令和6年度 1級管工事施工管理技術検定 第一次検定 問題B【No.2】は、ネットワーク工程表を読む問題です。図に示された作業と日数から、4つの記述のうち適当でないものを1つ選びます。
誤りは選択肢3です。
作業Fはクリティカルパス上にありません。そのためFを1日短縮しても、全体工期は変わりません。短縮が工期に効くのは、クリティカルパス上の作業だけです。
この図では、クリティカルパスは1本で所要日数は17日、イベント7の最遅完了時刻は13日、作業Gのトータルフロートは2日になります。残る3つの記述は、いずれもこの計算どおりです。
※ このページに問題文そのものは載せていません。一般財団法人 全国建設研修センターの試験問題および正答肢のページには、2026年8月時点で令和7年度と令和8年度が掲載されています。
正解:選択肢3
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| 1 | ○(適当) | 最終イベントの最早完了時刻は17日で、そこに至る最長経路は1本だけです |
| 2 | ○(適当) | 最終イベントの17日から作業Iの4日を引いて13日です |
| 3 | ×(適当でない) | 全体工期は変わりません。作業Fにはフロートが残っており、クリティカルパス上の作業ではありません |
| 4 | ○(適当) | 後続イベントの最遅完了時刻13日から、先行イベントの最早開始時刻9日と作業日数2日を引いて2日です |
工期を縮めたいときに、どの作業を縮めるかで結果が変わります。
日程計算は、次の順で行います。
| 手順 | やること |
|---|---|
| 1 最早開始時刻 | 開始側から順に足していき、複数の経路が合流するイベントでは大きいほうを採る |
| 2 所要日数 | 最終イベントの値が全体工期。そこへ至る最長経路がクリティカルパス |
| 3 最遅完了時刻 | 最終イベントから逆に引いていき、分岐するイベントでは小さいほうを採る |
| 4 トータルフロート | 後続イベントの最遅完了時刻 −(先行イベントの最早開始時刻 + 作業日数) |
トータルフロートが0の作業をつないだものがクリティカルパスです。フロートが残っている作業は、その分だけ遅れても全体工期に影響しません。
この図の作業Fは、先行イベントの最早開始時刻が9日、作業日数が3日で、後続イベントの最遅完了時刻が13日です。13 −(9 + 3)= 1日のトータルフロートが残っています。1日短縮してもフロートが1日から2日に増えるだけで、後続イベントの時刻は動きません。
一方、作業Gは 13 −(9 + 2)= 2日で、こちらもフロートを持ちます。FもGもクリティカルパス上にないため、どちらを縮めても工期は変わりません。
用語は国土交通省の工程計画管理基準(案)にも並んでいます。
国土交通省 工程計画管理基準(案)第4章「日程計算の表示手順」第2の凡例より
イベントの最遅開始日/イベントの最遅完了日/イベントの最早開始日/イベントの最早完了日/時間見積日数/〔 〕=トータルフロート/( )=フリーフロート
同基準の第3は「図面にはかならずイベントの上段に最早開始日を記入する」としています。
詳細は施工計画書とは?総合と工種別の違いと承諾・提出の使い分けで扱っています。
作業日数を1日短縮したとき、全体工期が1日縮むのはどのような作業か。
クリティカルパス上にある作業です。トータルフロートが0の作業がこれにあたります。フロートが残っている作業を短縮しても、後続イベントの最早開始時刻は別の経路で決まっているため、全体工期は変わりません。
トータルフロートはどう計算するか。
後続イベントの最遅完了時刻から、先行イベントの最早開始時刻と作業日数の合計を引きます。国土交通省の工程計画管理基準(案)では、図面上で〔 〕がトータルフロート、( )がフリーフロートを表す凡例とされています。
最早開始時刻と最遅完了時刻は、それぞれどちら向きに計算するか。
最早開始時刻は開始側から終了側へ足していき、合流するイベントでは大きいほうを採ります。最遅完了時刻は終了側から開始側へ引いていき、分岐するイベントでは小さいほうを採ります。
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工程管理の運用は、発注者が適用する基準や工事の種類によって変わります。実務では工事ごとの設計図書と適用基準をご確認ください。
この問で問われた語を、年度をまたいで整理しています。
参考資料
※ この記事の確認日:2026年8月