令和5年度 1級電気工事施工管理技士 第一次検定 No.71は、水力発電の有水試験に関する記述として、最も関係のないものを選ぶ問題です。
この問題は、その試験に水が要るかどうかで分けられるかを問うものです。単体動作試験は、水を通す前に機器だけを動かして確かめる試験です。
だから有水試験ではありません。
正解:選択肢1(水車関係機器の単体動作試験)
> この論点をやさしく解説:水力発電所の有水試験とは?運転する試験と動作確認の分かれ目を整理
| 選択肢 | 試験 | 水が要るか |
|---|---|---|
| 1 | 水車関係機器の単体動作試験 | 要らない。無水試験 |
| 2 | 負荷遮断試験 | 要る。回して発電している必要がある |
| 3 | 発電機特性試験 | 要る。定格速度で回す |
| 4 | 非常停止試験 | 要る。運転中に止める |
最も関係のないのは選択肢1です。
引っかけの核心は、ガイドベーンが水の量を調節する部品なので、水と結びついて見えるところです。調べているのは水ではなく、動く機構そのものです。
水力発電所の試験は、水を入れる前と後で分かれます。
| 区分 | 状態 | 試験の例 |
|---|---|---|
| 無水試験 | 水を通さない | 単体動作試験、遮断器・開閉器の動作試験、インタロックの確認 |
| 有水試験 | 水を通す | 通水検査、発電機特性試験、負荷遮断試験、非常停止試験 |
単体動作試験は、圧油装置や調速機といった機器が単体でちゃんと動くかを確かめる段階です。ガイドベーンが開いたり閉じたりする動きだけを見ます。
水を張ってから機器の不具合が見つかると、水を抜いてやり直すことになります。だから水を入れる前に、動くものは全部動かして確かめておきます。
この分類は2つの年度で確定しています。
| 出題 | 置かれた文 | 公表正答 |
|---|---|---|
| 令和2年度 1級 No.59 | 水車関係機器の単体動作試験 | 2。この肢が関係なし |
| 平成26年度 1級 No.59 | 水車・発電機機器動作試験 | 3。この肢が関係なし |
令和2年度の選択肢2はこの令和5年度の選択肢1と同じ文で、そちらでも公表正答でした。
選択肢2の負荷遮断試験は、運転中に負荷を切り離す試験です。
| 起きること | 内容 |
|---|---|
| 負荷が消える | それまで電気を作るのに使われていた力が余る |
| 回転が上がろうとする | 調速機がガイドベーンを閉じて水の量を絞る |
| 確かめること | 異常な速度上昇を起こさず、無負荷運転へ移れるか |
水を流して発電している状態でなければ成り立たない試験なので、有水試験です。
選択肢3の発電機特性試験も、定格速度で回すために水が要ります。無負荷飽和特性や三相短絡特性は、実際に回してみて測る値です。
選択肢4の非常停止試験は、一定負荷で運転している最中に保護継電器を動作させ、決められた順序で水車が止まるかを見ます。運転中でなければ試せません。
単体動作試験が無水試験に入るのはなぜか。
圧油装置や調速機といった機器が単体で動くかを確かめる試験で、水を通す必要がないためです。
負荷遮断試験では何を確かめるか。
運転中に負荷を突然切り離したとき、異常な速度上昇を起こさずに無負荷運転へ移行できるかを確かめます。
参考資料
※ この記事の確認日:2026年9月