令和6年度 1級電気工事施工管理技士 第一次検定 No.50は、鉄道線路に関する記述として、最も不適当なものを選ぶ問題です。
この問題は、限界という言葉が何の限界かを分かっているかを問うものです。建築限界も車両限界も、大きさの限界です。
選択肢2は重量の限界と書いています。
正解:選択肢2(車両限界とは車両重量の限界)
> この論点をやさしく解説:車両限界とは?建築限界・緩和曲線・縦曲線を省令の定義で読み分ける
| 選択肢 | 用語と定義 | 解説 |
|---|---|---|
| 1 | 建築限界=建造物の構築を制限した限界 | 定義どおり。適当 |
| 2 | 車両限界=車両重量の限界 | 車両の大きさの限界。不適当 |
| 3 | 車止め=過走・逸走を防ぐ設備 | 定義どおり。適当 |
| 4 | 安全側線=逸走した車両の衝突を防ぐ側線 | 定義どおり。適当 |
不適当なのは選択肢2です。
引っかけの核心は、限界という言葉が重さにも使えるので、そのまま読めてしまうところです。鉄道の限界は断面の大きさを決めるもので、重さの話ではありません。
2つの限界は組になっています。
| 用語 | 誰に対する制限か | 中身 |
|---|---|---|
| 車両限界 | 車両 | 車両がはみ出してはいけない断面の大きさ |
| 建築限界 | 建造物 | 建造物を入れてはいけない断面の範囲 |
建築限界は車両限界よりひとまわり大きく取ります。車両は走行中に揺れるので、車両限界ぎりぎりに建造物があると接触するからです。この余裕が、トンネルや橋、ホーム、電車線の支持物の位置を決めています。
令和2年度 No.54には「車両限界は、線路の負担力を超えてはならない車両重量の限界である。」という選択肢があり、これが誤りとされました(公表正答は1)。今回の選択肢2とまったく同じ文が、両年度とも答えです。
選択肢3の車止めは、線路の終端に置いて車両が行き止まりを越えないようにする設備です。過走は行きすぎ、逸走は勝手に動き出してしまうことを指します。どちらも止めます。
選択肢4の安全側線は、停車場で使う短い側線です。信号を無視して進んできた列車や、勾配で動き出した車両を本線から逸らして、そちらへ進ませます。行き止まりの側線に入れることで、本線を走る列車との衝突を避けます。
電気工事の側から見ると、限界は電車線路の支持物や配線をどこに置けるかを決める寸法です。建築限界の内側には何も置けません。
車両限界とは何の限界か。
車両がはみ出してはいけない断面の大きさの限界です。重量の限界ではありません。
建築限界を車両限界より大きく取るのはなぜか。
車両は走行中に揺れるためです。余裕がないと建造物に接触します。
参考資料
※ この記事の確認日:2026年9月