令和5年度 1級電気工事施工管理技士 第一次検定 No.28は、屋内全般照明の光束法による照度計算に関する記述として、不適当なものを選ぶ問題です。
この問題は、室指数が何を表しているかを分かっているかを問うものです。室指数が大きい=背が低くて広い部屋なので、光が壁に逃げず照度は上がります。
下がるのではありません。
正解:選択肢3(室指数が大きいほど照度は下がる)
| 選択肢 | 内容 | 解説 |
|---|---|---|
| 1 | 壁面の反射率が小さいほど照度は下がる | 跳ね返る光が減る。適当 |
| 2 | 保守率が小さいほど照度は下がる | 式に直接掛かる。適当 |
| 3 | 室指数が大きいほど照度は下がる | 上がる。不適当 |
| 4 | 光源までの高さが高いほど照度は下がる | 室指数が小さくなる。適当 |
不適当なのは選択肢3です。
引っかけの核心は、選択肢1・2・4がすべて「小さいほど下がる」「高いほど下がる」で下向きにそろっているので、選択肢3も同じ調子で読めてしまうところです。室指数だけ大きいほど良くなる向きです。
光束法の式は次の形です。
光束法
E = (F × N × U × M) ÷ A
E:平均照度[lx]/F:ランプ1灯の光束[lm]/N:灯数
U:照明率/M:保守率/A:床面積[m²]
室指数は、この式の照明率Uを表から読むときの手がかりになる値です。
室指数
室指数 = (X × Y) ÷ {H × (X + Y)}
X:室の間口[m]/Y:室の奥行[m]/H:作業面から光源までの高さ[m]
Hが分母にあるので、光源が高いほど室指数は小さくなります。逆に部屋が広いほど大きくなります。
| 部屋の形 | 室指数 | 照明率と照度 |
|---|---|---|
| 広くて天井が低い | 大きい | 壁に逃げる光が少ない。照明率が高く照度も高い |
| 狭くて天井が高い | 小さい | 壁に当たる光が多い。照明率が低く照度も低い |
天井が高くて細長い部屋では、光が床に届く前に壁に当たって吸収されます。広くて低い部屋なら、光はまっすぐ床へ向かいます。これが室指数と照度の関係です。
選択肢4は、この関係の言い換えです。光源までの高さHが高くなると室指数が小さくなり、照明率が下がって照度も下がります。選択肢3と選択肢4は、同じ式の別の読み方なので、両方が「下がる」になることはありません。
選択肢1の壁面の反射率も、照明率に効きます。壁に当たった光は全部が消えるわけではなく、反射率が高ければ一部が跳ね返って床に届きます。反射率が小さいとその分が失われます。
選択肢2の保守率Mは、式に直接掛かっています。
| 保守率が下がる原因 | 内容 |
|---|---|
| ランプの光束の低下 | 使ううちにランプ自体が暗くなる |
| 器具の汚れ | ほこりで光が遮られる |
| 室内面の汚れ | 壁や天井が汚れて反射率が落ちる |
保守率は時間がたって暗くなる分を、最初から見込んでおくための係数です。掃除の回数が少ない場所ほど小さい値を使います。
室指数が大きいと照度が上がるのはなぜか。
広くて天井が低い部屋を表す値だからです。壁に当たって吸収される光が少なく、照明率が高くなります。
保守率は何を見込んだ係数か。
ランプの光束の低下、器具の汚れ、室内面の汚れによって時間とともに暗くなる分です。
参考資料
※ この記事の確認日:2026年9月