令和5年度 1級電気工事施工管理技士 第一次検定 No.37は、鉄骨造の建築物における接地工事に関する記述として、「電気設備の技術基準とその解釈」上、不適当なものを選ぶ問題です。
この問題は、接地抵抗値を500Ωまで緩められる条件を覚えているかを問うものです。漏電遮断器が0.5秒以内に遮断することが条件です。
1秒では緩められません。
正解:選択肢3(1秒で遮断する漏電遮断器)
> この論点をやさしく解説:接地抵抗値の判定とは?種別ごとの上限と500Ωの緩和を整理
> この論点をやさしく解説:建物の鉄骨を接地極に使う条件とは?2Ωと10Ωの線引きを条文で分ける
| 選択肢 | 内容 | 解説 |
|---|---|---|
| 1 | 鉄骨が2Ωならa種の接地極に使える | 2Ω以下が条件。適当 |
| 2 | B種は低圧側の中性点または一端子に施す | 混触防止のため。適当 |
| 3 | 1秒で遮断すれば500Ωにできる | 0.5秒以内が条件。不適当 |
| 4 | 共用の接地極には等電位ボンディング | 電位差をなくす。適当 |
不適当なのは選択肢3です。
引っかけの核心は、0.5秒と1秒がどちらも短い時間なので、感覚では区別がつかないところです。条文は0.5秒以内と定めています。
C種接地工事とD種接地工事は、条件を満たせば抵抗値を500Ωまで緩められます。
| 接地工事 | 原則 | 0.5秒以内に遮断する漏電遮断器を設けた場合 |
|---|---|---|
| C種 | 10Ω以下 | 500Ω以下 |
| D種 | 100Ω以下 | 500Ω以下 |
抵抗値を緩めると、地絡したときに金属部分に現れる電圧が高くなります。それでも安全なのは、感電する前に電流が切れるからです。
切れるまでの時間が長いと、その理屈が成り立ちません。0.5秒という値は、人が感電しても心室細動に至らない時間から決まっています。
選択肢1の2Ωは、建物の鉄骨を接地極として使うときの条件です。
| 用途 | 鉄骨の条件 | 内容 |
|---|---|---|
| 非接地式高圧電路のa種の接地極 | 大地との抵抗が2Ω以下 | 鉄骨を接地極として使える |
建物の鉄骨は基礎を通って地面に深く埋まっているので、大地との間の抵抗が小さくなります。その値が2Ω以下なら、専用の接地極を打たなくても代わりに使えます。
選択肢2のB種接地工事は、変圧器の高圧側と低圧側が触れ合ったときの備えです。
もし混触が起きると、低圧側に高圧が現れて機器と人が危険になります。低圧側の中性点を接地しておけば、その電流が大地へ流れて電圧の上昇を抑えられます。
接地する場所は低圧側の中性点ですが、中性点がない結線なら一端子に施します。
選択肢4の等電位ボンディングは、複数の接地を1つの接地極にまとめるときの措置です。
| 状況 | 起きること |
|---|---|
| まとめない | 接地どうしに電位差が生まれ、機器の間で電流が流れる |
| まとめる(等電位ボンディング) | 建物内の金属部分が同じ電位になり、電位差による感電を防げる |
a種からd種までを1つの接地極で共用する場合は、別の系統の地絡電流が他の機器へ回り込むおそれがあります。等電位ボンディングで全体の電位を揃えることが条件になります。
C種接地工事の接地抵抗値を500Ωにできるのはどんなときか。
地絡を生じた場合に0.5秒以内に電路を自動的に遮断する漏電遮断器を設けたときです。1秒では緩められません。
B種接地工事は何を防ぐためのものか。
変圧器で高圧と低圧が混触したとき、低圧側に高圧が現れる危険を防ぐためです。低圧側の中性点または一端子に施します。
参考資料
※ この記事の確認日:2026年9月