令和7年度 1級管工事施工管理技術検定 第一次検定 問題B【No.9】は、腐食・防食に関する問題です。4つの記述のうち、適当でないものを1つ選びます。
誤りは選択肢2です。腐食が発生しやすい側が、逆に書かれています。
腐食がどちら側で起きやすいかについて、仕様書に定めがありません。この肢を適当でないとする判定は、正答肢によります。
ただし仕様書は、蒸気給気管と蒸気還管とで、選べる管材を分けています。用途欄の組み合わせを見ると、両者が同じ扱いでないことが分かります。
※ このページに問題文そのものは載せていません。一般財団法人 全国建設研修センターの試験問題および正答肢のページには、2026年8月時点で令和7年度と令和8年度が掲載されています。
正解:選択肢2
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| 1 | ○(適当) | 標準仕様書2.1.1は、水配管に使う鋼管を耐溝状腐食電縫鋼管と指定しています |
| 2 | ×(適当でない) | 腐食が発生しやすい側について、仕様書に定めがありません。判定は正答肢によります |
| 3 | ○(適当) | 密閉系での酸素の供給について、仕様書に定めがありません。判定は正答肢によります |
| 4 | ○(適当) | 標準仕様書3.2.2.4は溶融亜鉛めっきを防錆の一つとして扱い、規格をJIS H 8641としています |
仕様書には、腐食がどちら側で起きやすいかという説明はありません。その代わり、使ってよい管材が用途ごとに決められています。
公共建築工事標準仕様書(機械設備工事編)令和7年版 2.1.2.2「蒸気、高温水及び油用」(1)
蒸気、高温水及び油管並びに継手の規格は、表2.2.3によるものとし、管材は特記による。
その表2.2.3の管の部分は、次のとおりです。
| 呼称 | 規格・名称 | 備考 | 用途 |
|---|---|---|---|
| 鋼管 | JIS G 3452 配管用炭素鋼鋼管 | 黒管 | 油管、蒸気給気管 |
| 鋼管 | JIS G 3454 圧力配管用炭素鋼鋼管 | STPG 370 黒管 Sch 40 | 蒸気給気管、蒸気還管 |
| 鋼管 | JIS G 3454 圧力配管用炭素鋼鋼管 | STPG 370 黒管 Sch 40 黒管 Sch 80 | 高温水管 |
| ステンレス鋼管 | JIS G 3448 一般配管用ステンレス鋼鋼管 | SUS 304 | 蒸気還管 |
ステンレス鋼管の用途欄に挙がっているのは、蒸気還管だけです。逆に、配管用炭素鋼鋼管(黒管)の用途欄には蒸気還管が入っていません。仕様書は理由を書いていませんが、給気側と還水側を同じ扱いにしていないことは、表から読み取れます。
この表には、継手についての注も付いています。蒸気、高温水および油管用の鋼管継手は、亜鉛めっきを施さないものとするという注3です。
選択肢1は、管材の指定そのものに手掛かりがあります。
同仕様書 2.1.1「一般事項」(1)
都市ガス又は液化石油ガス以外に水配管用亜鉛めっき鋼管又は配管用炭素鋼鋼管を使用する場合は、呼び径100 以下は鍛接鋼管(SGP-B)、熱間仕上げ電気抵抗溶接鋼管(SGP-E-H)又は電気抵抗溶接鋼管(SGP-E-G)のうち耐溝状腐食電縫鋼管とし、呼び径125 以上は電気抵抗溶接鋼管(SGP-E-G)のうち耐溝状腐食電縫鋼管とする。
仕様書がわざわざ「耐溝状腐食」と付けた品を指定していることから、電縫鋼管の溶接部が溝状腐食の起きる箇所であることが分かります。圧力配管用炭素鋼鋼管を使う場合も同じで、2.1.1(2)が耐溝状腐食電縫鋼管を指定しています。
選択肢4のめっきは、防錆の節に並んでいます。
| 防錆の方法 | 仕様書が指定する規格 |
|---|---|
| 溶融亜鉛めっき(3.2.2.4) | JIS H 8641「溶融亜鉛めっき」。種類は各編による |
| 電気亜鉛めっき(3.2.2.5) | JIS H 8610「電気亜鉛めっき」の2級。クロメートフリー処理。屋内の鋼材に適用 |
| 溶融アルミニウムめっき(3.2.2.6) | JIS H 8642「溶融アルミニウムめっき」の2種 |
| エポキシ樹脂ライニング(3.2.2.3) | タンク内面の皮膜厚さは0.4mm以上。加熱硬化は100℃以上で4時間以上 |
溶融めっきと電気めっきが別の項に分かれていることが、両者が別の方法であることを示しています。
管材の記号については配管材料の記号とは?白管と黒管・SGP-VA/VB/VDの使い分けで扱っています。
水配管に配管用炭素鋼鋼管を使う場合、どのような鋼管を指定しているか。
耐溝状腐食電縫鋼管です。公共建築工事標準仕様書(機械設備工事編)2.1.1(1)で、呼び径100以下は鍛接鋼管、熱間仕上げ電気抵抗溶接鋼管または電気抵抗溶接鋼管のうち耐溝状腐食電縫鋼管、呼び径125以上は電気抵抗溶接鋼管のうち耐溝状腐食電縫鋼管とされています。
蒸気還管に使える管材は、表2.2.3でどう定められているか。
圧力配管用炭素鋼鋼管(JIS G 3454、STPG 370、黒管 Sch 40)と、一般配管用ステンレス鋼鋼管(JIS G 3448、SUS 304)です。配管用炭素鋼鋼管(JIS G 3452、黒管)の用途欄には蒸気還管が入っていません。
溶融亜鉛めっきと電気亜鉛めっきは、仕様書でどう分かれているか。
別の項です。溶融亜鉛めっきは3.2.2.4でJIS H 8641により、電気亜鉛めっきは3.2.2.5でJIS H 8610の2級とされ、クロメートフリー処理を施したものとされています。電気亜鉛めっきは屋内に使用する鋼材の防錆処理に適用されます。
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使える管材は、発注者が適用する仕様書の版と特記によって変わります。実務では工事ごとの設計図書をご確認ください。
この問で問われた語を、年度をまたいで整理しています。
参考資料
※ この記事の確認日:2026年8月