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蛍光光度分析法(蛍光と励起光・キセノンランプ)|作業環境測定士

編集部

「蛍光は励起光より波長が長い?短い?」で迷いますよね。蛍光はエネルギーを一部失ってから出るので、励起光より波長は長く、エネルギーは小さい。光源はキセノンランプです。

この記事の要点

励起光を吸収した分子が電子励起状態から基底状態へ戻る際に蛍光が生じます。蛍光は励起光より波長が長く、エネルギーが小さい(ストークスシフト)。

分光蛍光光度計の光源は主にキセノンランプ、試料セルは石英、検出は光電子増倍管。蛍光は励起光を止めると速やかに減衰します(燐光は残る)。

蛍光光度分析法は微量分析に使われ、分析に関する概論の問16で毎年問われます。励起光と蛍光の関係、光源の取り違えが引っかけの中心です。

蛍光は励起光より波長が長く、エネルギーが小さい(ストークスシフト)。光源は主にキセノンランプです。

蛍光が生じるしくみ

励起光(紫外部・可視部の光)を吸収した分子は電子励起状態に上がります。そこからエネルギーの一部を熱として放出した後、電子基底状態へ戻る際に光を放ちます。これが蛍光です。

  • エネルギーを一部失ってから出るので、蛍光は励起光よりエネルギーが小さく、波長が長い(ストークスシフト)。
  • 蛍光は電子励起状態から基底状態への遷移で生じます。「電子基底状態にある分子の振動準位間の遷移で生じる」とするのは誤りです。
  • 蛍光の強度は、低濃度領域では濃度に比例し、励起光の強度にも比例します。溶存酸素が蛍光を弱めることがあります(消光)。
  • 蛍光は励起光を止めると速やかに減衰します。励起光を止めても残るのは燐光です。

装置(分光蛍光光度計)

  • 光源…主にキセノンランプ。「タングステンランプ」とするのは誤りです(タングステンは可視吸光光度の光源)。
  • 励起光…光源光を励起分光器で分光した光を試料に照射。
  • 蛍光の測定…試料から生じた蛍光を蛍光分光器で分光し、光電子増倍管で受光して強度を求める。
  • セル…石英製の試料セル。
吸光光度分析法(ランベルト・ベールの法則)が光の吸収を測るのに対し、蛍光光度分析法は吸収後に放たれる蛍光を測ります。光源も、可視吸光光度はタングステンランプ、蛍光はキセノンランプと異なります。混同しないようにします。

混同しやすいところ

励起光 と 蛍光(波長)

蛍光は励起光よりエネルギーが小さく、波長が長くなります(ストークスシフト)。逆ではありません。

光源(蛍光 と 吸光光度)

分光蛍光光度計の光源は主にキセノンランプ。可視吸光光度計はタングステンランプです。

蛍光 と 燐光

蛍光は励起光を止めると速やかに減衰、燐光は止めてもしばらく残ります。

過去問でどう問われたか

蛍光光度分析法は、分析に関する概論の問16で6回連続(令和5年8月〜令和8年2月)出題されています。励起光と蛍光の関係、光源が中心です。

年度問われ方・引っかけ
令和8年2月問16エネルギー準位図のⒶⒷⒸの遷移(吸光・蛍光・りん光)の名称の組合せを問う。
令和7年8月・令和5年8月問16蛍光は励起光よりエネルギーが小さく波長が長い・光源はキセノンランプ、の組合せを問う。
令和7年2月問16「水溶液の試料のみが分析対象となる」とした選択肢が誤り。
令和6年8月問16分光蛍光光度計の光源を「タングステンランプ」とした選択肢が誤り(キセノンランプ)。
令和6年2月問16「蛍光は電子基底状態にある分子の振動準位間の遷移で生じる」とした選択肢が誤り(電子励起状態から基底状態へ戻る際に生じる)。

引っかけは次の型に整理できます。

  • 励起光と蛍光の波長・エネルギーを逆にする(蛍光は波長が長くエネルギーが小さい)。
  • 光源をタングステンランプとする(キセノンランプ)。
  • 蛍光が生じる遷移を誤る(電子励起状態から基底状態へ戻る際)。
  • 分析対象を水溶液のみとする(限られない)。

蛍光は励起光より波長が長くエネルギーが小さい(ストークスシフト)。光源はキセノンランプ、蛍光は止めると速やかに減衰します。

理解度チェック

問題:分光蛍光光度計の光源には、主にタングステンランプが用いられる。

〇か×か。

答えを見る

答え:×

分光蛍光光度計の光源は主にキセノンランプです。タングステンランプは可視吸光光度計の光源です(令和6年8月 分析概論 問16の論点)。

問題:蛍光は、励起光よりも波長が長い。

〇か×か。

答えを見る

答え:

蛍光はエネルギーの一部を熱として失ってから生じるため、励起光よりエネルギーが小さく波長が長くなります(ストークスシフト)。

問題:蛍光は、電子基底状態にある分子の振動準位間の遷移で生じる。

〇か×か。

答えを見る

答え:×

蛍光は、電子励起状態にある分子が基底状態へ戻る際に生じます(令和6年2月 分析概論 問16の論点)。

まとめ

蛍光は、励起光を吸収した分子が電子励起状態から基底状態へ戻る際に生じ、励起光より波長が長くエネルギーが小さくなります(ストークスシフト)。

分光蛍光光度計の光源は主にキセノンランプ、検出は光電子増倍管です。蛍光は励起光を止めると速やかに減衰します。

問16で毎年問われる引っかけは、励起光と蛍光の波長・エネルギー、光源、生じる遷移、分析対象です。

参考資料

  • 蛍光光度分析法(励起光を吸収した分子が電子励起状態から基底状態へ戻る際に蛍光が生じる、蛍光は励起光より波長が長くエネルギーが小さい=ストークスシフト、光源は主にキセノンランプ、石英セル、光電子増倍管、蛍光は励起光を止めると速やかに減衰)は、機器分析・分析化学の基礎による。
  • 過去問の問われ方は、安全衛生技術試験協会の公表試験問題(分析に関する概論 問16、令和5年8月〜令和8年2月)にもとづく・公表正答。

この記事を書いた人

作業環境測定士 独学ノート 編集部

作業環境測定士試験を独学で受ける人のための学習ノートの編集部です。