令和7年度 1級管工事施工管理技術検定 第一次検定 問題A【No.32】は、排水・通気設備に関する問題です。4つの記述のうち、適当でないものを1つ選びます。
誤りは選択肢1です。誘導サイホン作用に、自己サイホン作用の中身が書かれています。
この2つは、何によって起きるかで分かれます。平成30年度の1級 問題A No.31は、誘導サイホン作用の防止として管内圧力の緩和を挙げた記述を正しい側に置き、自己サイホン作用の防止としてトラップの形を挙げた記述を誤りにしています。
名前を入れ替える出し方は、ほかの年度にもあります。令和5年度の1級 問題A No.31は、排水管内の負圧変動で封水が吸い込まれる現象を自己サイホン作用と呼んだ記述を誤りにしています。
※ このページに問題文そのものは載せていません。一般財団法人 全国建設研修センターの試験問題および正答肢のページには、2026年8月時点で令和7年度と令和8年度が掲載されています。
正解:選択肢1
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| 1 | ×(適当でない) | 器具自身の排水によるものは自己サイホン作用です。名前が入れ替わっています |
| 2 | ○(適当) | 通気立て管の上部です。令和元年度が同じ文で正しい肢に置いています |
| 3 | ○(適当) | あふれ縁より150mm以上です。令和2年度が同じ数値で正しい肢に置いています |
| 4 | ○(適当) | 立て管底部と上部の圧力です。この年度の正答肢により適当とされています |
2つのサイホン作用は、何が原因で起きるかが違います。過去問は、防止の方法を並べる形でこれを出しています。
平成30年度 1級管工事施工管理技術検定 学科試験 問題A【No.31】の正しい肢(選択肢1)と公表正答(選択肢2)
「伸頂通気方式において、誘導サイホン作用の防止には、排水用特殊継手を用いて管内圧力の緩和を図る方法がある。」(正しい肢)
「自己サイホン作用の防止には、脚断面積比の小さなトラップの方が大きなトラップに比べて有効である。」(この記述が、適当でないものとして出されています)
誘導サイホン作用の防止として挙げられているのは、管内圧力の緩和です。自己サイホン作用のほうはトラップの形の話として出されています。令和7年度の選択肢1は、誘導サイホン作用の説明に器具自身の排水によるものと書いているので、中身が入れ替わっています。
同じ入れ替えは、令和5年度が反対向きでやっています。
令和5年度 1級管工事施工管理技術検定 第一次検定 問題A【No.31】の公表正答(選択肢3)
「排水時に排水管内に圧力変動が生じ、主に負圧変動によって、トラップの封水が排水管側に吸い込まれてしまう現象を自己サイホン作用という。」
この記述が、適当でないものとして出されています。
排水管内の圧力変動によるものを、自己サイホン作用と呼んだのが誤りです。令和7年度はその逆で、器具自身の排水によるものを誘導サイホン作用と呼んでいます。2つの年度で、名前と中身が交互に入れ替えられています。
残りの3つのうち2つは、令和元年度と令和2年度に同じ内容が正しい肢として入っています。
令和元年度 同 問題A【No.32】の正しい肢(選択肢1)/令和2年度 同 問題A【No.32】の正しい肢(選択肢1)
「通気立て管の上部は、管径を縮小せずに延長し、大気に開放する。」(令和元年度)
「通気立て管の上部は、管径を縮小せずに延長し、上端は単独で大気に開放するか、最高位の衛生器具のあふれ縁より150mm以上立ち上げて伸頂通気管に接続する。」(令和2年度)
令和元年度の公表正答は選択肢4、令和2年度は選択肢2で、どちらもこの記述は正しい側に置かれています。
令和7年度の選択肢2は、令和元年度と同じ文です。選択肢3の150mm以上という数値も、令和2年度が同じ数値で出しています。ただし令和2年度は通気立て管の上端を伸頂通気管につなぐ場合、令和7年度は通気管どうしをつなぐ場合で、つなぐ相手が違います。
立て管底部と上部の圧力は排水立て管の底部は正圧か負圧か?排水・通気設備の読み分けで扱っています。
衛生器具自身の排水によって封水が吸引される現象を、何というか。
自己サイホン作用です。令和7年度の1級 問題A No.32の選択肢1は、これを誘導サイホン作用として書いたため、誤りとされています。平成30年度の同No.31は、自己サイホン作用の防止をトラップの形の話として出しています。
誘導サイホン作用の防止として、過去問が挙げている方法は何か。
排水用特殊継手を用いて管内圧力の緩和を図る方法です。平成30年度の1級 問題A No.31の選択肢1が、正しい肢としてこの内容を出しています。同年度の公表正答は選択肢2です。
通気立て管の上部は、どのように扱うか。
管径を縮小せずに延長し、大気に開放します。令和元年度の1級 問題A No.32の選択肢1が、同じ文を正しい肢として出しています。令和2年度の同No.32は、単独で大気に開放するか、最高位の衛生器具のあふれ縁より150mm以上立ち上げて伸頂通気管に接続する、という形で出しています。
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サイホン作用の起こり方や通気の取り方は、器具の種類や配管の条件によって変わります。実際の設計では条件ごとの検討が必要です。
この問で問われた語を、年度をまたいで整理しています。
参考資料
※ この記事の確認日:2026年8月