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道路トンネル照明とは?基本照明と入口部照明の違い・照明方式の使い分け

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トンネルの照明って名前がいくつもあるけど、何のためのものなの?

カウンタービームとプロビームも、どっちがどっち?

この記事の要点

道路トンネル照明とは、トンネルの中と出入口付近で、運転者が前方の障害物を安全な距離から見つけられるようにするための照明のことです。

役割ごとに基本照明・入口部照明・出口部照明・接続道路の照明・停電時照明の5つに分かれます。

入口部照明が要るのは、明るい外から暗いトンネルへ入るとき眼の順応が追いつかないためです。だから入口側を強く照らし、奥へ進むほど落としていきます。

トンネル照明は、どこを照らす照明なのかで分けると混ざりません。

輝度の高低も照明方式の向きも、この分け方から導けます。

トンネル照明にはどんな種類があるか

トンネル照明は、照らす場所と目的で5つに分かれます。

種類 何のためか
基本照明 トンネルを走行する運転者が、前方の障害物を安全な距離から視認するための明るさを確保します。トンネル全長にわたり、灯具を原則として一定間隔に配置します
入口部照明 昼間、トンネルに接近する際に生じる急激な輝度の変化と、眼の順応の遅れを緩和します
出口部照明 昼間、出口付近の野外輝度が著しく高い場合に、出口の手前付近にある障害物や先行車の見え方を改善します
接続道路の照明 夜間、トンネル出入口付近の幅員構成や道路線形の変化などを明示します
停電時照明 停電時の危険防止のために設けます。基本照明の一部を兼用することもできます

昼間の対策が入口部照明と出口部照明、夜間の対策が接続道路の照明、という分かれ方です。

入口部照明はなぜ必要か

晴れた日にトンネルへ入ると、一瞬なにも見えなくなります。

眼は明るさの変化にすぐには追いつきません。明るい場所から暗い場所へ移ったとき、見えるようになるまで時間がかかります。

その間に前方の障害物を見落とさないよう、入口側を強く照らします。

言い換えると、「トンネルに入った直後がいちばん明るく、奥へ進むほど落としていく」ということです。

例えば、真夏の昼にトンネルへ入る場面を思い浮かべると分かりやすくなります。外の路面が白く光っている状態から急に暗がりへ入るので、入口の数十メートルがいちばん見えにくくなります。

入口部照明の区間は、手前から境界部・移行部・緩和部の3つに分かれます。路面輝度は境界部が最も高く、移行部、緩和部の順に低くなります。

入口部照明の明るさの下がり方(模式図) 明るい外 境界部 いちばん明るい 移行部 緩和部 基本照明へつなぐ トンネルの入口 奥へ
入口部照明の明るさが段階的に下がる様子をイメージでつかむための模式図です。区間の長さの比や明るさの度合いは実物どおりではありません。正しいのは、境界部・移行部・緩和部の順に並び、この順で輝度が下がるという関係だけです。

区間の長さは、設計速度が速いほど長くします。速い車ほど、眼が順応しきる前に奥まで進んでしまうためです。

外が暗ければ、そもそも眼の順応の落差が小さくなります。だから入口部の路面輝度は、野外輝度が低い場合には低減できます。補うために高くするのではありません。

基本照明の平均路面輝度で確認すること

基本照明はトンネル全長を照らすので、明るさの基準が別に決まっています。

  • 設計速度が速いほど高い値にします。速いほど遠くを見る必要があるためです。
  • 交通量が少ない場合は低減できます。
  • 交通量の少ない夜間は、昼間より低くできます。夜は外も暗く、眼の順応の落差が小さいためです。

トンネルの延長は、基本照明の平均路面輝度を決める条件には入りません。「トンネル延長が長いほど高い値とする」と書いた肢は、令和2年度 1級 学科試験 No.47で誤りとされています(公表正答は選択肢4)。

カウンタービームとプロビームの違い

トンネル照明方式は、まず対称照明方式非対称照明方式に分かれます。

非対称照明方式は、さらにカウンタービーム照明方式プロビーム照明方式に分かれます。どちらも非対称です。

照明方式 配光の向き 採用される箇所
カウンタービーム 交通方向と対向(車両の進行方向と逆方向)に照射 入口部照明
プロビーム 車両の進行方向に配光 主に入口部照明と出口部照明

カウンタービームが入口部に使われるのは、障害物を見つけやすくするためです。

運転者に向かってくる向きに光を当てると、障害物の運転者側の面は影になります。その一方で路面は明るく照らされます。障害物と路面の輝度の差が大きくなるので、黒いシルエットとして浮かび上がります。

「路上の障害物と路面との間に輝度の差が出にくいため、路上の障害物が認識しにくい」と書いた肢は、令和5年度2級(前期)No.31で誤りとされました。向きが逆です。

過去問でどう問われたか

1級・2級を合わせて6年度・9問出ています(1級4問・2級5問)。引っかけは大きく2つです。

  • ①順番や高低を逆にする:輝度の並び、野外輝度への対応が対象です。
  • ②照明方式の分類や採用箇所をずらす:非対称を対称に、入口を出口に書き換えます。
年度・級・問 誤りとされた記述
平成27年度 1級 学科 No.47 入口部の路面輝度は、緩和部が最も高く、移行部、境界部の順に低くできる ←①
平成30年度 1級 学科 No.47 入口部照明に必要な路面輝度は、緩和部が最も高く、移行部、境界部の順に低くなる ←①
令和5年度 1級 第一次検定 No.46 野外輝度が低い場合には、それを補うために高くしなければならない ←①
平成30年度 2級 学科(前期)No.32 カウンタービーム照明方式は…出口照明に採用される ←②
令和2年度 2級 学科(後期)No.32 カウンタービーム照明方式は、対称照明方式である ←②
令和5年度 2級 第一次検定(前期)No.31 路上の障害物が認識しにくい ←②

令和7年度 2級 第一次検定(前期)No.29では、「入口部照明の区間の長さは、設計速度が速いほど長くする」が正しい選択肢に置かれています。この年度の答えは選択肢3の「停電時照明は…基本照明の一部を兼用することはできない」で、公表正答も選択肢3です。兼用はできます。

令和元年度 2級 学科試験(後期)No.32には、同じ文の「設計速度が速いほど短くする」が選択肢1に置かれています。令和7年度で「長くする」が正しい側に出ているので、向きが逆であることは確かめられます。

境界部が最も高い。カウンタービームは非対称で入口部です。

まちがえやすいポイント

いちばん引っかかるのは、明るくする方向と暗くする方向が場面ごとに逆になることです。

設計速度が速いときは、基本照明の輝度も入口部照明の区間も増やす側です。一方で、野外輝度が低いとき、交通量が少ないとき、夜間のときは減らせる側になります。

「外が暗いぶん補って明るくする」と読むと逆になります。判断のもとは外の明るさではなく、外と中の落差です。落差が小さければ、照明も抑えられます。

混同しやすい語

基本照明と入口部照明:基本照明はトンネル全長を一定間隔の灯具で照らすもの、入口部照明は入口付近だけを強く照らして眼の順応の遅れを埋めるものです。入口部照明は昼間のための照明で、夜は必要がありません。

カウンタービームとプロビーム:どちらも非対称照明方式です。対向配光がカウンタービームで入口部照明、進行方向配光がプロビームで主に入口部と出口部の照明に使われます。

野外輝度と路面輝度:野外輝度はトンネルの外の明るさ、路面輝度は運転者の眼から見た車道の明るさです。外が明るいほど、入口部で必要な路面輝度も高くなります。

理解度チェック

Q.

入口部照明の路面輝度は、どこが最も高いか?

境界部です。次いで移行部、緩和部の順に低くなります。

Q.

カウンタービーム照明方式は対称か非対称か。また、どこに採用されるか?

非対称照明方式で、入口部照明に採用されます。

Q.

基本照明はどのように配置するか?

トンネル全長にわたり、灯具を原則として一定間隔に配置します。

まとめ

  • トンネル照明は、基本照明・入口部照明・出口部照明・接続道路の照明・停電時照明の5つ。
  • 基本照明はトンネル全長を一定間隔の灯具で照らす。平均路面輝度は設計速度が速いほど高く、交通量が少なければ低減できる。トンネル延長は条件に入らない。
  • 入口部照明は、眼の順応の遅れを埋めるための昼間の照明。路面輝度は境界部 → 移行部 → 緩和部の順に低くなる。
  • 入口部照明の区間の長さは、設計速度が速いほど長くする。
  • 野外輝度が低いときは、入口部照明も低減できる。補うために高くするのではない。
  • 照明方式は対称と非対称に分かれ、非対称がカウンタービームとプロビーム。カウンタービームは対向配光で入口部照明に採用される。
  • 対向配光にすると障害物と路面の輝度差が大きくなり、障害物を認識しやすくなる。

参考資料

  • 一般財団法人 建設業振興基金 試験研修本部「電気工事施工管理技術検定 問題・正答肢」(公式サイト)平成27年度1級・平成30年度1級・平成30年度2級(前期)・令和元年度2級(後期)・令和2年度1級・令和2年度2級(後期)=学科試験/令和5年度1級・令和5年度2級(前期)・令和7年度2級(前期)=第一次検定
  • JIS Z 9111:1988 道路照明基準 2.2(1)(路面輝度)
  • JIS Z 9116 トンネル照明基準
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