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圧縮機の名前が多く、どれが密閉形なのか覚えきれません。
吸収式も冷凍機と冷温水機で何が違うのか分かりません。
この記事の要点
圧縮機はスクロールとロータリーが密閉形、スクリューと遠心が半密閉形です。
吸収冷凍機は一重効用と二重効用に適用しますが、吸収冷温水機は二重効用だけです。
空気熱源ヒートポンプユニットは冷凍能力60kW以上が対象です。30kW以上60kW未満は制御盤だけが適用されます。
圧縮機は密閉形と半密閉形で分かれます。
区分と形式を並べます。
第3節が6つの項に分かれています。
| 項 | 名称 | 目印 |
|---|---|---|
| 1.3.1 | 空気熱源ヒートポンプユニット | 60kW以上に適用 |
| 1.3.2 | 水冷チリングユニット | 冷水ポンプを組込む場合あり |
| 1.3.3 | 遠心冷凍機 | 自動抽気回収装置 |
| 1.3.4 | 吸収冷凍機 | 一重効用及び二重効用 |
| 1.3.5 | 吸収冷温水機 | 二重効用のみ |
| 1.3.6 | 吸収冷温水機ユニット | ユニット化したもの |
公共建築工事標準仕様書(機械設備工事編)1.3.1.1(1)/1.3.1.2(1)
(1) 本項は、冷凍能力が60kW以上の空気熱源ヒートポンプユニットに適用する。ただし、冷凍能力が30kW以上、60kW未満のものは制御盤のみを適用する。
1.3.1.2(1) 構成は、圧縮機、電動機、動力伝達装置、空気熱源蒸発器兼空冷式凝縮器、加熱器兼冷却器、冷温水ポンプ(適用の場合)、安全装置、制御盤等とする。
下限が2段になっています。60kW以上が本体、30kW以上60kW未満は制御盤だけです。
密閉形か半密閉形かで分かれます。
公共建築工事標準仕様書(機械設備工事編)1.3.1.3(2)(3)(4)/1.3.3.3(1)
(2)(ア) (スクロール圧縮機)圧縮機の形式は密閉形とし、旋回スクロールの摺動時に生じる固定スクロールとのすき間の減少により冷媒ガスを圧縮する構造とする。
(3)(ア) (ロータリー圧縮機)圧縮機の形式は密閉形とし、回転運動するピストンとシリンダーの組合せにより冷媒ガスを圧縮する構造とする。
(4)(ア) (スクリュー圧縮機)圧縮機の形式は半密閉形とし、ねじ形のロータとロータとの回転時に生じるすき間の減少により、冷媒ガスを圧縮する構造とする。また、分解及び内部点検ができる構造とする。
1.3.3.3(1) 遠心圧縮機の形式は半密閉形とし、羽根車の回転時に生じる遠心力により冷媒ガスを圧縮する構造とし、容量調整範囲内でサージングを起こさないものとする。
密閉形はスクロールとロータリーです。半密閉形はスクリューと遠心になります。
半密閉形の2つには共通の条件が付きます。分解及び内部の点検ができる構造です。
1つだけ条件付きの装置があります。
公共建築工事標準仕様書(機械設備工事編)1.3.3.2(1)/1.3.3.8(1)/1.3.3.9(1)
1.3.3.2(1) 構成は、遠心圧縮機、電動機、動力伝達装置、凝縮器、蒸発器、自動抽気回収装置(低圧冷媒を使用するものに限る。)、容量調整装置、安全装置、電動機盤、制御盤等とする。
1.3.3.8(1) 自動的に冷媒ガスに混入した空気及び水分を抽気し、かつ、機外に排出するとともに、不純物除去後の冷媒を分離回収できる構造とする。
1.3.3.9(1) 冷水を設定温度に保つように、冷媒ガス量を制御するベーンコントロール方式(自動手動併用方式)又はインバータ制御方式とし、(以下略)
自動抽気回収装置には条件が付きます。低圧冷媒を使用するものに限ると書かれています。
容量調整の方式も2つに絞られています。ベーンコントロール方式又はインバータ制御方式です。
この点は出題でも扱われています。令和5年度1級(第一次A)No.38の肢(3)「遠心冷凍機の容量制御で吸込みベーン制御を行う場合、より低い冷凍能力まで運転可能にするためにホットガスバイパス制御を設ける」が正しい肢として出ました。
適用する効用の数が違います。
公共建築工事標準仕様書(機械設備工事編)1.3.4.1(1)/1.3.5.1(1)/1.3.5.2(1)
1.3.4.1(1) 本項は、一重効用及び二重効用の吸収冷凍機に適用する。
1.3.5.1(1) 本項は、二重効用の吸収冷温水機に適用する。
1.3.5.2(1) 構成は、蒸発器、吸収器、低温再生器、高温再生器、凝縮器、低温溶液熱交換器、高温溶液熱交換器、溶液ポンプ及び冷媒ポンプ(強制循環式のものに限る。)、自動抽気装置、燃焼装置、容量調整装置、安全装置、制御盤等とする。
吸収冷凍機は一重効用と二重効用の両方です。吸収冷温水機は二重効用だけになります。
吸収冷温水機の構成には再生器が2つ入ります。低温再生器と高温再生器です。
安全装置にも独自のものがあります。溶液の結晶による故障防止装置で、停止時には溶液の希釈運転を行います。
4つの条件がそろって初めて決まります。
公共建築工事標準仕様書(機械設備工事編)1.3.3.13(1)/1.3.4.11(1)
1.3.3.13(1) 遠心冷凍機の能力及び成績係数は、JIS B 8621「遠心冷凍機」によるものとし、数値は特記による。なお、冷凍能力は冷水入口温度12℃、冷水出口温度7℃、冷却水入口温度32℃、能力100%におけるものとする。
1.3.4.11(1) 吸収冷凍機の能力及び成績係数は、JIS B 8622「吸収式冷凍機」によるものとし、数値は特記による。なお、冷凍能力は、標準定格条件(冷水入口温度12℃、冷水出口温度7℃、冷却水入口温度32℃、能力100%)におけるものとする。
条件は冷水入口12℃・冷水出口7℃・冷却水入口32℃・能力100%です。遠心と吸収で同じ値になります。
引くJISは違います。遠心はJIS B 8621、吸収はJIS B 8622です。
法令側の冷凍能力は法定冷凍能力で扱っています。
密閉形の圧縮機はどれか。
スクロール圧縮機とロータリー圧縮機です。スクリューと遠心は半密閉形になります。
遠心冷凍機の自動抽気回収装置はどんなときに要るか。
低圧冷媒を使用するものに限られます。
吸収冷温水機はどの効用に適用するか。
二重効用だけです。吸収冷凍機は一重効用と二重効用の両方に適用します。
空気熱源ヒートポンプユニットの適用範囲は。
冷凍能力60kW以上です。30kW以上60kW未満は制御盤のみが適用されます。
冷凍能力を示すときの冷却水入口温度は。
32℃です。冷水入口は12℃、冷水出口は7℃、能力は100%です。
実際に使う冷凍機の形式や能力は特記と設計図書によって変わります。個別の判断は監督員の指示にしたがってください。
級ごとに分けています。1級 機器・材料|2級 機器・材料を見てください。
参考資料
※ この記事の確認日:2026年8月
まちがえやすいポイント
圧縮機と用途の組合せが出題されています。
令和5年度1級(第一次A)No.38で、肢(4)「スクリュー圧縮機は、高い圧縮比に向いており、空気熱源ヒートポンプ用として用いられている」が適当でないものとして正答になりました。
仕様書が空気熱源ヒートポンプユニットの圧縮機として挙げているのはスクロール・ロータリー・スクリューの3つです。圧縮比の向き不向きについての記載はありません。