令和5年度 1級電気工事施工管理技士 第一次検定 No.36は、据置鉛蓄電池に関する記述として、「日本産業規格(JIS)」上、不適当なものを選ぶ問題です。
この問題は、制御弁がいつ開くかを分かっているかを問うものです。普段は密閉で、内圧が規定値を超えたときに開いてガスを出します。
問題文は前後を入れ替えてあります。
正解:選択肢3(通常はガスを放出し、内圧が上がると密閉になる)
> この論点をやさしく解説:据置鉛蓄電池とは?ベント形と制御弁式の違いを整理
| 選択肢 | 内容 | 解説 |
|---|---|---|
| 1 | ベント式は酸霧が脱出しない | 防まつ構造の排気栓。適当 |
| 2 | 触媒栓はガスを水に戻す | 酸素と水素を触媒反応で結合。適当 |
| 3 | 通常は放出、内圧超過で密閉 | 前後が逆。不適当 |
| 4 | モノブロック電池は単電池室を複数接続 | 定義のとおり。適当 |
不適当なのは選択肢3です。
引っかけの核心は、「ガスを放出する」も「密閉状態となる」もどちらも制御弁式の説明に出てくる言葉なので、順番を入れ替えても文として成り立ってしまうところです。
制御弁式は、名前のとおり弁で制御する方式です。弁は普段閉じていて、内圧が上がったときだけ開きます。
| 状態 | 弁 | 何が起きるか |
|---|---|---|
| 通常 | 閉じている | 密閉状態。発生したガスは内部で水に戻る |
| 内圧が規定値を超える | 開く | ガスを放出して圧力を逃がす |
普段が密閉だから、電解液が減らず補水が要りません。これが制御弁式の最大の利点です。ずっと放出していたら水がどんどん減ってしまいます。
この順序は2つの年度で確定しています。平成28年度 1級 No.37と平成30年度 1級 No.37は、どちらも「制御弁式鉛蓄電池は、通常の条件下では密閉状態にあるが、内圧が規定値を超えた場合、ガスの放出を行う蓄電池である」を置き、公表正答は別の肢でした。
選択肢1のベント式は、開放形の蓄電池です。ガスは外へ出しますが、電解液の霧(酸霧)は出さないようにした排気栓を使います。
この点も平成30年度 1級 No.37で確かめられます。そちらは「ベント形蓄電池は、防まつ構造をもつ排気栓を用いて、酸霧を放出するようにした蓄電池である」と書いて公表正答になりました。出さないのが正しい形です。
選択肢2の触媒栓は、開放形に付ける部品です。
触媒栓の働き
2H₂ + O₂ → 2H₂O
充電で発生した水素と酸素を、触媒の上で反応させて水に戻す
戻った水は電槽に落ちるので、補水の回数を減らせます。制御弁式は電槽の中で同じことが起きる構造になっています。
選択肢4のモノブロック電池は、1つの容器を仕切って複数の単電池室にしたものです。仕切りごとに極板と電解液が入っていて、それを内部でつないであるので、外から見れば1個の電池に見えます。
制御弁式鉛蓄電池の弁はいつ開くか。
内圧が規定値を超えたときです。通常は閉じていて密閉状態を保つので、補水が要りません。
触媒栓は何をする部品か。
充電時に発生する酸素ガスと水素ガスを、触媒反応によって水に戻す部品です。補水の回数を減らせます。
参考資料
※ この記事の確認日:2026年9月