令和7年度 1級管工事施工管理技術検定 第一次検定 問題A【No.4】は、流体摩擦と圧力損失についての文中の空欄に当てはまる用語の組合せを選ぶ問題です。4つの組合せのうち、適当なものを1つ選びます。
正しいのは選択肢4で、Aが粘性、Bが管長です。
ダルシー・ワイスバッハの式は、農林水産省の設計基準にそのまま載っています。式を見ると、管路の長さが分子に、管内径が分母にあります。
ですから圧力損失は管長に比例し、管内径には反比例します。Bを管内径にすると、比例と反比例が逆になります。
※ このページに問題文そのものは載せていません。一般財団法人 全国建設研修センターの試験問題および正答肢のページには、2026年8月時点で令和7年度と令和8年度が掲載されています。
正解:選択肢4
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| 1 | × | Aが慣性で、Bも管内径です。両方とも当てはまりません |
| 2 | × | Bの管長は合っていますが、Aが慣性です |
| 3 | × | Aの粘性は合っていますが、Bが管内径です。管内径は式の分母にあります |
| 4 | ○(適当) | Aが粘性、Bが管長です |
式そのものが、農林水産省の設計基準に載っています。
農林水産省「土地改良事業計画設計基準及び運用・解説 設計『パイプライン』」7.2.3 平均流速公式 (1) 摩擦損失係数
パイプラインの流況では、水流と管壁面との摩擦抵抗により摩擦損失が作用し、流向に沿って水圧(又は水位)の低下が起こる。この摩擦による損失水頭の大きさは、ダルシー・ワイズバッハ(Darcy-Weisbach)公式、式(7.2.1)によって求められる。
hf = f ・ L/D ・ V2/2g ……(7.2.1)
ここに、
hf:摩擦損失水頭(m) f:摩擦損失係数 D:管内径(m)
V:平均流速(m/s) L:管路の長さ(m) g:重力の加速度(9.8m/s2)
Lが分子、Dが分母です。ここを見るだけで、管長に比例し、管内径に反比例することが分かります。Vは2乗で分子にあるので、流速の2乗にも比例します。
| 量 | 式での位置 | 摩擦損失水頭との関係 |
|---|---|---|
| 管路の長さ L | 分子 | 比例する。2倍の長さなら2倍 |
| 管内径 D | 分母 | 反比例する。太いほど小さい |
| 平均流速 V | 分子の2乗 | 2乗に比例する。3倍なら9倍 |
流速の効き方は、前の年度で計算問題として出ています。令和5年度の1級 問題A No.5は、直管路で流速が3倍になったときの圧力損失の倍率を問うもので、公表正答は選択肢4の9倍でした。式のVが2乗であることが、そのまま答えになっています。
Aの粘性についても、同じページに書かれています。
同 7.2.3 (1) 摩擦損失係数(続き)
摩擦損失係数 f は、一般にレイノルズ(Reynolds)数 Re(V・D/ν、ν:動粘性係数(m2/s))と管壁面の摩擦抵抗の条件を規定する相対粗度 k/D との関数である。ここに、k は壁面の性質から定まる絶対粗度である。したがって、厳密な摩擦損失水頭の推定には、使用管種(内面の状態)の他に、口径、流体の粘性、流速等の条件に応じた f 値の理論的解析が必要であるが、方法が複雑で実際の計算には不便である。
流体の粘性が、摩擦損失係数を決める条件として挙げられています。慣性ではありません。流体摩擦が働くのは、流体に粘性があるからです。
この記述には、レイノルズ数の定義も入っています。Re=V・D/νで、Vは平均流速、Dは管内径、νは動粘性係数です。この試験では令和7年度の問題A No.2でも、レイノルズ数から層流になる条件が問われています。
流速と圧力損失の関係は流速が3倍になると圧力損失は何倍か?流体の読み分けで扱っています。
ダルシー・ワイスバッハの式で、圧力損失は管長と管内径にどう関係するか。
管長には比例し、管内径には反比例します。式では管路の長さLが分子、管内径Dが分母にあるためです。農林水産省「土地改良事業計画設計基準及び運用・解説 設計『パイプライン』」7.2.3の式(7.2.1)によります。
流速が3倍になると、摩擦による圧力損失は何倍になるか。
9倍です。式で平均流速Vが2乗になっているためです。令和5年度の1級 問題A No.5が同じ内容を問うており、公表正答は選択肢4の9倍でした。
摩擦損失係数fは、何によって決まるか。
レイノルズ数と、管壁面の摩擦抵抗の条件を規定する相対粗度の関数です。厳密な推定には、使用管種のほか口径、流体の粘性、流速などの条件に応じた解析が必要とされています。同基準7.2.3(1)によります。
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実際の水理設計では、この式のほかにマニング公式やヘーゼン・ウィリアムス公式が使われます。適用範囲は設計条件によって変わります。
参考資料
※ この記事の確認日:2026年8月