令和7年度(前期)2級電気工事施工管理技士 第一次検定 No.10は、三相誘導電動機の一般的な特性について、最も不適当なものを選ぶ問題です。すべり・始動電流・トルクと電圧の関係・極数と回転速度の4点が並びます。
この問題は、同期速度の式 Ns=120f/p(f:周波数、p:極数)を書けるかを問うものです。式さえ出せば、極数と回転速度の向きは計算で決まります。
引っかけの核心は、選択肢4が極数が多いほど速くなるとしている点です。極数pは分母にあるので向きが逆です。
※ 問題文そのものは、建設業振興基金が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢4(最も不適当なもの)
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| 1 | 正しい | 負荷が増えるとすべりは大きくなる |
| 2 | 正しい | 全電圧始動では定格電流の数倍の始動電流が流れる |
| 3 | 正しい | トルクは電圧の2乗に比例する |
| 4 | 誤り | 極数が多いほど回転速度は遅くなる。向きが逆 |
最も不適当なのは選択肢4です。
この問題は、過去に4つの選択肢がそのまま同じ形で出題されています。
令和3年度(後期)2級 第一次検定 No.12(最も不適当なものを選ぶ問題/正答は選択肢4)
4.同一周波数において、固定子巻線の極数が多いほど回転速度は速くなる。
令和3年度と令和7年度で、問われ方も正答も同じです。式に当てはめれば理由がはっきりします。
同期速度 Ns=120f/p[min-1]
50Hzの場合
2極 Ns=120×50/2=3,000[min-1]
4極 Ns=120×50/4=1,500[min-1]
6極 Ns=120×50/6=1,000[min-1]
極数を2→4→6と増やすと3,000→1,500→1,000と下がります。pが分母にあるので、増やせば遅くなる。この計算を一度やっておけば、向きを取り違えません。
実際の回転速度は、この同期速度からすべり分だけ遅れます。N=Ns(1-s)です。選択肢1のとおり、負荷が重くなるほどすべりsが大きくなり、実際の回転はさらに落ちます。
選択肢3のトルクが電圧の2乗に比例することは、電圧が下がったときの影響が大きいことを意味します。電圧が10%下がるとトルクは0.92=0.81倍まで落ちます。始動時に電圧降下が起きると始動できなくなるのは、このためです。
50Hz・4極の三相誘導電動機の同期速度はいくらか。
Ns=120×50/4=1,500[min-1]です。極数を6にすると1,000[min-1]まで下がります。
端子電圧が10%下がるとトルクは何倍になるか。
0.81倍です。トルクは電圧の2乗に比例するため、0.92=0.81となります。
参考資料
※ この記事の確認日:2026年9月