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防毒マスク(吸収缶・破過・面体・型式検定)|作業環境測定士

編集部

防毒マスクは「吸収缶は万能ではない」がカギです。対象ガスごとに吸収缶が決まり、破過すると効きません。型式検定の対象も全種ではなく5種だけ。酸欠では使えません。

この記事の要点

防毒マスクは吸収缶で有害ガスを除去します。型式検定の対象は有機ガス用・ハロゲンガス用・アンモニア用・亜硫酸ガス用・一酸化炭素用の5種類で、ガスの種類にかかわらず対象ではありません。

吸収缶は対象ガスごとで、能力を超えると破過します。酸素欠乏では使えず、給気式を使います。

防毒マスクなど呼吸用保護具は、労働衛生一般の問19で毎年問われます。

労働衛生保護具のうちガスをとらえるろ過式で、吸収缶の選び方・破過・面体・型式検定の対象が問われます。型式検定の5種類は型式検定と譲渡制限を参照してください。

吸収缶と破過

  • 吸収缶は対象ガスごと…有機ガス用・ハロゲンガス用・アンモニア用・亜硫酸ガス用・一酸化炭素用などがあり、色分けされています。対象でないガスには使えません。
  • 破過(はか)…吸収缶の除毒能力には限界があり、それを超えると有害ガスが通り抜けます。これを破過といい、破過時間で管理します。
  • 有機ガス用の吸収缶でも、メタノールや二硫化炭素は破過時間が著しく短くなります(試験用ガスのシクロヘキサンに比べて)。
  • 一酸化炭素用の吸収缶は、使用環境の湿度が高いほど破過時間が短くなる傾向があります。
  • 防じん機能を有する防毒マスクは、ろ過材がある部分に白線が入っています。

面体・形状と使える条件

項目内容
面体全面形・半面形。着用時は密着性を確認する(陰圧法・陽圧法によるシールチェック)
形状隔離式・直結式・直結式小型。対応する濃度範囲が異なる(隔離式が比較的高濃度向け)
使えない条件酸素欠乏(酸素18%未満)や高濃度・対象外ガスでは使えない→送気マスク・自給式呼吸器(給気式)を使う
防毒マスクはろ過式(空気をきれいにして吸う)なので、酸素そのものは供給しません。酸素欠乏のおそれがある場所では使えず、外から空気を送る送気マスクや、ボンベを背負う自給式呼吸器(給気式)を使います。型式検定の対象も全種類ではなく、有機ガス用・ハロゲンガス用・アンモニア用・亜硫酸ガス用・一酸化炭素用の5種類だけです。

混同しやすいところ

型式検定の対象 と 全種類

型式検定の対象は5種類(有機ガス・ハロゲンガス・アンモニア・亜硫酸ガス・一酸化炭素用)です。「ガスの種類にかかわらず対象」とするのは誤りです。

吸収缶 と 破過

吸収缶は対象ガスごとで、能力を超えると破過して効かなくなります。有機ガス用でもメタノール・二硫化炭素は破過時間が短くなります。

防毒マスク(ろ過式) と 給気式

防毒マスクは酸素を供給しません。酸素欠乏では使えず、送気マスクや自給式呼吸器(給気式)を使います。

過去問でどう問われたか

防毒マスクなど呼吸用保護具は、労働衛生一般の問19で毎年(令和5年8月〜令和8年2月)「誤っている記述」を選ばせる形で出ます(正答はPDFのベクター円で確認)。

年度正答誤りとされた記述(問19=呼吸用保護具・防毒マスク中心)
令和5年8月問19防毒マスクは有害ガスの種類にかかわらず型式検定の対象、とした(対象は5種のみ)。
令和6年2月問19複数の有毒ガスが混在するとき、最も毒性の強いガス用の防毒マスクを使う、とした(全ガスに対応する吸収缶や給気式が必要)。
令和6年8月問19しめひもをヘルメットの上から使うと密着性が高まる、とした(しめひもはヘルメットの下。上からは密着性が損なわれる)。
令和7年2月問19送気マスクを「エアラインマスク=自然の大気/ホースマスク=圧縮空気」とした(逆。ホースマスク=自然の大気、エアラインマスク=圧縮空気)。
令和7年8月問19ろ過式呼吸用保護具の分類の正しい組合せを選ぶ(防じん=取替え式・使い捨て式、防毒=隔離式・直結式 ほか)。
令和8年2月問19ガスと粉じんが混在する環境で通常の防毒マスクを使う、とした(防じん機能付きの防毒マスク等を使う)。

引っかけは次の型に整理できます。

  • 型式検定の対象を全種類とする(5種類のみ)。
  • 吸収缶を万能とする(対象ガスごと・破過する)。
  • 酸素欠乏で防毒マスクが使えるとする(給気式を使う)。

型式検定の対象は5種(有機ガス・ハロゲンガス・アンモニア・亜硫酸ガス・一酸化炭素用)。吸収缶は対象ガスごとで破過する。酸素欠乏では使えず給気式。型式検定を全種類とする・酸欠で使えるとするのがよくある引っかけです。

編集部メモ

防毒マスクは、「型式検定は5種だけ」「吸収缶は対象ガスごと・破過する」「酸欠では給気式」の3点が頻出です。呼吸用保護具全体の枠組みは労働衛生保護具、型式検定の5種は型式検定と譲渡制限とつながります。

理解度チェック

問題:国内で使用される防毒マスクは、有害ガスの種類にかかわらず、型式検定の対象である。

〇か×か。

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答え:×

型式検定の対象は有機ガス用・ハロゲンガス用・アンモニア用・亜硫酸ガス用・一酸化炭素用の5種類です(令和5年8月 労働衛生一般 問19)。

問題:有機ガス用防毒マスクの吸収缶でも、メタノールや二硫化炭素は破過時間が著しく短くなる。

〇か×か。

答えを見る

答え:

有機ガス用でも、メタノール・二硫化炭素は試験用ガスのシクロヘキサンに比べて破過時間が著しく短くなります(令和5年8月 労働衛生一般 問19の論点)。

問題:酸素欠乏のおそれがある場所では、防毒マスクを使ってはならず、給気式の呼吸用保護具を使う。

〇か×か。

答えを見る

答え:

防毒マスクは酸素を供給しません。酸素欠乏では送気マスクや自給式呼吸器(給気式)を使います。

まとめ

防毒マスクは吸収缶で有害ガスを除去するろ過式の保護具です。

型式検定の対象は5種類(有機ガス・ハロゲンガス・アンモニア・亜硫酸ガス・一酸化炭素用)で、吸収缶は対象ガスごとで破過します。

面体の密着性は陰圧法・陽圧法で確認します。

酸素欠乏では使えず給気式を使います。引っかけは、型式検定を全種類とする・酸欠で使えるとする、です。

参考資料

  • 防毒マスク(型式検定の対象=有機ガス用・ハロゲンガス用・アンモニア用・亜硫酸ガス用・一酸化炭素用の5種類、吸収缶は対象ガスごと・色分け・破過、有機ガス用でもメタノール・二硫化炭素は破過時間が短い、一酸化炭素用は高湿度で破過時間が短い、防じん機能付きはろ過材部分に白線、面体の密着性は陰圧法・陽圧法、酸素欠乏では給気式)は、防毒マスクの規格・呼吸用保護具の基礎による。
  • 過去問の問われ方は、安全衛生技術試験協会の公表試験問題(労働衛生一般 問19、令和5年8月〜令和8年2月)にもとづく。誤りとされた記述は公表正答による。

この記事を書いた人

作業環境測定士 独学ノート 編集部

作業環境測定士試験を独学で受ける人のための学習ノートの編集部です。