囲でできるだけ高い温度で行います。110〜140℃という幅は、この上下の限界の間です。
混同しやすい用語
ロードローラ と タイヤローラ
ロードローラは鉄の輪で押さえる機械で、面をならすのが得意なので初転圧に向きます。タイヤローラはゴムタイヤで、荷重をかけながらこね返して密にするのが得意なので二次転圧に向きます。ならすのが鉄輪、詰めるのがゴムタイヤです。
マカダム型 と タンデム型
どちらもロードローラの型式です。マカダムローラを別の機械だと思うと、仕上げ転圧の肢で迷います。ロードローラは鉄輪の機械の総称で、その中に型式が2つあります。
空気圧 と バラスト(タイヤローラ)
タイヤローラは、空気圧を変えて接地圧を調整し、バラストを付加して輪荷重を増加させます。空気圧で変わるのはタイヤと地面の当たり方、重りを積んで増えるのは1輪あたりの荷重です。逆に書くのが引っかけです。
転圧は2級でほぼ毎年、1級でも締固め機械として問われます。引っかけは大きく3パターンです。
| 出題年度・級(問番) | 問われ方/引っかけ |
|---|---|
| 令和7年度 2級後期(No.25) | 「二次転圧はロードローラで行う」→ タイヤローラ。初転圧=ロードローラで110〜140℃ ←①② |
| 令和6年度 2級後期(No.25) | 温度の入れ替えと順序の取り違え。「転圧温度が高過ぎるとヘアクラックや変形」が正しい肢 ←②③ |
| 令和5年度 2級後期(No.20) | 「初転圧、継目転圧、二次転圧、仕上げ転圧」→ 継目転圧が先 ←③順序 |
| 令和4年度 2級後期(No.20) | 「二次転圧は一般にロードローラで行う」→ タイヤローラ ←①ローラ |
| 令和4年度 2級前期(No.20) | 継目転圧・初転圧・二次転圧・仕上げ転圧の順=正しい肢 |
| 令和5年度 1級 問題B(No.4) | タイヤローラの空気圧と バラストを入れ替え。ロードローラはマカダム型とタンデム型 |
| 令和5年度 2級前期(No.20) | 初転圧温度を「90〜100℃」→ 110〜140℃ ←②温度 |
| 令和6年度 1級(No.36) | ポーラスの初転圧を「タイヤローラで」→ 鉄輪のロードローラ ←①ローラ |
つまり初転圧=ロードローラで110〜140℃、二次転圧=タイヤローラで終了70〜90℃、継目転圧が先。この3点で肢が切れます。
問題:初転圧にロードローラ、二次転圧にタイヤローラを使うのはなぜか。
鉄輪のロードローラは変形しないので面をならすのが得意で、敷き均した直後の形を整える初転圧に向くためです。ゴムタイヤのタイヤローラは荷重で変形し、転がるときに混合物をこね返して詰めるので、密度を出す二次転圧に向きます。(令和7年度2級後期 No.25)
問題:転圧温度が高すぎるとヘアクラックや変形が生じるのはなぜか。
混合物が柔らかすぎる状態で押さえると、粒が詰まる前に横へ逃げるためです。表面に細かいひび割れ(ヘアクラック)や変形が出ます。だから初転圧は「できるだけ高い温度」ではなく、ヘアクラックが出ない範囲でできるだけ高い温度で行います。(令和6年度2級後期 No.25)
問題:締固めで継目転圧を初転圧より先に行うのはなぜか。
面を先に転圧すると、あとから継目を締めたときに継目部が動いて段差が残るためです。順序は継目転圧 → 初転圧 → 二次転圧 → 仕上げ転圧です。(令和5年度2級後期 No.20)
敷均しはアスファルト混合物の敷均し、接着に使う乳剤はプライムコートとタックコートで確認できます。
この用語が問われた過去問
参考資料
※ 転圧温度は標準的な目安です。混合物の種類や気象条件で変わり、基準の改定もあるため、最新の便覧で確認してください。
※ この記事の確認日:2026年9月
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管理人からのコメント
ローラの割り当ては、機械の当たり方で覚えると入れ替えません。鉄輪は変形しないので面をならす、ゴムタイヤは変形して混合物をこね返すので詰める。用途がその性質からまっすぐ出ています。
現場で効くのは温度計です。初転圧の開始温度を測らずに感覚で始めると、高すぎてヘアクラックを出すか、低すぎて密度が出ないかのどちらかに寄ります。110〜140℃という幅は、その両方の失敗の間にあります。