令和5年度 1級電気工事施工管理技士 第一次検定 No.46は、道路トンネル照明に関する記述として、最も不適当なものを選ぶ問題です。
この問題は、入口部照明が何に合わせて決まるかを分かっているかを問うものです。外が明るいほど中を明るくするので、外が暗ければ中も落とせます。
補うために上げるのではありません。
正解:選択肢3(野外輝度が低い場合に高くしなければならない)
> この論点をやさしく解説:道路トンネル照明とは?基本照明と入口部照明の違い・照明方式の使い分け
| 選択肢 | 内容 | 解説 |
|---|---|---|
| 1 | 基本照明は全長にわたり一定間隔 | 原則として等間隔。適当 |
| 2 | 基本照明は障害物を安全な距離から視認 | 目的のとおり。適当 |
| 3 | 野外輝度が低ければ補うため高くする | 低減できる。不適当 |
| 4 | 境界部が最も高く、移行部、緩和部の順に低い | 入口から奥へ下げる。適当 |
不適当なのは選択肢3です。
引っかけの核心は、「暗いところを補って明るくする」という言い回しが、照明の役目として自然に聞こえるところです。入口部照明が相手にしているのはトンネルの暗さではなく、目の順応です。
晴れた日にトンネルへ入ると、外の明るさに慣れた目には中が真っ暗に見えます。これを黒い穴現象といいます。
| 外の明るさ | 目の状態 | 入口部照明 |
|---|---|---|
| 晴天の昼(野外輝度が高い) | 明るさに順応 | 高くする |
| 曇天・夕方(野外輝度が低い) | すでに暗さに近い | 低減できる |
| 夜間 | 暗さに順応 | 不要(基本照明のみ) |
入口部照明は、外の明るさと中の明るさの差を埋めるための照明です。外が暗ければ差そのものが小さいので、無理に明るくする必要がありません。
この点は平成27年度 1級 No.47で確定しています。そちらの選択肢2は「入口部の路面輝度は、野外輝度が低い場合には、それに応じて低減することができる」で、公表正答は1(別の肢)でした。
その平成27年度の正答1は、「入口部の路面輝度は、緩和部が最も高く、移行部、境界部の順に低くできる」でした。順序が逆だったので誤りです。
つまり正しい順序は、この令和5年度の選択肢4のとおりです。
| 区間 | 位置 | 路面輝度 |
|---|---|---|
| 境界部 | 入口のすぐ内側 | 最も高い |
| 移行部 | その次 | 中くらい |
| 緩和部 | 基本照明につながる手前 | 低い |
入口から奥へ進むにつれて段階的に暗くしていき、基本照明の明るさへなめらかにつなぎます。目が暗さに慣れる速さに合わせた設計です。
選択肢1と2は、基本照明の話です。基本照明はトンネル全長にわたる照明で、前方の障害物を安全な距離から見つけられる明るさを確保します。
選択肢1の一定間隔は、令和2年度 1級 No.47でも正しい肢として置かれています。間隔がばらつくと明暗の縞ができ、ちらつきによる不快感の原因になります。
野外輝度が低いとき、入口部照明の路面輝度はどうするか。
それに応じて低減できます。入口部照明は外と中の明るさの差を埋めるためのものなので、外が暗ければ差も小さくなります。
入口部照明の3つの区間を、路面輝度の高い順に並べよ。
境界部、移行部、緩和部の順です。入口から奥へ進むにつれて段階的に低くし、基本照明へなめらかにつなぎます。
参考資料
※ この記事の確認日:2026年9月