令和6年度 1級管工事施工管理技術検定 第一次検定 問題A【No.2】は、水槽の流出孔から水面までの高さが3倍になったときに、噴出速度が何倍になるかを求める計算問題です。4つの倍率のうち、適当なものを1つ選びます。
正解は選択肢1です。高さが3倍でも、速度は3倍にはなりません。
速度は、高さの平方根に比例します。令和3年度の1級 問題A No.6は、開放水槽の流出孔における流速を求めるときに適用できる定理をトリチェリの定理、流速値を√(2gH)とする組合せを公表正答としています。
この式に3Hを入れると、ルートの中だけが3倍になります。ルートの外に出すと√3になるので、速度は√3倍です。
※ このページに問題文そのものは載せていません。一般財団法人 全国建設研修センターの試験問題および正答肢のページには、2026年8月時点で令和7年度と令和8年度が掲載されています。
正解:選択肢1
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| 1 | ○(適当) | √3倍です。およそ1.73倍にあたります |
| 2 | × | 3倍は、高さの比そのものにあたる値です |
| 3 | × | 6倍は、高さの比の2倍にあたる値です |
| 4 | × | 9倍は、高さの比の2乗にあたる値です |
まず、使う式を確かめます。過去問が、定理の名称と式の組合せをそのまま出しています。
令和3年度 1級管工事施工管理技術検定 第一次検定 問題A【No.6】の公表正答(選択肢2)
断面積の大きい開放水槽において、流出孔における流速を求めるときに適用できる定理の名称と流速値の組合せは、「トリチェリの定理」と「√(2gH)」とされています。
同年度の設問では、gは重力加速度、ρは流体の密度、Hは流出孔から水面までの高さとされています。
流速値にρは入りません。令和3年度は√(2ρgH)とした組合せを誤りにしています。
令和6年度は、この式に速度係数が付いた形です。設問に「速度係数は水位の変化に関係なく一定とする」と書かれているので、速度係数をCとすると次のようになります。
高さがHのときと3Hのとき
高さがH :v = C×√(2gH)
高さが3H :v' = C×√(2g×3H) = C×√3×√(2gH) = √3×v
√3倍です。ルートの中の3を外に出すと√3になります。およそ1.73倍にあたります。
速度係数Cは両方の式に同じように付くので、割り算のときに消えます。設問が「速度係数は水位の変化に関係なく一定」と断っているのは、このためです。Cの値そのものは分からなくても、倍率は出せます。
高さと速度の関係を並べると、次のようになります。
| 高さ | 速度の倍率 | およその値 |
|---|---|---|
| H(もとの高さ) | 1倍 | 1 |
| 2H | √2倍 | およそ1.41 |
| 3H | √3倍 | およそ1.73 |
| 4H | 2倍 | 2 |
速度を3倍にしたければ、高さは9倍にする必要があります。高さと速度は、平方根でつながっています。
流速と圧力の関係は流速が3倍になると圧力損失は何倍か?流体の読み分けで扱っています。
開放水槽の流出孔における流速を求める定理の名称と式は何か。
トリチェリの定理で、流速値は√(2gH)です。令和3年度の1級 問題A No.6が、この組合せを公表正答として出しています。同年度は√(2ρgH)とした組合せを誤りにしています。
流出孔から水面までの高さが3倍になると、噴出速度は何倍になるか。
√3倍です。√(2g×3H)=√3×√(2gH)となるためで、およそ1.73倍にあたります。令和6年度の1級 問題A No.2の公表正答は、この選択肢1です。
噴出速度をちょうど2倍にするには、高さを何倍にすればよいか。
4倍です。速度は高さの平方根に比例するので、√4=2となります。同じ考え方で、速度を3倍にするには高さを9倍にする必要があります。
> 機械工学のほかの論点は機械工学のカテゴリにまとめています
実際の流出速度は、孔の形や流体の状態によって変わります。ここでの計算は試験問題に示された条件によるものです。
この問で問われた語を、年度をまたいで整理しています。
参考資料
※ この記事の確認日:2026年8月