管工事施工管理技士 独学ガイド

  1. HOME
  2. 過去問
  3. > 平成18年度 1級 問題A No.1

平成18年度 1級 機械工学 問題A No.1 を解説(二酸化炭素の温暖化係数は1で最小)

平成18年度 1級管工事施工管理技術検定 学科試験 問題A【No.1】は、環境に関する問題です。4つの記述のうち、適当でないものを1つ選びます。

この問題のポイント

誤りは選択肢2です。

地球温暖化係数は、二酸化炭素をものさしにして、他のガスがその何倍かを表した数値です。二酸化炭素はものさしそのものなので1になります。定義のうえで、二酸化炭素より小さい温室効果ガスは政令にありません。「最も大きい」ではなく「最も小さい」が正しい向きです。

選択肢1・3・4は、いずれも大気汚染とオゾン層と酸性雨の基本をそのまま述べたもので、適当です。4つのうち3つが正しいので、係数の向きが逆になっている選択肢2を選びます。

※ このページに問題文そのものは載せていません。一般財団法人 全国建設研修センターの試験問題および正答肢のページには、2026年8月時点で令和7年度と令和8年度が掲載されています。平成18年度はこのページには掲載されていません。

正解:選択肢2

各選択肢の正誤

選択肢 正誤 解説
1 ○(適当) 浮遊粒子状物質の発生源と、滞留の長さが健康影響につながるという説明です
2 ×(誤り) 二酸化炭素の地球温暖化係数は1で、最も小さい数値です。向きが逆になっています
3 ○(適当) 代替フロンは塩素を含まないためオゾン層は壊しませんが、温室効果ガスとして政令に載っています
4 ○(適当) 硫黄酸化物と窒素酸化物が化石燃料の燃焼で生じ、酸性雨の原因になるという説明です

選択肢2のポイント(ここが誤り)

地球温暖化係数が何を指すかは、法律の定義文に書かれています。

地球温暖化対策の推進に関する法律 第二条第五項(抜粋)

この法律において「温室効果ガス総排出量」とは、温室効果ガスである物質ごとに政令で定める方法により算定される当該物質の排出量に当該物質の地球温暖化係数(温室効果ガスである物質ごとに地球の温暖化をもたらす程度の二酸化炭素に係る当該程度に対する比を示す数値として国際的に認められた知見に基づき政令で定める係数をいう。以下同じ。)を乗じて得た量の合計量をいう。

「二酸化炭素に係る当該程度に対する比」とあります。二酸化炭素を分母に置いた比なので、二酸化炭素自身は1になります。

実際の数値は政令にそのまま並んでいます。

地球温暖化対策の推進に関する法律施行令 第四条(抜粋)

法第二条第五項の政令で定める地球温暖化係数は、次の各号に掲げる温室効果ガスの区分に応じ、当該各号に定める係数とする。
一 二酸化炭素 
二 メタン 二十八
三 一酸化二窒素 二百六十五
四 トリフルオロメタン 一万二千四百
三十二 六ふっ化硫黄 二万三千五百
三十三 三ふっ化窒素 一万六千百

数字だけを並べると、開きの大きさが見えます。

温室効果ガス 地球温暖化係数 位置
二酸化炭素1最も小さい(基準)
メタン28二酸化炭素の28倍
一酸化二窒素2653桁
トリフルオロメタン(HFC-23)12,400代替フロンの例
三ふっ化窒素16,1002番目に大きい
六ふっ化硫黄23,500政令で最も大きい

政令で最も大きいのは六ふっ化硫黄の23,500です。六ふっ化硫黄は変圧器や遮断器といった電気機械器具の絶縁に使われる気体で、同じ政令のなかで排出量の算定方法が別に定められています。

この係数は政令で定めるものなので、改正されると数値が変わります。上に挙げたのは現行の数値です。それでも、二酸化炭素が1で最も小さいという関係は、法律の定義そのものから動きません。試験でこの選択肢を切るときに見るのは、個々の数値ではなく、二酸化炭素が分母だという一点です。

選択肢2で引っかかる理由は、二酸化炭素の排出量が最も多いことと混ざるためです。排出量が多いことと、1トンあたりの温める力が強いことは別の話になります。

酸性雨や代替フロンの用語の切り分けは酸性雨のpHはいくつ以下か?地球環境の用語の読み分けで扱っています。

覚え方

  • 地球温暖化係数は二酸化炭素との比です。二酸化炭素は1で、定義のうえで最も小さくなります
  • メタンは28、一酸化二窒素は265です。桁が1つずつ上がります
  • 代替フロン類は3桁から5桁です。トリフルオロメタンは12,400になります
  • 政令で最も大きいのは六ふっ化硫黄の23,500、次が三ふっ化窒素の16,100です
  • 排出量が多いガスと、係数が大きいガスはです。二酸化炭素は前者にあたります

理解度チェック

Q.

二酸化炭素の地球温暖化係数はいくつか。

1です。地球温暖化対策の推進に関する法律第二条第五項が、地球温暖化係数を「二酸化炭素に係る当該程度に対する比」と定めているため、二酸化炭素は基準そのものになります。同法施行令第四条第一号にも「二酸化炭素 一」と定められています。

Q.

施行令に定める温室効果ガスのうち、地球温暖化係数が最も大きいものは何か。

六ふっ化硫黄で、23,500です。次に大きいのが三ふっ化窒素の16,100になります。六ふっ化硫黄は変圧器や遮断器などの電気機械器具の絶縁に使われます。

Q.

代替フロンのHFC-134aは、オゾン層と地球温暖化にそれぞれどう関わるか。

塩素を含まないためオゾン層を破壊するおそれはありませんが、ハイドロフルオロカーボンとして温室効果ガスに位置づけられ、地球温暖化には影響します。オゾン層を壊さないことと、温室効果がないことは別に扱います。

> 機械工学のほかの論点は機械工学のカテゴリにまとめています

地球温暖化係数の数値は政令で定められ、改正されることがあります。実務では、その時点のe-Gov法令検索で施行令第四条をご確認ください。

関連する用語

この問で問われた語を、年度をまたいで整理しています。

参考資料

  • 一般財団法人 全国建設研修センター「平成18年度 1級管工事施工管理技術検定 学科試験 試験問題A」および同センターが公表した正答肢(問題A【No.1】=(2))。
  • 地球温暖化対策の推進に関する法律(平成十年法律第百十七号)第二条第五項
  • 地球温暖化対策の推進に関する法律施行令(平成十一年政令第百四十三号)第四条
  • ※ 問題文・選択肢は掲載していません。
T

この記事を書いた人

T

管工事施工管理技士の用語・過去問を、法令や公的な基準など一次資料にあたって整理しています。

▼平成18年度 1級管工事施工管理技術検定▼

▼カテゴリ一覧▼

T

T

管工事施工管理技士の用語・条文・数値を、公表された過去問と一次資料にあたって整理しています。

Topへ >>