令和8年度(前期)2級電気工事施工管理技士 第一次検定 No.53は、電気工作物について電気事業法上で誤っているものを選ぶ問題です。事業用の定義・修理命令・主任技術者の選任・小規模事業用の届出が並びます。
この問題は、義務がどの区分に掛かるかを問うものです。電気工作物は一般用と事業用に分かれ、事業用のほうが重い義務を負います。
引っかけの核心は、選択肢3の主語が「一般用電気工作物を設置する者」になっている点です。主任技術者の選任は事業用に掛かる義務です。
※ 問題文そのものは、建設業振興基金が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢3(誤っているもの)
> この論点をやさしく解説:事業用電気工作物と自家用電気工作物は何が違うのか?電気事業法の区分を条文で整理
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| 1 | 正しい | 事業用電気工作物=一般用電気工作物以外の電気工作物 |
| 2 | 正しい | 技術基準に適合しない一般用には修理を命じられる |
| 3 | 誤り | 主任技術者を選任するのは事業用を設置する者 |
| 4 | 正しい | 小規模事業用電気工作物は届出の対象 |
誤っているのは選択肢3です。
主任技術者の選任義務は、条文の主語がはっきりしています。
電気事業法 第43条第1項(主任技術者)
事業用電気工作物を設置する者は、事業用電気工作物の工事、維持及び運用に関する保安の監督をさせるため、主務省令で定めるところにより、主任技術者免状の交付を受けている者のうちから、主任技術者を選任しなければならない。
主語も目的語も事業用電気工作物です。一般用電気工作物は出てきません。選択肢3は、この主語を一般用に差し替えたものです。
一般用電気工作物は、一般の住宅や小さな店舗のように電気の専門家がいない場所にあります。そこに主任技術者を置けと求めるのは現実的ではないので、法律は別の仕組みで安全を保っています。選択肢2の修理命令や、電線路維持運用者による定期的な調査がそれにあたります。
区分ごとの義務を並べると、次のようになります。
専門家を置かせるかどうかが、一般用と事業用の分かれ目だと押さえると、この種の設問は主語を読むだけで判断できます。
主任技術者を選任しなければならないのは、どの電気工作物を設置する者か。
事業用電気工作物を設置する者です(電気事業法第43条第1項)。一般用電気工作物には選任義務がありません。
一般用電気工作物が技術基準に適合していないとき、経済産業大臣は何ができるか。
その所有者に対し、修理を命ずることができます。専門家を置かせるかわりに、行政が是正を命じる仕組みです。
参考資料
※ この記事の確認日:2026年9月