令和6年度(後期)2級電気工事施工管理技士 第一次検定 No.18は、高圧配電線路に施設される地絡方向継電器において、地絡電流の方向を判定する要素として最も適当なものを選ぶ問題です。
この問題は、地絡のときに現れる量が何かを分かっているかを問うものです。地絡で生じるのは零相電圧と零相電流で、この2つの位相差が方向を教えます。
線間電圧や負荷電流は、地絡していなくても常にあるので手がかりになりません。
正解:選択肢4(零相電圧と零相電流の位相差)
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| 選択肢 | 組合せ | 解説 |
|---|---|---|
| 1 | 線間電圧と負荷電流 | どちらも地絡と関係がない |
| 2 | 線間電圧と零相電流 | 電圧側が違う |
| 3 | 零相電圧と負荷電流 | 電流側が違う |
| 4 | 零相電圧と零相電流 | どちらも地絡で現れる量 |
最も適当なのは選択肢4です。
三相の電圧・電流は、正常なときは互いに120度ずれて釣り合っており、3つを足すとゼロになります。
1線地絡が起きるとこの釣り合いが崩れ、足してもゼロにならない成分が現れます。これが零相電圧と零相電流です。
検出に使う機器
零相電圧 → ZPD(零相電圧検出装置)または EVT
零相電流 → ZCT(零相変流器)。3線をまとめて通す
ZCTは3線をまとめて貫通させる変流器です。正常なら3相の電流が打ち消し合って何も出ませんが、地絡があると打ち消しが崩れて零相電流が出ます。
ここで方向が問題になるのは、自分の構内で地絡したのか、他の需要家や配電線側で地絡したのかを区別する必要があるからです。
| 継電器 | 判定するもの |
|---|---|
| 地絡継電器(GR) | 零相電流の大きさだけ。向きは分からない |
| 地絡方向継電器(DGR) | 零相電圧と零相電流の位相差も見て、電流が流れた向きを判定する |
零相電流だけを見るGRでは、他の需要家の地絡で自分の設備も引きずられて遮断してしまう(もらい事故)ことがあります。DGRなら、地絡電流が構内へ向かっているのか構外へ向かっているのかを位相差で判別でき、自分の構内の事故のときだけ動作します。
選択肢の作り方を見ると、電圧側(線間/零相)と電流側(負荷/零相)をそれぞれ2通りにして組み合わせています。地絡で現れるのは零相の量だけと押さえれば、両方が「零相」の肢に絞れます。
地絡方向継電器は何をもとに電流の方向を判定するか。
零相電圧と零相電流の位相差です。
地絡継電器ではなく地絡方向継電器を使うのはなぜか。
他の需要家の地絡で自分の設備が遮断される、もらい事故を防ぐためです。
参考資料
※ この記事の確認日:2026年9月