令和7年度 1級電気工事施工管理技士 第一次検定 No.32は、ガスタービン発電装置と比較したディーゼル発電装置の特徴に関する問題です。この問題では、4つの記述のうち、最も不適当なものを選びます。
この問題は、2つの原動機の違いの基本(燃焼のしかた・必要な空気の量・冷却の方式・排出ガス)を問うものです。なかでも引っかけの核心は窒素酸化物がどちらで多く出るかで、燃焼温度の高さと結びつけられるかが分かれ目になります。
※ 問題文そのものは、建設業振興基金が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢3(最も不適当な記述)
> この論点をやさしく解説:ディーゼル発電装置とは?ガスタービンとの違いを項目ごとに整理
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| 1 | ○(正しい) | 熱効率が高いため、同じ出力あたりの燃料消費率は低い |
| 2 | ○(正しい) | 燃焼用空気量は少ない。ガスタービンは圧縮機を回すため大量の空気が要る |
| 3 | ×(誤り) | 燃焼温度が高いため窒素酸化物は多い。「濃度が低い」は逆 |
| 4 | ○(正しい) | シリンダを冷やす必要があるため冷却水が要る。ガスタービンは空冷でよい |
選択肢3の「発生する窒素酸化物の濃度が低い」という記述が誤りで、ディーゼルのほうが窒素酸化物は多く出ます。
窒素酸化物は、空気中の窒素が高い温度で酸素と結びついてできます。だから燃焼温度が高いほど多く発生します。
ディーゼルは、シリンダの中で空気を強く圧縮し、そこへ燃料を噴いて自己着火させます。狭い空間で一気に燃えるため燃焼温度が高くなり、窒素酸化物の濃度はガスタービンより高くなります。問題文は向きが逆です。
いっぽうガスタービンは、圧縮機で送り込んだ大量の空気で燃焼ガスを薄めながら連続して燃やします。空気が多いぶん温度が下がるので窒素酸化物は少なくなりますが、その空気を圧縮するのに動力を食うため燃料消費率は高くなります。選択肢1・2・4は、この燃やし方の違いから出てくる特徴です。
ディーゼル発電装置とガスタービン発電装置では、どちらが窒素酸化物を多く出すか。
ディーゼルです。シリンダ内で一気に燃やすため燃焼温度が高く、空気中の窒素が酸素と結びつきやすくなるためです。
ガスタービン発電装置に大量の燃焼用空気が必要なのはなぜか。
圧縮機で空気を送り込みながら連続して燃やす仕組みだからです。その空気が燃焼ガスを薄めて温度を下げる働きもしますが、圧縮に動力を使うため燃料消費率は高くなります。
参考資料
※ この記事の確認日:2026年9月