令和6年度(前期)2級電気工事施工管理技士 第一次検定 No.49は、「ちょう架線とトロリ線の間に補助ちょう架線をドロッパで吊り下げ、補助ちょう架線からハンガでトロリ線を吊り下げた方式」に該当するちょう架方式として、適当なものを選ぶ問題です。
この問題は、線が何段になっているかを読み取れるかを問うものです。設問はちょう架線・補助ちょう架線・トロリ線の3段を述べています。
3段になるのがコンパウンドカテナリ式です。
正解:選択肢2(コンパウンドカテナリ式)
> この論点をやさしく解説:直接ちょう架式にちょう架線はあるのか?電車線のちょう架方式をJISの定義で並べる
> この論点をやさしく解説:パンタグラフの離線とは?硬点を減らす理由と防止対策の整理
| 選択肢 | 方式 | 解説 |
|---|---|---|
| 1 | ツインシンプルカテナリ式 | シンプルカテナリを2組並べた方式。誤り |
| 2 | コンパウンドカテナリ式 | 補助ちょう架線を持つ3段構造。正しい |
| 3 | 直接ちょう架式 | トロリ線だけを直接張る。誤り |
| 4 | 剛体ちょう架式 | アルミの剛体に固定。誤り |
正しいのは選択肢2です。
引っかけの核心は、ドロッパとハンガという2つの吊り具が出てくるところです。吊り具が2種類あるということは、間に1本多く線が入っています。
| 吊り具 | どこを吊るか |
|---|---|
| ドロッパ | ちょう架線から補助ちょう架線を吊る |
| ハンガ | 補助ちょう架線からトロリ線を吊る |
ちょう架方式を線の数で並べると、次のようになります。
| 方式 | 線の段数 | 使いどころ |
|---|---|---|
| 直接ちょう架式 | 1段 | トロリ線だけ。低速の路面電車など |
| シンプルカテナリ式 | 2段 | ちょう架線+トロリ線。最も一般的 |
| コンパウンドカテナリ式 | 3段 | 補助ちょう架線が加わる。高速区間 |
| 剛体ちょう架式 | - | アルミの剛体に固定。トンネル・地下 |
段数が増えるほど、トロリ線の高さを一定に保ちやすくなります。パンタグラフが離れにくくなるので、高速で走れます。
シンプルカテナリ式では、ハンガとハンガの間でトロリ線がわずかに垂れ下がります。補助ちょう架線を入れると吊る点が細かくなり、この垂れが小さくなります。
選択肢1のツインシンプルカテナリ式は、シンプルカテナリを2組並べたものです。トロリ線が2本になるので、大きな電流を流せます。段数を増やすのではなく、横に増やす点が違います。
選択肢3の直接ちょう架式は、トロリ線を直接支持物へ止める最も簡単な方式です。設備は安く済みますが、たるみが大きく離線しやすいので、速度を出せません。
コンパウンドカテナリ式の線の構成は。
ちょう架線・補助ちょう架線・トロリ線の3段です。ドロッパで補助ちょう架線を、ハンガでトロリ線を吊ります。
補助ちょう架線を入れる利点は。
トロリ線を吊る点が細かくなり、高さのむらが小さくなります。離線しにくくなるので高速走行に向きます。
参考資料
※ この記事の確認日:2026年9月