令和5年度 1級電気工事施工管理技士 第一次検定 No.9は、水力発電所の出力から流量を求める問題です。
この問題は、水力発電の出力の式を逆に使えるかを問うものです。P=9.8QHη の Q だけを左に出せば済みます。
単位をメガワットからキロワットに直すところだけ注意します。
正解:選択肢3(75 m³/s)
| 項目 | 値 |
|---|---|
| 発電所出力 P | 147MW |
| 有効落差 H | 250m |
| 総合効率 η | 80% |
水力発電所の出力は、次の式で表します。
水力発電の出力
P = 9.8 × Q × H × η [kW]
P:出力[kW]/Q:流量[m³/s]/H:有効落差[m]/η:総合効率
求めるのは Q なので、両辺を 9.8 × H × η で割ります。
流量を求める
Q = P ÷ (9.8 × H × η)
P = 147MW = 147,000kW
分母 = 9.8 × 250 × 0.8 = 9.8 × 200 = 1,960
Q = 147,000 ÷ 1,960 = 75 m³/s
引っかけの核心は、出力がメガワットで与えられているところです。式の P はキロワットなので、147MW を 147,000kW に直してから割ります。
147のまま計算すると 147÷1,960=0.075 となり、桁が3つずれます。
分母は先に 250×0.8=200 とまとめると、9.8×200=1,960 の1回の掛け算で済みます。効率と落差を先に掛けるのが計算を軽くするコツです。
この 9.8 は重力加速度です。もとの式は、水がもつ位置エネルギーの単位時間あたりの量です。
| 記号 | 意味 |
|---|---|
| 9.8 | 重力加速度[m/s²]。水1m³の重さが9.8kNになる |
| Q | 1秒あたりに落ちる水の体積[m³/s] |
| H | 有効落差[m]。総落差から損失水頭を引いたもの |
| η | 水車と発電機を合わせた総合効率 |
有効落差は、取水口と放水口の高さの差(総落差)から、水路や水圧管で失われる分を引いた値です。問題文が「有効落差」と書いていれば、そのまま式に入れます。
水力発電の出力の式で、出力の単位は何か。
キロワットです。問題がメガワットで与えていたら1,000倍して直します。
有効落差とは何か。
総落差から水路や水圧管で失われる損失水頭を引いた落差です。実際に発電に使える高さの差を表します。
参考資料
※ この記事の確認日:2026年9月