令和6年度(後期)2級電気工事施工管理技士 第一次検定 No.6は、変電所における「1線地絡が発生したときの健全相の電圧上昇が最も小さい接地方式」という記述に該当する中性点接地方式を選ぶ問題です。
この問題は、中性点を大地へどれだけ強くつなぐかで性質が決まることを分かっているかを問うものです。しっかりつなぐほど電圧上昇は小さく、地絡電流は大きくなります。
「電圧上昇が最も小さい」=最も強くつないだ方式、と読み替えます。
正解:選択肢2(直接接地方式)
> この論点をやさしく解説:中性点接地方式とは?直接接地・抵抗接地・非接地の違いを整理
| 選択肢 | 方式 | 健全相の電圧上昇 |
|---|---|---|
| 1 | 抵抗接地方式 | 中くらい |
| 2 | 直接接地方式 | 最も小さい |
| 3 | 非接地方式 | 大きい(√3倍程度まで上がる) |
| 4 | 消弧リアクトル接地方式 | 大きい |
該当するのは選択肢2です。
中性点接地方式は、変圧器の中性点を大地へどうつなぐかの違いです。
| 方式 | 電圧上昇 | 地絡電流 |
|---|---|---|
| 直接接地(導線で直結) | 最小 | 最大 |
| 抵抗接地(抵抗を介す) | 中 | 中 |
| 消弧リアクトル接地 | 大 | ほぼ0にできる |
| 非接地(つながない) | 大 | 小 |
この表で大切なのは、電圧上昇と地絡電流が裏返しの関係にあることです。片方を小さくすると、もう片方が大きくなります。
理屈はこうです。1線が地絡すると、その相の電位が大地と同じになります。中性点が大地へしっかりつながっていれば、中性点の電位も大地に引っ張られたままなので、残る2相の対地電圧はあまり変わりません。これが直接接地です。
逆に中性点が大地とつながっていない非接地では、地絡した相に引きずられて中性点の電位がずれます。その結果、健全相の対地電圧は最大で√3倍程度まで上がります。
それぞれの使いどころ
直接接地 … 187kV以上の超高圧。絶縁を薄くできるのが最大の利点
抵抗接地 … 送電線の中間の電圧
消弧リアクトル接地 … 地絡電流を打ち消してアークを自然に消す
非接地 … 6.6kVの高圧配電。地絡電流が小さく、通信線への誘導障害も少ない
直接接地が超高圧で使われるのは、電圧上昇が小さいぶん絶縁を薄くでき、機器を安く小さく作れるからです。そのかわり地絡電流が大きくなるので、遮断器の容量も大きくなります。
直接接地方式の利点は何か。
1線地絡時の健全相の電圧上昇が最も小さいので、機器の絶縁を薄くできることです。
電圧上昇と地絡電流はどんな関係にあるか。
裏返しの関係です。電圧上昇を小さくする方式ほど地絡電流は大きくなります。
参考資料
※ この記事の確認日:2026年9月