令和5年度 1級電気工事施工管理技士 第一次検定 No.6は、発電機に関する記述として、最も不適当なものを選ぶ問題です。
この問題は、誘導発電機に何が付いていないかを分かっているかを問うものです。界磁も励磁装置も要りません。
その分だけ構造が簡単で安くなります。
正解:選択肢3(構造が複雑で高価である)
> この論点をやさしく解説:単独運転と自立運転と逆充電は何が違うのか?分散型電源の用語を条文で分ける
| 選択肢 | 内容 | 解説 |
|---|---|---|
| 1 | 同期発電機に回転界磁形と回転電機子形 | 2つの形式。適当 |
| 2 | 界磁巻線に直流を供給する装置が励磁装置 | 定義のとおり。適当 |
| 3 | 誘導発電機は構造が複雑で高価 | 簡単で安価。不適当 |
| 4 | 誘導発電機は単独運転ができない | 励磁を系統から受ける。適当 |
不適当なのは選択肢3です。
引っかけの核心は、選択肢4で「単独運転ができない」という制約が示されているので、複雑で高価という欠点も並んでいそうに見えるところです。この2つは同じ理由から出ている、裏と表の関係です。
誘導発電機は、かご形三相誘導電動機をそのまま回して発電させたものです。同期速度より速く回すと、電動機ではなく発電機としてはたらきます。
| 項目 | 同期発電機 | 誘導発電機 |
|---|---|---|
| 励磁装置 | 必要 | 不要。系統から受ける |
| 構造 | 複雑 | 簡単で安価 |
| 単独運転 | できる | できない |
| 同期の手間 | 電圧・位相・周波数を合わせる | 回してつなぐだけ |
誘導発電機は励磁を電力系統からもらうので、自分で界磁をつくる装置が要りません。これが構造の簡単さの理由であり、同時に系統がなければ発電できない理由でもあります。
だから選択肢4の「単独運転はできない」は正しく、その同じ理由から選択肢3の「複雑で高価」は逆になります。簡単だから系統に頼るのであって、複雑なのに頼るわけではありません。
選択肢1の2つの形式は、界磁と電機子のどちらを回すかの違いです。
| 形式 | 回るもの | 特徴 |
|---|---|---|
| 回転界磁形 | 界磁 | 大容量向き。取り出す大電流を固定側から出せる |
| 回転電機子形 | 電機子 | 小容量向き |
大きな発電機で回転界磁形を使うのは、回転する側から大電流を取り出すのが難しいからです。界磁に流す直流は電流が小さいので、回転側にしても扱えます。
選択肢2の励磁装置は、その界磁巻線に直流を送る装置です。流す電流を増減させれば磁束が変わり、端子電圧を調整できます。同期発電機の電圧調整はこの仕組みで行います。
誘導発電機の構造が簡単なのはなぜか。
励磁を電力系統から受けるので、自分で界磁をつくる装置が要らないためです。同じ理由で単独運転はできません。
大容量の同期発電機で回転界磁形が使われるのはなぜか。
回転する側から大電流を取り出すのが難しいためです。界磁に流す直流は電流が小さいので回転側にできます。
参考資料
※ この記事の確認日:2026年9月