管工事施工管理技士 独学ガイド

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入口と出口の温度差はレンジかアプローチか?冷却塔の用語の読み分け

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冷却塔のカタカナの用語が結び付きません。

説明文だけ読むとどれも正しく見えます。

この記事の要点

冷却水入口温度と出口温度の差をレンジとした肢は、平成26年度に正しい肢でした。

まったく同じ定義をアプローチとした令和元年度の肢は誤りです。

キャリオーバとブローダウンは、2年度とも正しい肢として出ています。

冷却塔は1級の問題Aで【No.39】の必須問題に入る出題です。

2年度の肢を並べます。

冷却塔の性能用語の出題を並べた図。左は冷却水入口温度と出口温度の差が何かで、平成26年度の1級管工事施工管理技術検定 学科試験 問題A No.39の肢2は冷却塔の冷却水入口温度と出口温度の差をレンジというとする正しい肢、令和元年度の同No.39の肢4は同じ定義をアプローチというとして公表正答4の誤り、平成26年度の肢4は冷却塔の熱交換量が主に外気乾球温度と冷却水入口温度の差に左右されるとして公表正答4の誤り。右は2年度とも正しい肢だったもので、キャリオーバは冷却塔の微小水滴が気流によって塔外へ飛散すること、ブローダウンは冷却水のスケールが硬度成分の濃縮で塩類が析出したものでブローダウンなどで発生を抑制できること、令和元年度の開放式と密閉式は密閉式が空気抵抗が大きく開放式に比べて送風機動力が大きくなること。下は2年度に共通する見分け方で、定義の文はそのままで当てはめる用語だけが差し替えられていること、説明の中身が正しく読めても語と結び付いているかを最後に確かめること。
左が温度差の呼び名と誤りの肢、右が正しい肢。下が見分け方。

冷却水の入口と出口の温度差は何と呼ぶのか

レンジと呼びます。

平成26年度 1級 学科試験 問題A【No.39】(2)(正しい肢)

冷却塔の冷却水入口温度と出口温度の差を、レンジという。

この文が正しい肢として置かれています。入口温度と出口温度の差がレンジです。

冷却塔で水がどれだけ冷えたかを表します。冷却水の側だけで決まる差です。

同じ定義がアプローチと書かれたらどうなるか

誤りになります。

令和元年度 1級 学科試験 問題A【No.39】(4)(誤りの肢)

冷却塔の冷却水入口温度と出口温度の差をアプローチという。

令和元年度の公表正答は(4)です。アプローチと呼んだ部分が誤りと確定します。

定義の文は平成26年度とほぼ同じです。差し替えられたのは用語だけです。

年度 入口と出口の温度差の呼び名 扱い
平成26年度 レンジ 正しい肢
令和元年度 アプローチ 誤り(正答4)
平成26年度・令和元年度 キャリオーバ(水滴の飛散) いずれも正しい肢
平成26年度 ブローダウン(スケール抑制) 正しい肢

まちがえやすいポイント

この枠は定義文と用語の結び付きだけを入れ替えてきます。

説明の中身は2年度とも同じで、どちらも自然に読めます。文の後ろにある用語まで見て、対応が合っているかを確かめる必要があります。

正しい肢は年度をまたいで再利用されます。キャリオーバの説明は2年度ともほぼ同じ文です。

キャリオーバは何を指すのか

微小水滴が塔外へ飛散することです。

平成26年度 問題A【No.39】(1)/令和元年度 同【No.39】(3)(いずれも正しい肢)

冷却塔の微小水滴が気流によって塔外へ飛散することを、キャリオーバという。

冷却塔の微小水滴が、気流によって塔外へ飛散することをキャリーオーバーという。

飛ぶものが肢に書かれています。微小水滴が気流に乗ります。

表記は年度で少し違います。キャリオーバキャリーオーバーで、どちらも正しい肢です。

ブローダウンは何のために行うのか

スケールの発生を抑えるためです。

平成26年度 問題A【No.39】(3)(正しい肢)

冷却水のスケールは、硬度成分が濃縮されて塩類が析出したもので、ブローダウンなどによりその発生を抑制できる。

スケールのでき方も肢にあります。硬度成分が濃縮されて塩類が析出したものです。

濃縮が原因なので水を入れ替えます。ブローダウンが抑制の手段として挙げられています。

熱交換量は何の温度差で決まると出題されたのか

外気乾球温度と書いた肢が誤りです。

平成26年度 問題A【No.39】(4)(誤りの肢)

冷却塔の熱交換量は、主に外気乾球温度と冷却水入口温度の差に左右される。

平成26年度の公表正答は(4)です。外気乾球温度と書いた部分が誤りと確定します。

冷却塔の構造そのものは別に扱っています。冷却塔の構造で仕様書の要件を並べています。

理解度チェック

Q.

冷却水入口温度と出口温度の差は何と呼ぶと出題されたか。

レンジです。平成26年度に正しい肢として出ています。

Q.

「入口温度と出口温度の差をアプローチという」は正しいか。

誤りです。令和元年度の公表正答はこの肢でした。

Q.

キャリオーバとは何か。

冷却塔の微小水滴が気流によって塔外へ飛散することです。

Q.

冷却水のスケールは何が原因でできると出題されたか。

硬度成分が濃縮されて塩類が析出したものです。ブローダウンなどで発生を抑制できます。

Q.

密閉式冷却塔の送風機動力は開放式と比べてどうなると出題されたか。

大きくなります。熱交換器などの空気抵抗が大きいためとされています。

まとめ

  • 入口と出口の温度差はレンジ
  • 同じ定義をアプローチとした肢は誤り。
  • 令和元年度の公表正答は(4)。
  • キャリオーバは微小水滴の飛散
  • スケールは硬度成分の濃縮で析出する。
  • 抑制の手段がブローダウン
  • 熱交換量を外気乾球温度で説明した肢は誤り。

出題の言い回しは年度によって変わります。個別の判断は最新の試験問題と公表正答を確認してください。

あわせて読む

この科目の過去問はどこにあるか

級ごとに分けています。1級 機器・材料2級 機器・材料を見てください。

参考資料

  • 1級管工事施工管理技術検定 学科試験 問題A【No.39】(平成26年度)及び同年度の公表正答肢(一般財団法人全国建設研修センター。試験問題/正答肢のページ)。公表正答は(4)です。
  • 同 学科試験 問題A【No.39】(令和元年度)。公表正答は(4)です。
  • ※ アプローチが実際に指すものと、熱交換量を左右する正しい温度差を示す記述は、いずれの問題文にもありません。誤りとして出題された事実と、正しい肢が置いている定義を記載しています。
  • ※ 公共建築工事標準仕様書(機械設備工事編)令和7年版(修補版)を全ページ検索したところ、アプローチ、キャリオーバ、ブローダウンの語はありません。「レンジ」は235ページと238ページにありますが、いずれも厨房機器のガスレンジ・電気レンジとしての用法で、冷却塔の性能を表す語としては現れません。
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管工事施工管理技士の用語・過去問を、法令や公的な基準など一次資料にあたって整理しています。

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管工事施工管理技士の用語・条文・数値を、公表された過去問と一次資料にあたって整理しています。

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