編集部
X線回折は何に使う?がイメージしにくいですよね。結晶にX線を当てて、回折の角度から結晶の正体を当てる分析です。作業環境測定では、じん肺の原因になる遊離けい酸(石英)の定量に使います。
この記事の要点
結晶物質にX線(通常Cu-Kαの特性X線)を照射し、ブラッグの法則により回折角から格子面間隔を求めて、結晶物質を同定・定量します。回折角の測定にはゴニオメーターを用います。
ろ過材に捕集した試料をそのまま分析でき、作業環境測定では遊離けい酸(石英)の定性・定量に使われます。定量は回折線の強度、内標準法や標準添加法で行います。
X線回折分析法は結晶物質の同定・定量に使われ、作業環境測定ではじん肺の原因となる遊離けい酸の定量に欠かせません。分析に関する概論の問19で毎年問われます。
結晶にX線(Cu-Kα)を照射し、ブラッグの法則で回折角から格子面間隔を求めて同定・定量します。遊離けい酸の定量に使います。
混同しやすいところ
回折角 と 格子面間隔
ブラッグの法則により、回折角から格子面間隔を求めます。これで結晶物質を同定できます。
捕集試料の前処理
ろ過材に捕集した試料をそのまま分析できます。目的物質を抽出する必要はありません。
検出器の要件
回折線の角度・強度を測れればよく、スペクトル分析(波長分散)ができることは必須ではありません。
X線回折分析法は、分析に関する概論の問19で繰り返し(令和5年8月〜令和8年2月の6回中、令和7年8月を除く5回)出題されています。
検出器の要件、前処理、ブラッグの法則が中心です。
| 年度 | 問 | 問われ方・引っかけ |
|---|---|---|
| 令和8年2月・令和7年2月・令和6年2月 | 問19 | 「X線検出器はスペクトル分析ができるものでなければならない」とした選択肢が誤り。 |
| 令和6年8月 | 問19 | 特性X線・モノクロメーター・ゴニオメーターの組合せ(X線管から生じる特性X線をモノクロメーターで選択、ゴニオメーターで回折角測定)。 |
| 令和5年8月 | 問19 | 「フィルターに捕集した試料から目的物質を抽出した後、測定する」とした選択肢が誤り(そのまま分析できる)。 |
引っかけは次の型に整理できます。
結晶にCu-Kα線を照射し、ブラッグの法則で回折角から格子面間隔を求めて同定・定量。ろ過材の試料はそのまま分析でき、検出器のスペクトル分析は必須ではありません。
問題:X線回折分析法のX線検出器は、X線のスペクトル分析ができるものでなければならない。
〇か×か。
答え:×
X線回折の検出器は回折線の角度・強度を測れればよく、スペクトル分析(波長分散)ができることは必須ではありません(令和8年2月 分析概論 問19の論点)。
問題:X線回折分析法では、フィルターに捕集した試料から目的物質を抽出した後に測定する。
〇か×か。
答え:×
ろ過材(フィルター)に捕集した試料を、そのまま分析できます。抽出は不要です(令和5年8月 分析概論 問19の論点)。
問題:結晶物質から回折するX線の回折角から、ブラッグの法則を用いて格子面間隔を求めることができる。
〇か×か。
答え:〇
ブラッグの法則(nλ=2d sinθ)により、回折角から格子面間隔を求め、結晶物質を同定できます。
X線回折分析法は、結晶物質にX線(通常Cu-Kα特性X線)を照射し、ブラッグの法則により回折角から格子面間隔を求めて同定・定量します。
回折角の測定はゴニオメーター、定量は回折線の強度(内標準法・標準添加法)で行います。
作業環境測定では遊離けい酸の定性・定量に使い、ろ過材の試料をそのまま分析できます。
問19で毎年問われる引っかけは、検出器のスペクトル分析の要否、捕集試料の前処理、ブラッグの法則です。
参考資料
※ 最終更新:2026年6月
検出器は「スペクトル分析」が必須ではない
X線回折の検出器は、回折線の角度と強度を測れればよく、X線のスペクトル分析(波長分散)ができるものでなければならない、というのは誤りです。スペクトル(波長)を分けるのは蛍光X線分析などの話で、回折分析の必須要件ではありません。この点が毎年のように問われます。