令和7年度(前期)2級電気工事施工管理技士 第一次検定 No.11は、水力発電所に用いられる水車発電機について、最も不適当なものを選ぶ問題です。極数・短絡比・回転子の形・スラスト軸受の4点が並びます。
この問題は、水車発電機と蒸気タービン発電機のどこが違うかを問うものです。違いは回転速度から芋づる式に出てきます。
引っかけの核心は、選択肢3の「軸方向に長い円筒形」です。これは水車発電機ではなく、相手方のタービン発電機の姿です。
※ 問題文そのものは、建設業振興基金が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢3(最も不適当なもの)
> この論点をやさしく解説:水車発電機とは?タービン発電機との違いと回転子が突極形になる理由
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| 1 | 正しい | 回転が遅いぶん極数は多い |
| 2 | 正しい | 短絡比はタービン発電機より大きい |
| 3 | 誤り | 水車発電機の回転子は突極形。円筒形はタービン発電機 |
| 4 | 正しい | 立軸形はスラスト軸受で軸方向の荷重を支える |
最も不適当なのは選択肢3です。
この肢は、過去に同じ文で2度出ています。どちらも不適当な肢として選ばれました。
令和2年度(後期)2級 学科試験 No.13 選択肢3(正答は選択肢3)/令和5年度(後期)2級 第一次検定 No.13 選択肢4(正答は選択肢4)
回転子は,軸方向に長い円筒形が多く使用される。
正しい姿は、平成27年度の同じ問題に正しい肢として並んでいます。
平成27年度 2級 学科試験 No.13 選択肢1(正しい肢/正答は選択肢3)
回転子には,一般に突極形のものが使用されている。
形が分かれる理由は回転速度です。水車は毎分数百回転と遅く、蒸気タービンは毎分3,000回転級で回ります。
同期速度は Ns=120f/p なので、回転が遅ければ極数pを増やさないと同じ周波数が出せません。多くの磁極を並べるには直径を稼ぐしかなく、そのぶん軸方向は短くなります。逆にタービン発電機は高速回転の遠心力に耐えるため、細く長い円筒にします。選択肢1と選択肢3は同じ理屈から出ているので、片方を覚えればもう片方も決まります。
選択肢4のスラスト軸受は、立軸形で回転子と水車の重さを下から支える部品です。横軸形なら重さは半径方向の軸受が受けますが、縦に置くと軸方向に荷重がかかるため、専用の軸受が要ります。
水車発電機の回転子はどの形か。
突極形です。回転が遅く極数を多くする必要があるため、磁極を円周に並べた直径の大きい形になります。軸方向に長い円筒形はタービン発電機です。
立軸形の水車発電機にスラスト軸受が要るのはなぜか。
縦に置くと回転子と水車の重さが軸方向にかかるためです。この荷重を支える専用の軸受がスラスト軸受です。
参考資料
※ この記事の確認日:2026年9月