令和7年度 1級管工事施工管理技術検定 第一次検定 問題A【No.5】は、理想気体の圧力と絶対温度を変えたときの体積を求める問題です。4つの値のうち、適当なものを1つ選びます。
正しいのは選択肢3の144Lです。
変わっているのは圧力と絶対温度の2つです。圧力は6×105Paから3×105Paへ半分になり、絶対温度は300Kから360Kへ1.2倍になっています。
圧力が半分になれば体積は2倍、絶対温度が1.2倍になれば体積も1.2倍です。60Lに2と1.2を順に掛けて144Lになります。圧力だけで止めると120Lで、これが選択肢2です。
※ このページに問題文そのものは載せていません。一般財団法人 全国建設研修センターの試験問題および正答肢のページには、2026年8月時点で令和7年度と令和8年度が掲載されています。
正解:選択肢3
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| 1 | × | 100L。60Lの3分の5にあたりますが、圧力の比も絶対温度の比もこの値ではありません |
| 2 | × | 120L。圧力の変化だけを見た値で、温度の1.2倍が残っています |
| 3 | ○(適当) | 144L。圧力で2倍、絶対温度で1.2倍にした値です |
| 4 | × | 240L。60Lの4倍です。圧力の比は2なので、2倍で足ります |
設問は理想気体としています。理想気体は次のように説明されています。
真空 第54巻第632号(2011)【基礎・応用編】「実在気体効果」1. 理想気体と実在気体
物理学の世界では、いわゆるボイル・シャルルの法則、すなわち気体の圧力P、密度ρ、絶対温度Tの間にp/(ρT)=const. という関係(状態方程式)が厳密に成り立つ気体を理想気体(あるいは完全気体)と呼び、そうでない気体を実在気体と呼んでいる。両者の本質的な違いは、分子運動に及ぼす分子間引力の影響や分子自身の大きさが無視できる程度か否かによるものである。
この試験でも、気体の状態式とボイル・シャルルの法則は結び付けて出されています。平成30年度の1級 問題A No.7は、熱に関する用語の組合せから関係のないものを選ぶ問題で、気体の状態式とボイル・シャルルの法則の組合せを正しい側に置いています。同じ年度で関係がないとされたのは、熱伝導とステファン・ボルツマン定数の組合せです。
計算は、変わった量を1つずつ掛けていけば済みます。
| 手順 | 変わった量 | 体積への効き方 | 計算 |
|---|---|---|---|
| 1 | 圧力が6×105から3×105Paへ (2分の1) | 反比例するので2倍 | 60 × 2 = 120L |
| 2 | 絶対温度が300から360Kへ (1.2倍) | 比例するので1.2倍 | 120 × 1.2 = 144L |
手順1で止めると120Lです。選択肢2にその値が置かれているので、2つの量が変わっていることを最初に確かめておきます。
絶対温度はケルビンで与えられているので、そのまま比を取れます。360を300で割って1.2です。もし摂氏で書かれていたら、273を足してから比を取る必要があります。この設問はその手間がない形になっています。
圧力と体積、絶対温度と体積の関係は、次のように分けて覚えると迷いません。
| 変える量 | 体積との関係 | この設問での値 |
|---|---|---|
| 圧力(絶対温度は一定) | 反比例 | 半分になったので、体積は2倍 |
| 絶対温度(圧力は一定) | 比例 | 1.2倍になったので、体積も1.2倍 |
気体の状態変化は冷凍サイクルでも使います。冷凍機の種類とは?圧縮機の形式と吸収式の効用で扱っています。
圧力を半分に、絶対温度を1.2倍にすると、体積は何倍になるか。
2.4倍です。圧力が半分になると体積は2倍、絶対温度が1.2倍になると体積も1.2倍で、これを掛け合わせます。60Lなら144Lです。
理想気体と実在気体は、何が違うのか。
ボイル・シャルルの法則が厳密に成り立つかどうかです。本質的な違いは、分子運動に及ぼす分子間引力の影響や分子自身の大きさが無視できる程度か否かによるとされています。真空 第54巻第632号の解説によります。
温度が摂氏で与えられていたら、どうするか。
273を足して絶対温度にしてから比を取ります。摂氏のまま比を取ると値が合いません。この設問はケルビンで与えられているので、360を300で割って1.2とすれば済みます。
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この計算は理想気体としたときのものです。実際の気体は条件によってこの関係からずれます。
この問で問われた語を、年度をまたいで整理しています。
参考資料
※ この記事の確認日:2026年8月