ゼロから学ぶ土木施工管理|資格のT

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アスファルト舗装の継目とは?縦継目・横継目の違いとレーンマークの位置を整理

けんせつる

けんせつる

縦継目と横継目、どっちが道路に沿う向き?

継目って、何に気をつけるの?

この記事の要点

継目とは、舗装を一度に敷けないために生じる、舗装どうしのつなぎ目のことです。あとから接着する部分なので、密度が上がりにくく舗装の弱点になります

  • 縦継目……道路に沿う向き(延長方向)。車線ごとに分けて舗設するときにできる。
  • 横継目……道路を横切る向き(横断方向)。施工の終了時や中断時にできる。
  • 表層の縦継目の位置は、原則としてレーンマークの位置とする。
  • 下層の継目の上に上層の継目を重ねない(既設舗装の補修・拡幅の場合を除く)。

継目に塗るのはタックコート。プライムコートではありません。

まず、なぜ継目が弱点になるのかを押さえます。施工上の決まりは、そこから全部出てきます。

継目とは何か。なぜ弱点になるのか

アスファルト舗装は一度に全部を敷けません。車線ごとに分けたり、その日の作業を終えたりするたびに、すでに冷えて固まった舗装の横に、新しい熱い混合物を並べることになります。この境目が継目です。

ここが弱点になる理由は2つあります。

  • 密度が上がりにくい……端は横に逃げ場があるので、ローラで押さえても粒が動いて外へ広がってしまい、中央部ほど締まりません。
  • 接着が別ものになる……新旧の混合物は一体で固まったわけではなく、あとから接着した面です。

密度が低くて接着も弱い線が1本通っているので、そこから水が入り、ひび割れや段差が出ます。継目の決まりは、この弱点をどう減らすかで組まれています。

縦継目と横継目(上から見た模式図) 縦継目(道路に沿う)=レーンマークの位置 横継目 (道路を横切る) 施工の終了・中断 第1車線(先に舗設) 第2車線(あとで舗設) 走行方向
縦継目と横継目(上から見た模式図)。走行方向に沿うのが縦継目、横切るのが横継目です。

縦継目と横継目の違い

種類 向き できる場面 施工の要点
縦継目 道路に沿う(延長方向) 車線ごとに分けて舗設するとき 表層は原則としてレーンマークの位置とする。先に施工した側の端を切り直し、粗骨材を取り除いてから新しい混合物を重ねる
横継目 道路を横切る(横断方向) その日の施工を終えたとき、やむを得ず中断したとき 車が乗り越える向きなので、仕上がりの良否が走行性に直接影響する。ていねいに平たんに仕上げる

令和5年度1級No.29では、「施工の中断時に縦継目を設ける」とした肢が誤りでした。中断してできるのは横継目です。

なぜレーンマークの位置に置き、上下層をずらすのか

縦継目をレーンマークの位置に置く理由

縦継目は密度が上がりにくく、あとからひび割れや段差が出やすい線です。そこに車輪が繰り返し乗ると、傷みが早く進みます

そこで、表層の縦継目は原則としてレーンマーク(車線境界線)の位置に置きます。レーンマークの上は車輪が通らない場所です。弱い線を、車輪が集中して通る位置から外すという考え方です。

令和6年度1級No.34では、これを「レーンマークの位置とはずらし」と書いた肢が誤りでした。ずらすのではなく、合わせます。

上下層の継目を重ねない理由

下層と上層の継目を同じ位置に置くと、弱い線が上下でつながって1枚の面になります。舗装の厚み全体を貫く割れ目ができるのと同じで、そこから水が下まで入り、路盤まで傷めます。

だから継目の位置をずらして、弱い部分が上下で重ならないようにします。ただし既設舗装の補修・拡幅の場合は除きます。既にある舗装の端に合わせるしかないためです。

継目に塗るのがタックコートである理由

継目は、すでに固まったアスファルト層と、新しいアスファルト層を接着する面です。層と層をくっつける場面なので、使うのはタックコートです。

プライムコートは、路盤の上に散布して路盤面を安定させ、上にのる混合物となじませるものです。塗る相手が路盤か、アスファルト層かで分かれます。継目も構造物との接触面も、相手はアスファルト層や舗設済みの面なのでタックコートです。

施工管理での確認ポイント

  • 縦継目の位置を図面で確認する:表層の縦継目がレーンマークの位置に来ているか。車輪の走行位置に置いていないか。
  • 上下層の継目位置をずらす:舗設計画の段階で、下層と上層の継目が重ならないよう割付けを決める。施工に入ってからでは動かせない。
  • 先行側の端部を処理する:縦継目では、先に施工した側の端を切り直し、粗骨材を取り除いてから新しい混合物を重ねる。
  • 接触面を清掃してタックコートを塗る:土やほこりが残っていると接着しない。塗るのはタックコート(PK-4)で、プライムコートではない。
  • 継目転圧を最初に行う:締固めの順序は継目転圧 → 初転圧 → 二次転圧 → 仕上げ転圧。面を先に転圧すると継目部が動いて段差が残る。
  • 横継目の平たん性を見る:車が乗り越える向きなので、段差があれば走行性に直接出る。仕上げ後に直線定規などで確認する。

混同しやすい用語

縦継目 と 横継目

縦継目は道路に沿う向き(延長方向)で、車線ごとに分けて舗設するときにできます。横継目は道路を横切る向き(横断方向)で、施工の終了時や中断時にできます。「中断時に縦継目を設ける」は誤りです。

タックコート と プライムコート

継目や構造物との接触面に塗るのはタックコートです。アスファルト層どうしを接着する場面だからです。プライムコートは路盤の上に散布して路盤面を安定させ、上の層となじませるもので、塗る相手が違います。

継目(アスファルト舗装) と 目地(コンクリート舗装)

どちらも「つなぎ目」ですが役割が逆です。継目は施工上できてしまうつなぎ目で、密着させて一体にします。目地コンクリート舗装の版の伸縮やひび割れに対応するため、あらかじめ設けるすき間です。

過去問でどう問われたか

継目は、1級では縦継目の位置と上下層の関係、2級では継目に塗るコートが問われます。引っかけは大きく3パターンです。

  • 位置の逆転……表層の縦継目を「レーンマークの位置とはずらし」とする。正しくはレーンマークの位置とする。
  • 向きの取り違え……施工の中断時に「縦継目」を設けるとする。正しくは横継目。
  • コートの取り違え……継目や構造物との接触面に「プライムコート」を塗るとする。正しくはタックコート。
出題年度・級(問番)問われ方/引っかけ
令和6年度 1級(No.34)表層の縦継目を「レーンマークの位置とはずらし」→ レーンマークの位置とする。下層の継目の上に上層の継目を重ねないは正しい ←①位置
令和5年度 1級(No.29)施工の中断時に設けるのは横継目。縦継目に同じ説明を付けた肢が誤り ←②向き
令和7年度 2級(No.25)継目・構造物との接触面に「プライムコート」→ タックコート ←③コート
令和4年度 2級前期(No.20)「継目又は構造物との接触面にプライムコートを施工後、舗設し密着させる」→ タックコート ←③コート
令和8年度 2級(No.25)締固めの順序で継目転圧を初転圧の後に置いた肢が誤り。継目転圧が最初
令和7年度 1級(No.36)ポーラスの継目は清掃・加温して締め固め、接着させる

つまり縦継目はレーンマークの位置、上下層は重ねない、塗るのはタックコート。この3点で肢が切れます。

管理人からのコメント

継目の決まりは全部「ここが弱い」という一点から出ています。弱いから車輪の下を避けてレーンマークに置く、弱いから上下で重ねない、弱いから清掃してタックコートで接着する、弱いから転圧を最初にやる。理由をひとつ押さえれば、個別の決まりを覚え直す必要がありません。

現場で見落としやすいのは、上下層の継目の割付けです。基層を舗設したあとで表層の割付けを考えると、もう位置が動かせません。舗設計画の段階で、下層と上層の継目をどれだけずらすかを決めておきます。

理解度チェック

問題:表層の縦継目を、原則としてレーンマークの位置に置くのはなぜか。

縦継目は密度が上がりにくく、あとからひび割れや段差が出やすい弱点だからです。レーンマークの上は車輪が通らないので、そこに置けば弱い線を車輪が集中して通る位置から外せます。「レーンマークの位置とはずらす」は誤りです。(令和6年度1級 No.34)

問題:下層の継目の上に上層の継目を重ねてはいけないのはなぜか。

同じ位置に置くと、密度の低い弱い線が上下でつながって、舗装の厚み全体を貫く割れ目のようになるためです。そこから水が路盤まで入ります。ただし既設舗装の補修・拡幅の場合は、既存の端に合わせるしかないので除かれます。

問題:継目や構造物との接触面に塗るのが、プライムコートではなくタックコートなのはなぜか。

接着する相手が、すでに固まったアスファルト層や舗設済みの面だからです。層と層をくっつけるのがタックコートの役目です。プライムコートは路盤の上に散布して路盤面を安定させ、上の層となじませるもので、塗る相手が違います。(令和7年度2級 No.25/令和4年度2級前期 No.20)

まとめ

  • 継目とは、舗装を一度に敷けないために生じるつなぎ目。密度が上がりにくく接着も別ものなので弱点になる
  • 縦継目=道路に沿う向き(車線ごとの舗設)。横継目=道路を横切る向き(施工の終了・中断)。
  • 表層の縦継目は原則としてレーンマークの位置とする。車輪が通る位置から外すため。
  • 下層の継目の上に上層の継目を重ねない(既設舗装の補修・拡幅の場合を除く)。
  • 継目や構造物との接触面に塗るのはタックコート。プライムコートは路盤用。
  • 締固めは継目転圧が最初。面を先に転圧すると継目部が動いて段差が残る。
  • 横継目は車が乗り越える向きなので、仕上がりが走行性に直接影響する。

締固めの順序は初転圧・二次転圧・仕上げ転圧、敷均しはアスファルト混合物の敷均しで確認できます。

参考資料

  • 公益社団法人 日本道路協会「舗装施工便覧」
  • 国土交通省「土木工事共通仕様書」
  • 一般財団法人 全国建設研修センター 公表の第一次検定 問題・正答
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土木施工管理技士試験で過去に問われた用語・数値・施工手順を、官公庁の仕様書や日本道路協会の便覧に照らして整理しています。

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