令和6年度(後期)2級電気工事施工管理技士 第一次検定 No.19は、一般事務室照明の省エネルギー対策に関する記述として、最も不適当なものを選ぶ問題です。
この問題は、保守率が照明器具の台数にどう効くかを分かっているかを問うものです。保守率が小さいほど、必要な器具は多くなります。
器具が増えれば消費電力も増えるので、省エネにはなりません。
正解:選択肢1(保守率の値が小さい照明器具を選定する)
| 選択肢 | 対策 | 解説 |
|---|---|---|
| 1 | 保守率が小さい器具 | 台数が増える。大きい器具を選ぶ。不適当 |
| 2 | 点滅区分を細分化 | 要らない場所を消せる。適当 |
| 3 | タスク・アンビエント照明 | 全体を控えめにできる。適当 |
| 4 | 昼光利用の調光制御 | 窓際を絞れる。適当 |
最も不適当なのは選択肢1です。
保守率は、時間がたって汚れや劣化で明るさが落ちることを見込んだ係数です。使い始めの明るさに対して、保守の限界時点でどれだけ残っているかを表します。
照明器具の台数は、光束法で次のように求めます。
N = (E × A) ÷ (F × U × M)
N:器具の台数 E:平均照度 A:面積 F:1台の光束 U:照明率 M:保守率
分母に M があるので、保守率が小さいほど台数 N は大きくなります。
意味としては、汚れて暗くなることを見越してはじめから余分に器具を付けておくということです。新しいうちは必要以上に明るく、電気も余分に使います。
省エネのためには、逆に保守率の大きい器具を選びます。ほこりが入りにくい構造にする、清掃しやすい形にする、といった工夫で保守率は上がります。
ほかの3つは、いずれも要らない明るさを減らす方向の対策です。
| 対策 | 仕組み |
|---|---|
| 点滅区分の細分化 | 部屋全体を一度に消灯するのでなく、使っていない一角だけを消せる |
| タスク・アンビエント照明 | 手元(タスク)だけ明るくし、周囲(アンビエント)は控えめにする。全体を一様に明るくするより電力が少ない |
| 昼光利用の調光制御 | 明るさセンサで外光を測り、足りているぶんだけ照明を絞る。窓際で効果が大きい |
この問題は、保守率が分母にあることを知っていれば即座に切れます。式を覚えていなくても、「汚れやすい器具を選ぶのが省エネか」と言い換えれば筋が通らないと分かります。
保守率が小さいと、照明器具の台数はどうなるか。
増えます。台数の式の分母に保守率があるためです。
タスク・アンビエント照明方式とは何か。
手元を明るくし、周囲は控えめにする方式です。全体を一様に明るくするより消費電力が少なくなります。
参考資料
※ この記事の確認日:2026年9月