令和7年度 1級管工事施工管理技術検定 第一次検定 問題B【No.10】は、建設工事の安全管理体制を労働安全衛生法上で問う問題です。4つの記述のうち、誤っているものを1つ選びます。
誤りは選択肢3と選択肢4です。
この問はJCTCが試験のあとで訂正を出しました。当初は(3)だけを正答として発表し、後から(4)も正答として、どちらも正解に採点しています。
2つとも、労働安全衛生法に存在しない職名を使っています。3は「安全衛生責任者」を「安全衛生管理者」に、4は「総括安全衛生管理者」を「統括安全衛生管理者」に変えています。
※ このページに問題文そのものは載せていません。一般財団法人 全国建設研修センターの試験問題および正答肢のページには、2026年8月時点で令和7年度と令和8年度が掲載されています。
正解:選択肢3と選択肢4(どちらも正解として採点)
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| 1 | ○(正しい) | 法第13条第1項が、医師のうちから産業医を選任し、労働者の健康管理等を行わせなければならないと定めています |
| 2 | ○(正しい) | 法第15条第1項が、統括安全衛生責任者を選任し「その者に元方安全衛生管理者の指揮をさせる」と定めています。設問はこの並びのとおりです |
| 3 | ×(誤り) | 選任するのは安全衛生責任者です。法第16条第1項の職名は「安全衛生責任者」で、「安全衛生管理者」ではありません |
| 4 | ×(誤り) | 「統括安全衛生管理者」という職名は法にありません。労働災害の原因の調査と再発防止対策を統括管理するのは、法第10条第1項第四号の総括安全衛生管理者です |
2つの肢が、別々のやり方で職名をずらしているからです。
| 設問が書いた職名 | 法にある職名 | どこを変えたか |
|---|---|---|
| 安全衛生管理者(肢3) | 安全衛生責任者(法第16条) | 末尾を「責任者」から「管理者」に |
| 統括安全衛生管理者(肢4) | 総括安全衛生管理者(法第10条) | 頭を「総括」から「統括」に |
どちらも、労働安全衛生法の条文に一度も出てこない語です。片方だけを誤りとして作問したものの、もう片方も同じ理由で誤りになっていた、というのが訂正の中身です。
労働安全衛生法 第16条第1項(安全衛生責任者)
第十五条第一項又は第三項の場合において、これらの規定により統括安全衛生責任者を選任すべき事業者以外の請負人で、当該仕事を自ら行うものは、安全衛生責任者を選任し、その者に統括安全衛生責任者との連絡その他の厚生労働省令で定める事項を行わせなければならない。
肢3の文はこの条文をほぼそのまま写していて、末尾の「責任者」だけが「管理者」に変わっています。
労働安全衛生法 第10条第1項(総括安全衛生管理者)
事業者は、政令で定める規模の事業場ごとに、厚生労働省令で定めるところにより、総括安全衛生管理者を選任し、その者に安全管理者、衛生管理者又は第二十五条の二第二項の規定により技術的事項を管理する者の指揮をさせるとともに、次の業務を統括管理させなければならない。
四 労働災害の原因の調査及び再発防止対策に関すること。
肢4が挙げた業務そのものは、この第四号にあるとおりです。中身は合っていて、主語の職名だけが法に無いものになっています。
紛らわしいのは、「統括」で始まる職名も別に実在する点です。統括安全衛生責任者(法第15条)がそれで、こちらは現場に置く人です。総括安全衛生管理者は事業場に置く人で、置く場所が違います。
詳細は安全衛生管理体制とは?事業場と現場で置く人が変わるで扱っています。
統括安全衛生責任者を選任すべき事業者以外の請負人が選任するのは誰か。
安全衛生責任者です。労働安全衛生法第16条第1項が定めていて、統括安全衛生責任者との連絡などを行わせます。
総括安全衛生管理者と統括安全衛生責任者は、それぞれどこに置くか。
総括安全衛生管理者は事業場ごと(法第10条)、統括安全衛生責任者は一の場所すなわち現場(法第15条)です。
労働災害の原因の調査及び再発防止対策を統括管理するのは誰か。
総括安全衛生管理者です。法第10条第1項第四号に挙げられています。
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選任が必要になる規模や資格の要件は、労働安全衛生法施行令および厚生労働省令で定められています。個別の適用は所轄の労働基準監督署にご確認ください。
参考資料
※ この記事の確認日:2026年8月