令和5年度 1級電気工事施工管理技士 第一次検定 No.53は、鉄道線路における軌道変位に関する記述として、不適当なものを選ぶ問題です。
この問題は、高低変位がどの方向のずれかを分かっているかを問うものです。高低変位は1本のレールを縦に見た凹凸で、左右の差ではありません。
左右レールの高さの差は水準変位です。
正解:選択肢3(高低変位は左右レールの高さの差)
> この論点をやさしく解説:軌道変位とは?軌間・通り・高低・平面性の4つと定義の型を整理
| 選択肢 | 内容 | 解説 |
|---|---|---|
| 1 | 軌間は2本のレールの内面距離 | 定義のとおり。適当 |
| 2 | 通りはレール側面の長さ方向の凹凸 | 横方向の曲がり。適当 |
| 3 | 高低変位は左右レールの高さの差 | 水準変位の説明。不適当 |
| 4 | 平面性変位は軌道面のねじれ | 緩和曲線では構造的にある。適当 |
不適当なのは選択肢3です。
引っかけの核心は、「高低」も「水準」も高さに関する言葉なので、どちらがどちらか判別しにくいところです。分かれ目は1本のレールを見るか、2本を比べるかです。
| 変位 | 何を見るか | 内容 |
|---|---|---|
| 高低変位 | 1本のレールを縦に | レール頭頂面の長さ方向の凹凸 |
| 水準変位 | 左右2本を比べて | 左右レールの高さの差 |
| 通り変位 | 1本のレールを横に | レール側面の長さ方向の凹凸 |
| 軌間変位 | 左右2本の間隔 | 内面距離の設計値からのずれ |
| 平面性変位 | 4点の高さの関係 | 軌道面のねじれ |
高低変位と通り変位は、どちらも1本のレールを長さ方向に見た凹凸です。上下方向に見るのが高低、横方向に見るのが通りです。
この論点は平成27年度 1級 No.54で確定しています。そちらの選択肢3は「軌道の高低変位は、列車荷重が繰り返し加わるために生ずる左右レールの高さの差である」で、公表正答も3でした。
令和5年度の選択肢3とほぼ同じ文が、別の年度でも同じく誤りと判定されています。
選択肢4の平面性変位は、軌道面のねじれです。レールの4点が同じ平面に乗っていない状態を指します。
| 場所 | 平面性変位 |
|---|---|
| 直線区間 | あってはならない。狂いとして扱う |
| 緩和曲線中 | 構造的にある。カントを徐々に付けていくため |
曲線区間では、遠心力に対抗するために外側のレールを内側より高くします。これがカントです。直線から曲線へ入るところで急にカントを付けると危ないので、緩和曲線の中で少しずつ高くしていきます。
その途中では左右の高さの差が場所ごとに変わっているので、軌道面は必ずねじれます。これは設計どおりのねじれなので、狂いではありません。
平面性変位が問題になるのは、この構造的なねじれにさらに狂いが重なったときです。車輪が浮き上がって脱線につながります。
選択肢1の軌間は、2本のレールの内側の面どうしの距離です。日本の在来線は1,067mm、新幹線は1,435mmが標準です。
高低変位と水準変位の違いは何か。
高低変位は1本のレールの頭頂面を長さ方向に見た凹凸、水準変位は左右レールの高さの差です。
緩和曲線中に構造的な平面性変位があるのはなぜか。
カントを少しずつ付けていく区間なので、左右の高さの差が場所ごとに変わり、軌道面が必ずねじれるためです。設計どおりのねじれで狂いではありません。
参考資料
※ この記事の確認日:2026年9月