令和6年度(後期)2級電気工事施工管理技士 第一次検定 No.49は、電気鉄道における架空式の電車線路の施工に関する記述として、最も不適当なものを選ぶ問題です。
この問題は、がいしの形と力のかかり方を分かっているかを問うものです。可動ブラケットは電柱から水平に張り出すので、吊り下げ用のがいしでは支えられません。
使うのは長幹がいしです。
正解:選択肢2(懸垂がいしを用いて取り付けた)
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| 選択肢 | 内容 | 解説 |
|---|---|---|
| 1 | ハンガ取付箇所に保護カバー | アーク溶損を防ぐ。適当 |
| 2 | 可動ブラケットに懸垂がいし | 長幹がいしを使う。不適当 |
| 3 | トロリ線の接続にダブルイヤー | しゅう動面を平らに保つ。適当 |
| 4 | 直線区間にジグザグ偏位 | 溝摩耗を防ぐ。適当 |
最も不適当なのは選択肢2です。
可動ブラケットは、電柱から線路側へ水平に張り出す腕です。その先端でちょう架線とトロリ線を支えます。温度変化で電線が伸び縮みしても追従できるよう、根元が回るようになっています。
この腕は電柱に取り付けるので、水平方向の力を受け止められる絶縁物が要ります。それが長幹がいしです。棒状で、圧縮にも曲げにも耐えられます。
懸垂がいしは、円盤状のがいしを鎖のようにつないだものです。上から吊り下げて引張力を受けるための構造で、水平に張り出すものを支える力はありません。
がいしの使い分け
懸垂がいし … 上から吊る。引張力を受ける
長幹がいし … 棒状。水平に支えるのに使える
耐張がいし … 電線を引き留める
同じ論点が、平成29年度後期にも出ています。
平成29年度 2級 学科試験(後期)No.43(正答は選択肢3)
電気鉄道における架空式の電車線路の施工に関する記述として、不適当なもの
2.電車線を支持する可動ブラケットは、長幹がいしを用いて電柱に取り付けた。
3.パンタグラフがしゅう動通過できるように、トロリ線相互の突合せ接続に圧縮接続管を使用した。
こちらでは「可動ブラケットは長幹がいし」が正しい肢として並んでいます。令和6年度後期の選択肢2が「懸垂がいし」に差し替えられたのが誤りだと、ここから確かめられます。
平成29年度の答えは選択肢3で、圧縮接続管が誤りとされています。圧縮接続管はトロリ線の外側に膨らむので、パンタグラフが引っかかります。しゅう動面に段差を作らないダブルイヤーを使うのが正しく、これが令和6年度後期の選択肢3にあたります。
選択肢4のジグザグ偏位は、トロリ線を左右に振って張ることです。同じ場所ばかりがすり減ると、パンタグラフの舟体に溝ができてしまいます。位置をずらして当てることで、すり板を平均的にすり減らします。
可動ブラケットを電柱に取り付けるがいしは何か。
長幹がいしです。棒状で水平方向の力を受け止められます。
直線区間でトロリ線にジグザグ偏位を設けるのはなぜか。
同じ場所ばかりがすり減ってパンタグラフのすり板に溝ができるのを防ぐためです。
参考資料
※ この記事の確認日:2026年9月