令和6年度(後期)2級電気工事施工管理技士 第一次検定 No.50は、情報通信設備における屋内配線に関する記述として、最も不適当なものを選ぶ問題です。
この問題は、LANに使うケーブルを分かっているかを問うものです。LANはUTPケーブルです。
誤りの肢は、電話用のケーブルをLANに使っています。
正解:選択肢4(LANにFCPEVを使用)
> この論点をやさしく解説:情報通信設備の屋内配線とは?設備ごとに使うケーブルの違いを整理
| 選択肢 | 組合せ | 解説 |
|---|---|---|
| 1 | IP電話機/UTP | IP電話はLANにつなぐ。適当 |
| 2 | 非常放送の遠隔操作器/HP | 耐熱性が要る。適当 |
| 3 | 保守用インターホン/AE | 警報用ケーブル。適当 |
| 4 | LAN/FCPEV | FCPEVは電話用。LANはUTP。不適当 |
最も不適当なのは選択肢4です。
FCPEVは着色識別ポリエチレン絶縁ビニルシースケーブルで、電話などの市内対ケーブルとして使われます。心線が色で識別できるようになっており、多対の配線に向きます。
ところがLANが必要とする高い周波数の信号を通す設計になっていません。LANでは、より対を規則的にねじることでノイズを打ち消す構造が必要で、それがUTPケーブルです。
UTP = Unshielded Twisted Pair(シールドなしより対線)
2本の線をねじり合わせることで、外から入るノイズを両方の線に等しく乗せ、打ち消し合わせる。
選択肢1のIP電話機も、通話をLANの上に載せる方式なのでUTPケーブルでつなぎます。同じ電話でも、従来のアナログ電話とは配線が違います。
ほかの2つは用途と種類が合っています。
| ケーブル | 用途 |
|---|---|
| 耐熱ケーブル(HP) | 非常放送設備。火災時に燃えても一定時間は機能を保つ必要がある |
| 警報用ケーブル(AE) | 自動火災報知設備、インターホンなど |
| FCPEV | 電話などの市内対ケーブル |
| UTP | LAN、IP電話 |
選択肢2の非常放送設備で耐熱ケーブルが要るのは、火災が起きているときに使う設備だからです。ふつうのケーブルでは、火が回ると先に焼けて放送ができなくなります。
同じ論点が、平成29年度後期にも出ています。
平成29年度 2級 学科試験(後期)No.44(正答は選択肢2)
2.非常放送設備のスピーカの配線に、警報用ポリエチレン絶縁ケーブル(AE)を使用した。
こちらでは非常放送設備にAEを使ったことが誤りとされています。非常放送には耐熱ケーブルが要るという点は令和6年度後期の選択肢2と同じで、そちらはHPを使っているので正しい肢になります。
LANの配線にはどのケーブルを使うか。
UTPケーブルです。より対をねじることでノイズを打ち消す構造になっています。
非常放送設備に耐熱ケーブルを使うのはなぜか。
火災が起きているときに使う設備で、ふつうのケーブルでは先に焼けて放送できなくなるためです。
参考資料
※ この記事の確認日:2026年9月