けんせつる
縦継目と横継目、どっちが道路に沿う向き?
継目って、何に気をつけるの?
この記事の要点
継目とは、舗装を一度に敷けないために生じる、舗装どうしのつなぎ目のことです。あとから接着する部分なので、密度が上がりにくく舗装の弱点になります。
継目に塗るのはタックコート。プライムコートではありません。
まず、なぜ継目が弱点になるのかを押さえます。施工上の決まりは、そこから全部出てきます。
アスファルト舗装は一度に全部を敷けません。車線ごとに分けたり、その日の作業を終えたりするたびに、すでに冷えて固まった舗装の横に、新しい熱い混合物を並べることになります。この境目が継目です。
ここが弱点になる理由は2つあります。
密度が低くて接着も弱い線が1本通っているので、そこから水が入り、ひび割れや段差が出ます。継目の決まりは、この弱点をどう減らすかで組まれています。
| 種類 | 向き | できる場面 | 施工の要点 |
|---|---|---|---|
| 縦継目 | 道路に沿う(延長方向) | 車線ごとに分けて舗設するとき | 表層は原則としてレーンマークの位置とする。先に施工した側の端を切り直し、粗骨材を取り除いてから新しい混合物を重ねる |
| 横継目 | 道路を横切る(横断方向) | その日の施工を終えたとき、やむを得ず中断したとき | 車が乗り越える向きなので、仕上がりの良否が走行性に直接影響する。ていねいに平たんに仕上げる |
令和5年度1級No.29では、「施工の中断時に縦継目を設ける」とした肢が誤りでした。中断してできるのは横継目です。
縦継目は密度が上がりにくく、あとからひび割れや段差が出やすい線です。そこに車輪が繰り返し乗ると、傷みが早く進みます。
そこで、表層の縦継目は原則としてレーンマーク(車線境界線)の位置に置きます。レーンマークの上は車輪が通らない場所です。弱い線を、車輪が集中して通る位置から外すという考え方です。
令和6年度1級No.34では、これを「レーンマークの位置とはずらし」と書いた肢が誤りでした。ずらすのではなく、合わせます。
下層と上層の継目を同じ位置に置くと、弱い線が上下でつながって1枚の面になります。舗装の厚み全体を貫く割れ目ができるのと同じで、そこから水が下まで入り、路盤まで傷めます。
だから継目の位置をずらして、弱い部分が上下で重ならないようにします。ただし既設舗装の補修・拡幅の場合は除きます。既にある舗装の端に合わせるしかないためです。
継目は、すでに固まったアスファルト層と、新しいアスファルト層を接着する面です。層と層をくっつける場面なので、使うのはタックコートです。
プライムコートは、路盤の上に散布して路盤面を安定させ、上にのる混合物となじませるものです。塗る相手が路盤か、アスファルト層かで分かれます。継目も構造物との接触面も、相手はアスファルト層や舗設済みの面なのでタックコートです。
混同しやすい用語
縦継目 と 横継目
縦継目は道路に沿う向き(延長方向)で、車線ごとに分けて舗設するときにできます。横継目は道路を横切る向き(横断方向)で、施工の終了時や中断時にできます。「中断時に縦継目を設ける」は誤りです。
タックコート と プライムコート
継目や構造物との接触面に塗るのはタックコートです。アスファルト層どうしを接着する場面だからです。プライムコートは路盤の上に散布して路盤面を安定させ、上の層となじませるもので、塗る相手が違います。
継目(アスファルト舗装) と 目地(コンクリート舗装)
どちらも「つなぎ目」ですが役割が逆です。継目は施工上できてしまうつなぎ目で、密着させて一体にします。目地はコンクリート舗装の版の伸縮やひび割れに対応するため、あらかじめ設けるすき間です。
継目は、1級では縦継目の位置と上下層の関係、2級では継目に塗るコートが問われます。引っかけは大きく3パターンです。
| 出題年度・級(問番) | 問われ方/引っかけ |
|---|---|
| 令和6年度 1級(No.34) | 表層の縦継目を「レーンマークの位置とはずらし」→ レーンマークの位置とする。下層の継目の上に上層の継目を重ねないは正しい ←①位置 |
| 令和5年度 1級(No.29) | 施工の中断時に設けるのは横継目。縦継目に同じ説明を付けた肢が誤り ←②向き |
| 令和7年度 2級(No.25) | 継目・構造物との接触面に「プライムコート」→ タックコート ←③コート |
| 令和4年度 2級前期(No.20) | 「継目又は構造物との接触面にプライムコートを施工後、舗設し密着させる」→ タックコート ←③コート |
| 令和8年度 2級(No.25) | 締固めの順序で継目転圧を初転圧の後に置いた肢が誤り。継目転圧が最初 |
| 令和7年度 1級(No.36) | ポーラスの継目は清掃・加温して締め固め、接着させる |
つまり縦継目はレーンマークの位置、上下層は重ねない、塗るのはタックコート。この3点で肢が切れます。
問題:表層の縦継目を、原則としてレーンマークの位置に置くのはなぜか。
縦継目は密度が上がりにくく、あとからひび割れや段差が出やすい弱点だからです。レーンマークの上は車輪が通らないので、そこに置けば弱い線を車輪が集中して通る位置から外せます。「レーンマークの位置とはずらす」は誤りです。(令和6年度1級 No.34)
問題:下層の継目の上に上層の継目を重ねてはいけないのはなぜか。
同じ位置に置くと、密度の低い弱い線が上下でつながって、舗装の厚み全体を貫く割れ目のようになるためです。そこから水が路盤まで入ります。ただし既設舗装の補修・拡幅の場合は、既存の端に合わせるしかないので除かれます。
問題:継目や構造物との接触面に塗るのが、プライムコートではなくタックコートなのはなぜか。
接着する相手が、すでに固まったアスファルト層や舗設済みの面だからです。層と層をくっつけるのがタックコートの役目です。プライムコートは路盤の上に散布して路盤面を安定させ、上の層となじませるもので、塗る相手が違います。(令和7年度2級 No.25/令和4年度2級前期 No.20)
締固めの順序は初転圧・二次転圧・仕上げ転圧、敷均しはアスファルト混合物の敷均しで確認できます。
この用語が問われた過去問
参考資料
※ この記事の確認日:2026年9月
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管理人からのコメント
継目の決まりは全部「ここが弱い」という一点から出ています。弱いから車輪の下を避けてレーンマークに置く、弱いから上下で重ねない、弱いから清掃してタックコートで接着する、弱いから転圧を最初にやる。理由をひとつ押さえれば、個別の決まりを覚え直す必要がありません。
現場で見落としやすいのは、上下層の継目の割付けです。基層を舗設したあとで表層の割付けを考えると、もう位置が動かせません。舗設計画の段階で、下層と上層の継目をどれだけずらすかを決めておきます。