令和6年度(後期)2級電気工事施工管理技士 第一次検定 No.25は、自動火災報知設備の差動式スポット型感知器の設置場所として、消防法上、誤っているものを選ぶ問題です。感知器の取付面の高さは4m未満という条件が付いています。
この問題は、差動式が何を見て動作するかを分かっているかを問うものです。差動式は温度の上がり方(上昇率)を見ます。
平常時に温度が急に上がる場所では、火事でないのに動作してしまいます。
正解:選択肢2(ボイラー室)
> この論点をやさしく解説:感知器の定義とは?差動式・定温式・イオン化式・光電式の違いを整理
> この論点をやさしく解説:差動式スポット型の下端は0.3mか0.6mか?はりの0.6mと混ざる
| 選択肢 | 場所 | 解説 |
|---|---|---|
| 1 | 自家発電室 | ふだんは運転していない。設置できる |
| 2 | ボイラー室 | 平常時に温度が上がる。誤り |
| 3 | 食堂 | 調理場でなければ設置できる |
| 4 | 駐車場 | 設置できる |
誤っているのは選択肢2です。
熱を感知する感知器には、大きく2種類あります。
| 種類 | 何で動作するか | 向いている場所 |
|---|---|---|
| 差動式 | 温度の上昇率 (急に上がったか) |
事務室、会議室、廊下などふだん温度が変わらない場所 |
| 定温式 | 一定の温度に達したか | ボイラー室・厨房・乾燥室など、平常時から高温・温度変化が大きい場所 |
差動式スポット型は、内部の空気室が急に温められて膨張することで接点が閉じる仕組みです。ゆっくりした温度上昇では、逃し孔から空気が抜けて動作しません。
ボイラー室は、運転を始めると室温が急に上がります。火事でないのに動作してしまうので、差動式は使えません。ここには一定の温度で動作する定温式を設置します。
同じ論点が、平成29年度後期にも出ています。
平成29年度 2級 学科試験(後期)No.28(正答は選択肢3)
自動火災報知設備の差動式スポット型感知器の設置場所として、消防法上、不適当なもの
1.休憩室 2.会議室 3.ボイラー室 4.自家発電室
こちらでもボイラー室が答えです。自家発電室が正しい肢として並んでいるところも同じで、令和6年度後期の選択肢1がそのまま裏付けられます。
自家発電室が差動式でよいのは、非常用の発電機はふだん運転していないためです。月に一度の試運転はありますが、常時高温になるボイラー室とは事情が違います。
選択肢3の食堂は、客が食事をする部屋であって調理をする場所ではありません。厨房なら定温式ですが、食堂は差動式で構いません。「食堂」と「厨房」を区別するのがこの肢の狙いです。
差動式スポット型感知器はどんな仕組みで動作するか。
内部の空気室が急に温められて膨張することで接点が閉じます。ゆっくりした上昇では逃し孔から空気が抜けて動作しません。
ボイラー室にはどの感知器を設置するか。
定温式です。平常時から温度が上がるため、差動式では誤動作します。
参考資料
※ この記事の確認日:2026年9月