令和5年度 1級電気工事施工管理技士 第一次検定 No.29は、屋内に施設するフロアヒーティングに関する記述として、「電気設備の技術基準とその解釈」上、不適当なものを選ぶ問題です。
この問題は、発熱線の温度の上限が場所で変わることを分かっているかを問うものです。屋内は80℃で、120℃は屋外で金属被覆がある場合の値です。
数字を屋外の側から持ってきています。
正解:選択肢4(120℃を超えないように施設した)
> この論点をやさしく解説:発熱線の温度は何℃まで許されるのか?フロアヒーティングの施設条件を条文で確かめる
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| 選択肢 | 内容 | 解説 |
|---|---|---|
| 1 | 対地電圧を150V以下とした | 上限300Vなので満たす。適当 |
| 2 | 金属体にD種接地工事 | 300V以下はD種。適当 |
| 3 | 専用の過電流遮断器と漏電遮断器 | 両方を設ける。適当 |
| 4 | 120℃を超えないように施設した | 屋内は80℃。不適当 |
不適当なのは選択肢4です。
引っかけの核心は、120℃という数字が別の条件では実際に正しい値なので、条文にある数字だという感触だけで通してしまうところです。見るのは屋内か屋外か、金属被覆があるかです。
| 条件 | 温度の上限 | 主な用途 |
|---|---|---|
| 屋内(フロアヒーティング) | 80℃ | ホール・居室の床暖房 |
| 屋外で金属被覆を有する発熱線 | 120℃ | 駐車場・道路の融雪 |
屋内の値が低いのは、人が直接ふれる床だからです。屋外の融雪は人が長く立つ場所ではなく、金属被覆で守られているので高い値が認められています。
この2つの値は、過去問でそれぞれ2年度ずつ確定しています。
| 出題 | 書かれた値 | 公表正答から分かること |
|---|---|---|
| 令和2年度 1級 No.29(屋内) | 80℃ | 正答は2。この肢は正しい |
| 平成26年度 1級 No.29(屋内) | 80℃ | 正答は4。この肢は正しい |
| 平成30年度 1級 No.29(屋外) | 120℃ | 正答は2。この肢は正しい |
| 令和7年度 1級 No.26(屋外) | 120℃ | 正答は1。この肢は正しい |
屋内の問題では80℃が、屋外の問題では120℃が、それぞれ正しい肢として置かれています。令和5年度は屋内の問題なのに、屋外の数字を持ってきています。
選択肢1の対地電圧は、上限が300Vです。150Vはそれより低いので満たしています。
選択肢2のD種接地工事は、この対地電圧と対応しています。
| 使用電圧 | 接地工事 | 接地抵抗値 |
|---|---|---|
| 300V以下 | D種 | 100Ω以下 |
| 300V超(低圧) | C種 | 10Ω以下 |
使用電圧が100VならD種です。0.5秒以内に切る漏電遮断器を設けた場合は、どちらも500Ω以下まで認められます。
選択肢3は、電路に設ける保護装置です。過電流遮断器は専用のものを設け、それとは別に漏電遮断器も設けます。片方ではなく両方です。
屋内のフロアヒーティングで、発熱線の温度の上限は何度か。
80℃です。120℃は屋外で金属被覆を有する発熱線の値です。
使用電圧100Vの発熱線に接続する電線の金属体には、どの接地工事を施すか。
D種接地工事です。使用電圧が300V以下だからです。
参考資料
※ この記事の確認日:2026年9月