令和6年度 1級電気工事施工管理技士 第一次検定 No.32は、自家用発電設備におけるガスタービン発電装置に関する記述として、最も不適当なものを選ぶ問題です。
この問題は、使える燃料の種類を分かっているかを問うものです。ガスタービンは灯油や軽油といった液体燃料でも動きます。
名前に「ガス」と付きますが、気体燃料に限りません。
正解:選択肢1(使用燃料は気体燃料に限られている)
> この論点をやさしく解説:ディーゼル発電装置とは?ガスタービンとの違いを項目ごとに整理
| 選択肢 | 内容 | 解説 |
|---|---|---|
| 1 | 気体燃料に限られている | 液体燃料も使える。不適当 |
| 2 | 冷却水を必要としない | 空気で冷える。適当 |
| 3 | ディーゼルより振動が少ない | 回転運動だけ。適当 |
| 4 | ディーゼルより多量の燃焼用空気が要る | 冷却も空気で行う。適当 |
不適当なのは選択肢1です。
引っかけの核心は、装置の名前が「ガス」タービンなので、燃料もガスに限ると思ってしまうところです。この「ガス」は燃料の種類ではなく、燃焼で作った高温の気体でタービンを回す仕組みを指しています。
実際には都市ガスやLPGのほか、灯油・軽油・A重油といった液体燃料も使えます。非常用の自家発電設備では、停電時にガスの供給が止まる可能性を考えて液体燃料を選ぶこともあります。
令和3年度 No.35には「液体又は気体の燃料が使用できる。」という選択肢があり、これは正しい選択肢として置かれていました(公表正答は2)。燃料は液体でも気体でもよい、と公表正答の側から確認できます。
選択肢2の冷却水については、同じ令和3年度 No.35で「ガスタービン本体を冷却するための水が必要である。」のほうが誤りとされています。ガスタービンは冷却水が要りません。平成28年度 No.35でも「機関本体の冷却水が不要である」が正しい選択肢として置かれていました(公表正答は2)。
ディーゼルと比べると、性格の違いがはっきりします。
| 項目 | ガスタービン | ディーゼル |
|---|---|---|
| 冷却水 | 不要 | 必要 |
| 燃焼用空気 | 多い | 少ない |
| 振動 | 少ない | 多い(往復運動があるため) |
| 部品点数・重量 | 少ない・軽い | 多い・重い |
| 窒素酸化物 | 少ない | 多い |
選択肢3の振動が少ない理由は、回転運動だけで動くからです。ディーゼルはピストンが往復するので、その反動が振動になります。ガスタービンは軸が回るだけなので揺れが小さく、基礎も簡単で済みます。
選択肢4の燃焼用空気が多い理由は、燃やすためだけでなく、燃焼室やタービンの翼を冷やすためにも空気を使うからです。冷却水がない代わりを空気が務めています。だから吸気口と排気口を大きく取る必要があり、平成28年度 No.35でも「燃焼用空気量が多い」が正しい選択肢でした。
ガスタービン発電装置に使える燃料は何か。
気体燃料と液体燃料の両方です。都市ガスやLPGのほか、灯油や軽油も使えます。
ガスタービンで燃焼用空気が多く要るのはなぜか。
燃やすためだけでなく、燃焼室やタービンの翼を冷やすためにも空気を使うからです。冷却水を使わない代わりです。
参考資料
※ この記事の確認日:2026年9月