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平成18年度 1級 機械工学 問題A No.2 を解説(SSは浮いている量・炭素の総量はTOC)

平成18年度 1級管工事施工管理技術検定 学科試験 問題A【No.2】は、排水の水質に関する問題です。4つの記述のうち、適当でないものを1つ選びます。

この問題のポイント

誤りは選択肢4です。

SSは水の中に浮いていて溶けきらない物質の量です。ろ紙などで捕まえて重さを量ります。「有機物質に含まれる炭素の総量」を表すのはTOC(全有機炭素)で、別の指標です。2つの指標がすり替えられています。

選択肢1・2・3は、ノルマルヘキサン抽出物質・窒素とりん・BODの説明で、いずれも適当です。4つのうち3つが正しいので、SSの説明だけを見れば決まります。

※ このページに問題文そのものは載せていません。一般財団法人 全国建設研修センターの試験問題および正答肢のページには、2026年8月時点で令和7年度と令和8年度が掲載されています。平成18年度はこのページには掲載されていません。

正解:選択肢4

各選択肢の正誤

選択肢 正誤 解説
1 ○(適当) ノルマルヘキサン抽出物質は油分の指標です。省令の項目名も「ノルマルヘキサン抽出物質含有量(動植物油脂類含有量)」で、厨房排水が主な発生源です
2 ○(適当) 窒素とりんの排水基準は、植物プランクトンが著しく増えるおそれのある海域と湖沼に向けて置かれています
3 ○(適当) BODは微生物が有機物を分解するときに使う酸素の量です。20℃で5日間という条件も含めて、そのとおりの説明です
4 ×(誤り) 「有機物質に含まれる炭素の総量」はTOCの説明です。SSは水に浮いている不溶解性の物質の量で、炭素だけを見るものではありません

選択肢4のポイント(ここが誤り)

指標が入れ替えられています。2つは、量るものも量り方も別です。

指標 何を表すか 溶けている物は入るか
SS
(浮遊物質量)
水中に浮いていて溶けきらない物質の量。ろ過して残ったものの重さ入らない
TOC
(全有機炭素)
有機物に含まれる炭素の総量入る

省令も、この2つを別々の項目として置いています。まずTOCのほうです。

水質基準に関する省令(平成十五年厚生労働省令第百一号)別表 四十七の項

有機物(全有機炭素(TOC)の量) 三mg/l以下であること。

炭素の量を見る指標には、はっきり「全有機炭素」という名前が付いています。いっぽうSSは、排水基準の側に別の項目名で並んでいます。

排水基準を定める省令(昭和四十六年総理府令第三十五号)附則別表(項目名の例)

浮遊物質量(単位 一リツトルにつきミリグラム)
生物化学的酸素要求量(単位 一リツトルにつきミリグラム)
ノルマルヘキサン抽出物質含有量(動植物油脂類含有量)(単位 一リツトルにつきミリグラム)

SSの正式な項目名は「浮遊物質量」です。浮いている物の量であって、炭素の量ではありません。名前がそのまま中身を表しています。

選択肢2の窒素とりんについても、同じ省令が理由を書いています。

同省令 附則第2項(抜粋)

窒素又は燐りん海洋植物プランクトンの著しい増殖をもたらすおそれがある海域(湖沼であって水の塩素イオン含有量が一リットルにつき九、〇〇〇ミリグラムを超えるものを含む。以下同じ。)及びこれに流入する公共用水域に排出されるものに限る。

窒素とりんの排水基準は、植物プランクトンが増えすぎるおそれのある水域だけに向けて置かれています。これが富栄養化への対応です。閉鎖性水域で問題になるという選択肢2の書き方と合っています。

なお選択肢3のBODについて、20℃で5日間という測り方そのものを定めた条文は引いていません。この条件はJIS K 0102(工場排水試験方法)にあり、省令は検定の方法を環境大臣が定めるとしているだけです。ここで示せたのは、生物化学的酸素要求量が排水基準の項目として置かれていることまでです。

浄化槽の側からBODを見るとBOD除去率とは?浄化槽の性能を定める施行令第32条の表で扱っています。

覚え方

  • SSは「浮遊物質量」。浮いている物の重さで、溶けている物は入りません
  • 炭素の総量を表すのはTOC(全有機炭素)です。省令の項目名も「有機物(全有機炭素(TOC)の量)」になっています
  • BODは20℃・5日間に微生物が使った酸素の量です。有機物の量を酸素で言い換えた指標になります
  • ノルマルヘキサン抽出物質は油分です。項目名に「動植物油脂類含有量」が併記されています
  • 窒素とりんは富栄養化の原因で、基準は海域と湖沼に向けて置かれています

理解度チェック

Q.

SSは何を表す指標か。

水中に浮いていて溶けきらない物質の量です。排水基準を定める省令での項目名は「浮遊物質量」で、単位は一リットルにつきミリグラムです。溶けている物質は含みません。

Q.

有機物に含まれる炭素の総量を表す指標は何か。

TOC(全有機炭素)です。水質基準に関する省令の別表四十七の項が「有機物(全有機炭素(TOC)の量) 三mg/l以下であること。」と定めています。

Q.

窒素とりんの排水基準は、どの水域を対象に置かれているか。

窒素またはりんが海洋植物プランクトンの著しい増殖をもたらすおそれがある海域と、これに流入する公共用水域です。塩素イオン含有量が一リットルにつき九、〇〇〇ミリグラムを超える湖沼も含まれます。

> 機械工学のほかの論点は機械工学のカテゴリにまとめています

排水基準の数値と対象水域は、業種や地方公共団体の上乗せ基準によって変わります。実務では、その時点の省令と条例をご確認ください。

参考資料

  • 一般財団法人 全国建設研修センター「平成18年度 1級管工事施工管理技術検定 学科試験 試験問題A」および同センターが公表した正答肢(問題A【No.2】=(4))。
  • 水質基準に関する省令(平成十五年厚生労働省令第百一号)別表 四十七の項
  • 排水基準を定める省令(昭和四十六年総理府令第三十五号)附則第2項および附則別表
  • ※ 問題文・選択肢は掲載していません。
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